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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

オリジナルフレーム・ホンダRC181

 マイク・ヘイルウッドが1967年シーズン当初、世界選手権以外のレースで使用したオリジナルフレームのホンダRC181について、http://jfrmc.ganriki.net/rc181/rc181-1.htm でBellettiとしていましたが、製作者が設立した会社のサイト https://stelbel.it/il-telaio-belletti/ にマシンの写真がありましたので、そのサイトにリンクしました。

 Wikipedia https://en.wikipedia.org/wiki/Stelio_Belletti にも記事があります。

 前フォークはチェリアーニで、ディスクブレーキはリスター(Lyster)のようです。同じものがRC173(350㏄4気筒)に装着され、イギリス国内レースでヘイルウッドが使用したこともあります。

 
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次亜塩素酸 空間除菌脱臭機(2)(修正あり)

 問題なのは、「塩素ガス0.5ppm」を参照していることです。https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/11872/p/1746,2908,2909/related/1
ではEUリスク評価書の数字とのことです。

 EUリスク評価書 
http://www.nihs.go.jp/hse/chem-info/eu/euj/7782-50-5_j.pdf

 
一部引用すると
「ヒトにおける NOAEL が 0.5 ppm(1.5 mg/m3)であることを示す詳細な証拠が、Schins et al. (2000)が公表した Emmen and Hoogendijk(1997)の試験によって示されている。この試験は、 十分な記載がなされており、また臨床試験の実施基準(GCP)に準拠している。この試験の 目的は、以下の通りである。 1) 低濃度の塩素への曝露により、げっ歯類で誘発される様な鼻への影響が、人間でも 誘発されるかどうかを見極める。 2) ヒトのボランティアを 0、0.1、0.3 ないしは 0.5 ppm(0、0.3、0.9 ないしは 1.5 mg/m3) の塩素に曝露し、曝露により生じ得る呼吸器系への影響を確認する。

8 名の男性ボランティアが、4 つのうちのいずれかの濃度で、1 日 6 時間で連続 3 日間曝露 された。1 名のボランティアは、試験とは無関係な理由により参加を中止したため、デー タ分析は 7 名の被験者のものに限られた。

いくつかの有害影響がボランティアから報告され、医師がそれを記録した。それらのほとんどは、曝露に関連していると考えるのは「難しい」ものであるか「妥当性が低い」ものであった。以下に示す影響が、投与に関連していると考えるのが「妥当である」と判断された。 鼻洞の緊張(1 例)、眼の刺激症状(5 例)、咳(2 例)、鼻詰まり(2 例)、喉の渇き(1 例)、口 の渇き(1 例)、喉の刺激症状(1 例)、呼気喘鳴(1 例)、鼻腔における粘液産出(1 例)。」 

  原文(英語)はこちら。
Some adverse effects were reported by the volunteers and registered by the physician. Most of them were classified as “impossible” or “unlikely” to be treatment related. The following effects were judged as “possible” to be treatment related: sinus tension (1 case), eye irritation (5 cases), coughing (2 cases), nose congestion (2 cases), dry throat (1 case), dry mouth (1 case), throat irritation (1 case), expiratory wheeze (1 case), mucus production in nasal cavity (1 case).  The study concluded that nasal lavage measurements did not support an inflammatory response or irritant effects on the nasal epithelium. Furthermore no significant effect on lung function parameters was found. The study did not support an inflammatory effect in the nose nor shows changes in the respiratory function at repeated exposure up to 0.5 ppm (1.5 mg/m3).

そして、急性毒性のまとめとして
「ヒトのボランティアを対象とした信頼性の高い試験では、最高 0.5 ppm(1.5 mg/m3)の塩素 に数日間曝露しても、鼻腔に炎症性の影響が生じることはなく、また、呼吸機能にも変化 は示されなかった(NOAEL)。 」

 0.5ppm以下で影響が出ている(しかも、0.5ppmなのか0.3ppmなのか示されてない)のにこのような評価になっているのは、試験が呼吸器系への影響(呼吸機能)を確認することが目的なためなのか?
 どちらにしても「6時間/日、3日間」の結果であり、毎日噴霧する、時間が6時間が越える、若年者、という条件でないことは確かです。

 また、刺激性について
「ヒトのデータに基づくと、眼に対する刺激性影響は、0.2~4 ppm(0.6~12 mg/m3)の濃 度の塩素で認められている。」
とあります。

この基準は「ACGIH」のようです。アメリカ産業衛生専門家会議が定めた許容限度です。日本産業衛生学会の許容濃度等はTWAではなく最大値です。なので、メーカーがいう基準はACGIHと判断しました。

 どちらにしても、この基準は環境基本法に基づく「環境基準」と異なります。環境基準は、年齢、(原則)暴露時間を考慮しないのに対して、(例えば)産業衛生学会許容濃度等は条件があります。当然、労働者ですから中学生以下は対象外でしょう。

 許容濃度の説明を引用しますと、

許容濃度等の性格及び利用上の注意(1~4、8~10は略)
5.人の有害物質等への感受性は個人毎に異なるので、許容濃度等以下の暴露であっても、不快、既存の健康異常の悪化、あるいは職業病の発生を防止できない場合がある。
6.許容濃度等は、安全と危険の明らかな境界を示したものと考えてはならない。従って、労働者に何らかの健康異常がみられた場合に、許容濃度等を越えたことのみを理由として、その物質等による健康異常と判断してはならない。また逆に、許容濃度等を越えていないことのみを理由として、その物質等による健康異常ではないと判断してはならない。
7.許容濃度等の数値を、労働の場以外での環境要因の許容限界値として用いてはならない

1.化学物質の許容濃度
 許容濃度とは、労働者が1日8時間、週間40時間程度、肉体的に激しくない労働環境で有害物質に暴露される場合に、当該有害物質の平均暴露時間がこの数値以下であれば、ほとんど全ての労働者に健康上の悪い影響が見られないと判断される濃度である~(注:塩素のような)一部の物質の許容濃度を最大許容濃度として勧告する理由は、その物質の毒性が、短時間で発現する刺激、中枢神経抑制等の生体影響を主とするためである。

 
 このような性格の違いから、同一物質について環境基準と産業衛生学会許容濃度が定められている場合、環境基準値が小さい値になります(塩素の環境基準は定められていません)。


 ですから、「0.5ppm」を「環境基準」と、いかにも一般環境に適用される基準であるかのように表示し、これを参照することは問題があります。

 このように見ていくと、0.5ppmという数値を室内に適用される安全な基準として参照することはできないとしかいいようがありません。

 そもそも、前回、示したように連続使用で室内濃度が上昇し塩素0.5ppmを越える可能性がありますし、室内の実条件は部屋の形、家具の配置が大きく異なり、人の位置によって、実際の濃度が想定より高くなることは十分考えられます。また、気体ではなくミストを吸い込むこともあります。

 ラットの吸入試験をしているじゃないか、とおっしゃられる方もおられると思いますが、これだけで人体へ悪影響がないことが確認されるのなら、こんなに楽なことはありません。また、ラットの吸入試験の条件と実条件がどの程度異なるかすら、私にはわかりません。
 メーカーが行った実験だけで、「安全」とすることには疑問があります。

 ましてや、このメーカー以外の製品については、さらに高濃度の次亜塩素水を噴霧する例もあります。この場合、0.5ppmですら越えることが予想されます。


 そもそも、化学物質を空気中に拡散し人に吸引させることのへのリスク評価がこの程度のレベルなのが信じらせません。PM2.5に大騒ぎしたのが嘘のようです。

 

次亜塩素酸 空間除菌脱臭機(1)(修正あり)

あるメーカーの製品について疑問点を書きます。

空間除菌試験の内容
https://panasonic.jp/ziaino/start.html
      
対象 機種 部屋 時間
付着菌 F-MV4100 約18畳 約12時間
浮遊菌 F-MV3000 約6畳 約20分
付着ウイルス F-MV4100 約18畳 約12時間
浮遊ウイルス F-MV3000 約6畳 約20分
風量は両機種とも「強」、電解強度は両機種とも「強」。

1 取扱説明書によると、両機種の仕様は

https://panasonic.jp/p-db/support/manual/jiaensosan/jiaensosan/index.html
「強」風量 連続運転時間 水タンク容量
F-MV4100 6.5m3/min 6.5時間 2.1L
F-MV3000 5.2m3/min 7.5時間 2.1L

 付着菌、付着ウイルスについて見ていきます。試験時間が「連続運転時間」より長いです。連続運転時間は湿度が低いと短くなるということですから、試験中に湿度が(噴霧により)上昇して連続運転時間が伸びたのでしょうか?あるいは水を補給したのでしょうか?

2 上の仕様の使用条件ですと、F-Mv4100では「6.5時間で2.1リットル噴霧」です。室内高を2.5mとすると、室内空間は(18/2)×3.3×2.5≒75m3になります。20℃の飽和水蒸気量を17.2g/m3とすると、75m3では75×17.2/1000=1.3kgになります。噴霧量の方が多いのですが、室内換気はどうしていたのでしょうか?

3 試験は「電解強度 強」、「風量 強」の条件ですが、これでも連続運転時間は変わらないのでしょうか?

4 https://panasonic.jp/ziaino/oshiete.html#resuでは「塩素ガス定量分析」結果が「開放空間および閉鎖空間にて機器を運転し、吹出し空気中に含まれる塩素ガス濃度を測定」、「いずれも検出限界以下(0.1ppm未満)塩素ガスの環境基準は0.5ppm(TWA)」とあります。

 気体で「ppm」ということは「体積/体積」でしょう。吹出し口では次亜塩素酸はまだミストの水滴に含まれた状態だと思いますが、塩素濃度として測定されるのでしょうか?

5 「環境基準」といえば環境基本法に基づくものを指すのが日本の法令と思います。http://www.env.go.jp/kijun/taiki.html

 3でいう「環境基準」は何かと調べると、「(TWA)」とあるので
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000w7bi-att/2r9852000000w7nq.pdf の「ACGIH」のようですね。日本産業衛生学会の許容濃度はTWAではなく最大値です。こちらの「注」をご覧ください。
https://www.sanei.or.jp/images/contents/309/kyoyou.pdf

 EUリスク評価書だそうです。
https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/11872/p/1746,2908,2909/related/1


用語ぐらいちゃんと書いてほしいですね。私的基準ではなく公的な基準なのですから。

 で、塩素0.5ppmは25度1気圧ですと1.5mg/m3になります。

 1のF-MV4100の仕様は
噴霧量:タンク容量2.1L、連続運転時間6.5hrからすると5.4ml/分
送風量:6.5m3/分(「強」の場合)。

https://jpn.faq.panasonic.com/app/answers/detail/a_id/11872/p/1746,2908,2909/related/1
では、本体トレー内濃度は10ppmということです。電解強度を3段階に調整できるのですが、10ppmはどの段階の濃度かわかりません。

 噴霧液の次亜塩素酸の塩素分の濃度を10mg/Lとすると、塩素分の噴霧量は10×5.4/1000=0.054mg/分
 吹出し口の塩素分濃度は
 10×5.4/(6.1×1000)=0.0089mg/m3

 部屋の換気を行わずにこれが18畳の部屋に蓄積することを考えます。部屋全体に速やかに均等に拡散し、塩素分が塩素ガスになるとすると、部屋の平均濃度は下グラフのとおり増加します。横軸が時間(分)、縦軸がppm(塩素ガス体積/室内空間)です。


 420分で(メーカーが「環境基準」としている)0.5ppmを越えます。もちろん、これは次亜塩素水濃度50mg/L、換気を行わない、ミストが部屋全体に速やかに均等に拡散し、塩素分が塩素ガスになる条件です。
 室内実験の詳細な条件はどうなっているのでしょうか?
(続く)

ヤマハ0W54(1981年型YZR500)(11)

 1981年、0W54に乗るケニー・ロバーツはランキング3位に終わりました。0W54にはチャンピオンマシンになるだけの潜在能力がなかったのでしょうか?


 ロバーツが500㏄世界GPに参戦した6シーズンにおけるチャンピオン、レース数、チャンピオンの出走レース数、得点は次のとおり。

年  チャンピオン レース数 出走数 得点   無得点レース数
1978 ロバーツ    11      11    110          2
1979 ロバーツ    11      10    113           1 
1980 ロバーツ     8         8   87(120)           1
1981 ルッキネリ   11      11    105                2
1982 ウンチーニ   11      11    103              3   
1983 スペンサー    12      12   144(132)        1

   
※( )内は11レース換算値。
※レース数:トップライターによりボイコットされた1979年ベルギー、1982年フランスを除いたレース数。
※無得点レース数:出走(スタート位置に着いた状態)したレースで無得点だったもの。

 チャンピオンの獲得得点(11レース換算)を比較すれば、0W54が用いられた1981年は少ない方です。

 81年、ロバーツの得点は74でしたが、サンマリノを体調不良で欠場、オランダでスタート位置に着きながらブレーキ整備不良でスタートできませんでした。これ以外にも、オーストリアは後サスペンションユニット不調でリタイア、ウェットレースだったスウェーデンでタイヤ選択ミスでリタイアしています。また、フランスで後サスペンションユニットの不調、フィンランドではパワーバルブの故障で、リタイアこそしませんでしたが、低順位になりました。

 0W54といえば、嵩張る重たいエンジンが戦闘力を失わせていたといわれています。しかし、チャンピオンの獲得得点がそれほど多くなかった1981年の世界選手権を争う上では、信頼性の低さ(オーストリア、フランス、フィンランド)と不運(オランダ、サンマリノ)がロバーツの足を大きく引っ張ったと思えてなりません。

ヤマハ0W54(1981年型YZR500)(10)

 4ストロークエンジンではクランクシャフトとシリンダーヘッドの位置が、エンジンの重心高を大きく左右しますが、2ストロークエンジンではシリンダーヘッドは小さく、クランクシャフトの搭載位置が重心高に大きく影響します。

 これは、1980年シーズン前に竜洋テストコースで公開されたスズキXR34(1980年型スズキRGB500)で、前後車軸を結ぶ空色線と、これと平行なクランクシャフト中心を通る黄線を加筆したものです。
 
 そして、80シーズン後に竜洋テストコースで公開されたXR34M2。
  

 そして、ヤマハ0W45(79年型YZR500)の公表写真。斜め前から撮影した写真ですので、黄線はクランクシャフト右端ではなく、その内側のクランクシャフトがあるであろう位置から引いています。
 
 XR34/XR34M2の2軸のクランクシャフトの平均高と0W45のクランクシャフト高はあまり変わらないようです。 

 そして、これは0W54の公表写真に加筆したもの。
 
 0W54の2軸クランクシャフト平均高が0W45より3㎝程度高いように見えます。


 さらに、これは0W54公表写真に前後車軸を結ぶ空色線と、これと平行な変速機カウンターシャフト(出力軸)先端中心(スプロケット中心)を通る白線を加筆したものです。
 
 前クランクシャフト中心が白線より上にあるように見えます。上のXR34、XR34M2(白線は加筆していませんが)の写真と見比べれば、前クランクシャフト位置が高く見えます。

 
各車のタイヤ径が異なること、写真撮影位置が異なり、比較方法が適切ではないことは承知の上であえて言うなら、シーズン当初、0W54エンジン重心の位置が他車より高かった可能性が高いと考えます。
 
 こちら(リンク)で書いたように、実戦ではA~C型フレームが用いられましたが、MOTOCOURSEによると、フランスで、続いてオランダで導入された2種のフレームは、それぞれエンジン搭載位置が下げられたということです。エンジン搭載位置を下げるにしても、チェーンスプロケットが取り付けられる変速機カウンターシャフトの高さは大きく変えられません。搭載位置を下げるなら、変速機カウンターシャフトを中心にエンジン全体を前傾させる必要があります。
 
シーズン前公表写真のマシン、A型ではシリンダーの路面に対する前傾角が30度程度だったものがB、C型では40度程度になったのはこのためです。


 レーシングマシンにとってエンジンの重心位置をどこに置くかが、レーシングマシンのハンドリングに大きく影響することは言うまでもありません。もちろん、エンジンの押しがけ始動のときのライダーの体感重さ(ふらつき)にも影響します。

 ライダーに不評だった0W54のハンドリングの原因の一つは、そのエンジン重心位置だったことは間違いないと思います。そして、それ以外にもいくつか原因として想像できる要素があります。

1 それまでのピストンバルブとは異なる
ロータリーディスクバルブエンジンの出力特性(その特性を調整しきれなかった)
2 長い前後長のエンジンを抱えるフレームの剛性、剛性バランスが並列4気筒車から変化したこと
3 新たに採用した16インチタイヤ

4 81年から倒立になった後クッションユニットの耐久性
 グッドイヤータイヤの性能(1981年限りでレースから撤退)

 1~4、そして重心位置、何れも「準備不足」が共通する要素だと思います。そして、ライバルのスズキXR35(1981年型RGΓ500)より5㎏程度大きな車重は、上の問題点に比べれば取るに足らないと考えています。
(続く)

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