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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

古いレーシングマシンは「二輪文化財」?

 

 

 文化財保護法第2条でこの法律上の文化財を定義している。第2項のうち第1号では文化財を「建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)」としている。

 

 これを二輪に当てはめるなら、「二輪車(それを構成する部分、部品を含む。)、写真、書類、出版物であって、我が国の二輪の歴史上価値の高いもの」ということになろうか(建築物、工作物は他の号に関係)。

 

 こんなことを考えたのは、スズキが保管している1980年型GS1000RXR69)のカラーリングが、1980年当時そのものではないからである。

 

 いろいろな雑誌等で触れられているが、RACERS Volume 282014三栄書房)では

 「実はアッパーカウルの白ラインは'80年当時は1本だったんですけど、2本にしたんです。本当は2本がオリジナルのデザインだったんですけど、当時は時間がなくて1本しか入れられなかった。そのことをヨコさんに言ったら、昔塗った本人がそうしたいのならいいだろうってことになったんです」

と書かれている。

 

 このマシンが二輪史における「文化財」なら、スズキから依頼を受けてレストアしたにも関わらず、1980年当時、実在しなかったカラーリングにした○○氏、それをOKしたスズキのヨコ氏、そして(結果的かどうかは別として)それを容認しているスズキは、二輪文化財を毀損したことにならないのだろうか。現存するGS1000Rが二輪文化財ではなく、単なるスズキの宣伝のための道具で、それらしくなっていればどうでもいいというなら、何も言うことはないが。

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