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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

テクニカルコース(7)

 これまでの記事に加筆してまとめました。

テクニカルコース

 例えば、下の赤文字が追加分です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 これらの関係から、700m加速するのに要する時間を計算する。さらに、コーナー脱出速度を10%上げた時も同様に加速時間を計算した。
 低速コーナー
 脱出速度80km/h 11.56秒
 脱出速度88km/h 11.47秒(0.09秒短縮)  出力向上3PS相当
高速コーナー
 脱出速度200km/h 9.90秒
 脱出速度220km/h 9.59秒(0.31秒短縮)  出力向上17PS相当
 高速コーナーの方がコーナー脱出速度を1割上昇させた効果が大きいことがわかる。 200km/hの1割上昇ではなく、80km/hと同じ8km/h上昇で計算してみても
 脱出速度208km/h 9.78秒(0.12秒短縮)  出力向上7PS相当
となり、脱出速度上昇による直線加速時間短縮効果が低速コーナーより大きい。
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テクニカルコース(6)

 下は1983 British motorcycle Grand Prix - Wikipedia のコース図に加筆したもので、JFRMCブログ テクニカルコース に載せた図を修正したものです。

黒数字 直線長(m) 推定
青数字 コーナー半径(m) R 推定
赤数字 変速機段番号 
 
 中央上のBecketts(60R)で2速に落とすだけで、他は3速以上の高速コーナーで、その高速コーナーに350~720mの直線が続きます。

 さて、こちらは1988年の鈴鹿の航空写真に加筆したもの。地図空中写真トップ

です。コース中央下のコーナー(デグナーカーブ)は1987年シーズン中に2つのコーナーになりましたが、1986年時点では80Rの単一コーナーでした。

 直線手前にある高速コーナーは、最終コーナー(250R)、100・180R複合コーナー(ダンロップコーナー)、130Rですが、コーナーに続く直線が長いのはホームストレート(800m)で、他の2つに続く直線は200m程度です。
 ただし、250Rは手前にシケインがあるため、250Rへの進入は
シルバーストーンの最終コーナー(240R、Woodcote)より容易です。
 
 そして、西ストレートは長いのですが、その前のスプーンカーブ (60R)は高速コーナーとはいえないでしょう。
 鈴鹿はシルバーストーンよりコーナー脱出速度が直線タイムに与える影響が少ないのです。


JFRMCブログ テクニカルコース(2)で書いたように、スロットル全開時間、全開率(スロットル全開時間/ラップタイム)は

1983年シルバーストーン(ケニー・ロバーツ) 25秒  27~28%(その他:72~73%)
1986年鈴鹿(平忠彦) 25秒 18~19%(その他:81~82%)

程度です。これだけ見ると、その他(ブレーキング+コーナーリング)の割合が大きい鈴鹿の方がライダーのテクニックの差がラップタイムに表れやすいように感じられるかもしれませんが、この数値だけでは何も分らないのです。

 そして、高速コーナーでは速度が高いため、ライダーがマシンの挙動からミスに気が付いて修正を開始するまでの許容時間(修正が間に合う時間)が短くなります。240Rでは60Rでの反応時間の1/2でライダーが対処する必要があります。高速コーナーでは低速コーナーより正確なマシンコントロールが要求されるのです。そして、ライダーのミスにより転倒した場合のリスクも低速コーナーより大きいでしょう。

 「シルバーストーンはライダーにcourage and skillを要求するサーキット」なのです。

 付け加えるなら、シルバーストーンでは直線に入った時の速度が高いため、スリップストリームを使いやすく、出力の低いマシンであっても接戦に持ち込めば十分勝機があります。

 私は、シルバーストーンは、コーナーの多い「テクニカルコース」とは別の意味での「テクニカルコース」だと考えています。

※ロバーツは最終コーナー(Woodcote)を4速(Techniques of Motor Cycle Road Racing by Kenny Roberts, Hazleton 1988)、Abbey(170R)も4速で走る(1979年、Kenny Roberts by Barry Coleman, Arthur Barker 1982) としている。他地点は推定。

テクニカルコース(5)




 上図のコーナーからの脱出速度と、コーナーに続く直線での加速時間について考えます。

 次のとおり仮定します。
〇直線加速距離700m
〇出力は120PS一定(後車軸)
〇走行抵抗は空気抵抗のみ
〇マシン質量210㎏(ライダー、燃料を含む)
〇真の最高速300km/h(直線長が非常に長いコースに合わせて減速比を調整した状態での最高速)

 コーナー脱出速度を80km/h(低速コーナー)と200km/h(高速コーナー)とした場合の、加速に寄与する出力は次のとおり。

〇コーナー脱出速度80km/h
コーナー脱出時に加速に寄与する出力 120×(1-(80/300)3)=117.7 PS
〇コーナー脱出速度200km/h
コーナー脱出時に加速に寄与する出力 120×(1-(200/300)3)=84.4 PS

 直線で加速すればするほど加速出力が減少します。
 
 さらに
 加速度a=P/mv(P:出力、m:質量)

ですので、速度上昇とともに加速度が小さくなります。

 これらの関係から、700m加速するのに要する時間を計算します。そして、コーナー脱出速度を10%上げた時も同様に加速時間を計算してみました。

低速コーナー
80km/h 11.56秒
88km/h 11.47秒(0.09秒短縮)

高速コーナー
200km/h 9.90秒
220km/h 9.59秒(0.31秒短縮)

 高速コーナーの方がコーナー脱出速度を1割上昇させた効果が大きいことがわかります。

 200km/hの1割上昇ではなく、80km/hと同じ8km/h上昇で計算してみても

208km/h 9.78秒(0.12秒短縮)

となり、脱出速度上昇による直線加速時間短縮効果が低速コーナーより大きいのです。


 もてぎのダウンヒルストレートでの加速距離は650m程度と思われますが、その手前のヘアピンは30R・180度程度の低速コーナーですので、その脱出速度の直線タイムへの影響は鈴鹿のスプーン(60R・110度程度)に比べると小さなものです
 そして、接戦になった時、直線での加速開始直後のスリップストリームの効果も低く、もてぎのこのセクションは、ライダーのテクニックより出力差が(鈴鹿サーキットのスプーンより)表れやすいと言えるでしょう。


 なお、上記計算は一定の条件の下での試算であり、個々の数字を保証するものではありません。あくまで脱出速度の差により直線加速時間がどの程度変化するかを推定するためのものであることに御留意ください。

テクニカルコース(4)

JFRMCブログ テクニカルコース(3)

ケニー・ロバーツの言う
〇低速コーナーより高速コーナー、特に高速セクションに繋がる高速コーナーがラップタイムを短縮する上で重要
〇重要なコーナーを攻めても0.1秒も稼げない。高速Sを攻めれば0.5秒稼げる

について考えます。
 下の図のようなコースを想定します。
 実際とは異なりますが、半径R(メートル)のコーナーの速度Vで等速走行するとします。
 遠心加速度=V2/R ですから、速度はRの0.5乗に比例し、コーナー通過時間もRの0.5乗に比例します。

 20R(半径20m)の速度が60km/hとして、Rと速度(km/h)、コーナー通過時間(秒)の関係は下図になります。

 
 60Rでは95km/h・3.6秒、200Rでは174km/h ・6.5秒です。高速コーナーは低速コーナーより通過時間が長いため、各コーナー通過時間がラップタイムに占める割合が大きくなります。

 そして、ロバーツの言が示すように、直線の前の高速コーナーはさらに大きな意味を持ちます(続く)。










 




 

実は《警察官がクマを撃てない》明確な理由があった?

「なぜ警察はクマを撃たないんだ」 SNSに広がる疑問の声…実は《警察官がクマを撃てない》明確な理由があった【元刑事が解説】


 市中の警察官が拳銃(ピストル)でクマを撃つのは法令以前の問題で無謀だと考えます。

 しかし、元刑事の方は警察官が拳銃しか装備していないという前提で論を進めているように思います。

「警察官の拳銃使用に関する法的根拠は、警察官職務執行法第7条(武器の使用)にあります。同条では、警察官が「犯人の逮捕・逃走防止」や「自己または他人の防護」のために、相当の理由がある場合に限って武器を使用できると規定されています。つまり、法の想定対象はあくまで「人間」であり、この条文にクマなどの動物を撃つことは想定されていません。」


 警察官職務執行法を都合よく解釈しているようです。そもそも「武器」とは人に使用するものであって、武器等製造法においては、猟銃は銃砲であっても武器ではありません。
 ですから、警察官職務執行法第7条は警察官が武器である拳銃等の使用を制限しているのであって、猟銃によるクマ駆除についてはなんら制限をしていません。

「では、クマ対策に関して、警察は何もできないのでしょうか。ここで登場するのが、警察官職務執行法第4条(避難等の措置)です。この条文では、「人が死傷するおそれがある場合や、狂犬が暴れ回る場合など、危険を防止するために必要な措置を命じ、または自ら行うことができる」とされています。クマもこの「狂犬」になぞらえて解釈されるため、警察官が現場で緊急的に措置を取ること自体は否定されません。ここで言う「措置」とは、退避・避難誘導命令・猟友会への駆除指示などを指し、また警察官自身も、今まさに人の生命に危険が及んでいるといった場合には、自らその措置を取ることができると解されています。」

 クマ駆除が猟友会への駆除指示(条文では「命令」)に限定されるのが理解できません。そもそもこの命令に罰則規定はありません。猟友会、猟友会員でない猟師への強制力はないのです。

 また、「(警察官)自ら行うことができる」の「できる」規定は「してもしなくてもよい」と解することはできません。

警察官職務執行法第1条 この法律は、警察官が警察法(昭和29年法律第162号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。

 この目的を達成する手段の一つとして同法第4条が定められているのですから、「できる」は「必要は場合はしろ、しないのは職務怠慢」と解すべきです。猟友会等の協力が得られない場合は、警察官が対人ライフル、猟銃によりクマ駆除をしなければなりませんし、その備えをするべきだと考えます。赤文字は「できる」規定を恣意的に解釈していると考えます。

 
参考

クマの被害が大きい都道府県に担当官を週明けにも派遣へ 国家公安委員長が表明

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