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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

RACERS Volume 70

 ブログで書いていた記事をまとめ、加筆しました。

RACERS Volume 70 (ganriki.net)

 
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RACERS Volume 70

 これは公開校正ではありません。

 68頁に、ホンダの宮腰氏によるRC165のコンロッド長の設定について


「1955年にF-1で活躍したメルセデスベンツW196Sのコンロッドレシオ3.8を参考にし~」

とあります。

 ところが「勝利のエンジン50選」(カール・ルドヴィクセン、二玄社2004)では、1955年のメルセデス・ベンツF-1エンジンのコンロッドレシオを4.0としています。

 また、F-1カーはW196R(エンジンはM196R)で、W196S(エンジンM196S)は3リッタースポーツカー(ルマン24時間レース等を走る)ですので、宮腰氏の言う「W196S」はF-1ではなくスポーツカーのはずです。

 各エンジンのボア×ストロークは
M196R 76×68.8 mm
M196S 78×78 mm

 69頁右上の図の説明に「~M196のエンジンは~2496㏄~先進的エンジンだった」とありますから、この図はM196Rということになります。

 しかし、図を拡大してみると

ボア(黄線)とストローク(赤線✖2)が同じに見えますので、本図のエンジンはM196Sのものと思われますし、同様に図ではコンロッドレシオ(白線/赤線)=3.8あたりに見えます。


 このようなことから、宮腰氏がF-1エンジンと思っていたコンロッドレシオはスポーツカーエンジンのものの可能性が高いと思われます。

 ところで、「先進的エンジン」とは他者の先駆けになるエンジンだと思いますが、他社が採用しないようなメカニズムのエンジンが先進的なエンジンなのでしょうか?





 

情熱のロードレース Vol.9 『シン・モリワキブック』の回収


 11月8日、12月18日に告知されていました。
NEWS & INFORMATION | 八重洲出版 公式サイト (yaesu-net.co.jp)

 
編集上の不備とのことです。




公開校正 RACERS Volume 70(6)

技術的な頁については後々書くとして、現段階では・・・

69頁最下行 
※4 λ=1/r の分子が「いち」なのか「エル」なのかはっきりしませんが、

λ=ℓ/r(ラムダ イコール アール ぶんの エル)


です。コンロッド長/クランク半径 です。



 71頁の出力記述と86-87頁諸元表を対比するとかなり違いますね。

RC164 45.6/13500 →45.6/14000
2RC165 54.3/17500 → 記載なし(左記出力はRC165のもの)
3RC165、RC166 56.8/18500  → (RC166のみ)56.8/17500
RC166B 59.2/18400 → 59.2/18500

 エンジンの出力は個体差がありますし、同一個体ですら(補正式があっても)気象条件等によってばらつきます。

 ただ、上の食い違いは単にライター氏のミスのような気がします。

 また、86-87頁の諸元表、いろいろおかしな数値があります。例えばレースに出なかったRC140が

最大トルク発生回転数>最高出力発生回転数

になっており、最高出力も18PSと、よく知られた(86-87頁に記載はないが)RC142の最高出力17.3PSを上回っています。


 また、500㏄のRC181、2RC181とすべきところがRC180(1965年製作の450㏄)、RC181になっています。

 また、マシンによっては

最大トルク時の出力>最高出力

になっています。


 このあたりはもっと整理します。

公開校正 RACERS Volume 70(5)

54頁
「(レッドマンの写真説明)なお、'63ダッチTTでのハットトリックは、彼が初めて成し遂げた偉大な記録だった」

 1963年ではなく1964年の誤り。 
 「初めて」とあるが、3クラス制覇ならその横のヘイルウッドに関する記事にあるようにヘイルウッドが1961年に達成済。初めてなのは「1日間でのハットトリック」

「1963年マン島TT350㏄クラス写真説明)RC173」
 RC172の誤り。RC173は1966年型。

54頁
「(中列)ヘイルウッドとMVの間に契約は残っていたが、それは350㏄クラスで~鈴鹿を走り終えるまでだ。続く250㏄クラスのレースでヘイルウッドは自由の身になるため、ホンダ6気筒に乗ることは契約的に何の問題もなかったのである」
 10頁同様、誤り。そもそも契約期間が日本GP決勝1日目(土曜日)まで、というライター氏の発想が理解できない。

「(右列、350㏄レース記述の後)そして250㏄の最初の練習走行を終えたピットには、ヘイルウッドのホンダ6気筒に対するファースト・インプレッションを聞きたい多くのジャーナリストたちでにぎわうことになる」

 250㏄クラス最初の練習走行が350㏄レースの後のような記述になっている。350㏄レースは10月23日(土)に行われ、各クラスの公式予選は10月20~22日に行われた。

250㏄決勝で、顔を蜂に刺されるというアクシデントに遭ったレッドマンは欠場~」

 250㏄決勝で蜂に刺されて欠場・・・250㏄決勝で、(前日)顔を蜂に刺されたレッドマンが欠場と言いたいようだ。

90頁
「’66年のマン島TTでRC173を駆るヘイルウッド。決勝は他クラスのタイトル獲得に専念するため不出走~」

 出場し1周目のビショップスコート地点でエンジン故障によりリタイアした。写真はプラクティスではなくレース1周目のクォーターブリッジ地点。

 ライター氏は350㏄クラスが250㏄、500㏄クラスと同日開催とでも思ったのだろうか? また、ヘイルウッドが350㏄と同日開催の125㏄レースも走ったこと(33頁写真、35頁結果表)をどう考えるのだろう?

 モーターサイクリスト誌1966-11の写真説明「~350㏄クラスではヘイルウッドの棄権でアゴスチーニが~TT初優勝」とあったが、ライター氏はこの「棄権」が「途中棄権」だと気が付かずに記事にしたのだろうか?

91頁
「350㏄~レッドマンは、’63年に6勝~」

 「5勝」の誤り。日本GPでの優勝はたった3台しか出走しなかったために世界選手権レースとはならなかった。

「(写真1)マロリーパーク~レースオブザイヤー(ポストTTレース)~’67年の~ダン・ショーレー~」

 有名な写真で、こちらに同じ写真がある。Mallory Park Post Tt In 1968 - Internal-Combustion.com

 レースオブザイヤーとポストTTは別のイベントで、これはポストTT。  
 しかも、1967年ではなく1968年のもの。ヘイルウッドのRC174、リードのRD05Aが1968年型で、ヘイルウッドのヘルメット、グラブも1968年仕様なのですぐ分る。
 なお、ゼッケン8はShorey(ショレー)ではなくロドニー・グールド。

「(写真1)すでにヘイルウッドは加速態勢に入っているのがすごい」

 写真の状態ではエンジン始動済かどうか不明瞭。

 ヘイルウッドの押し掛け手順は次の通り。

マシンを押す

マシンに横すわりし、クラッチを繋ぎエンジン始動

マシンに跨りながら緩加速

マシンに跨ったら本格的に加速

 1967年マン島500のスタート


 写真ではまだ横すわりの状態。つまりエンジンが始動済かどうか不明瞭。

「(写真3)’67年の東ドイツGPで優勝した~ヘイルウッド」

 この写真。
https://pbs.twimg.com/media/C7mrU6AXQAEeuV4?format=jpg&name=medium


「西ドイツGP」の誤り。コースの風景がザクセンリング(東ドイツ)と異なり、ヘイルウッドのグラブ、RC174の前フェンダーが東ドイツGP350㏄時(下)と異なる。


   下は西ドイツGP350㏄。




91頁
「(上写真)レッドマンに代わって~この後同じ大会で3勝を挙げるという偉業を達成した」

 レッドマンの代わりではない。ヘイルウッドは1966年500㏄第1戦こそ欠場(1日走行距離規制のため)したが、500㏄第2戦オランダ、500㏄第3戦ベルギーはレッドマンと共に出場した。
 
 この写真は1966年マン島TTレース中のものだが、1967年マン島TTの3クラス優勝のことを「この後~」と書いて読者に何が伝わるのだろう?

92頁
「(本文最後)ポイントでは僅差でアゴスチーニに及ばす~」

 「2位入賞回数でアゴスチーニに及ばず」の誤り。

  有効得点は同点。総得点はアゴスチーニが上だが、これはランキングには全く考慮されない。考慮されたのは優勝回数(同じ)→2位の回数(3対2でアゴスチーニ)。

 





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