レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
11頁の諸元表の疑問点で、潤滑方式が「混合・ドライサンプ」になっていますが、これは
エンジン:混合
変速機:ドライサンプ
の意味でしょうが、普通の人に分るでしょうか?
また、TZ500変速機の潤滑は当時のTZ350/250と異なりオイルポンプによる強制潤滑ですが、オイルポンプは1つですし、オイルタンクがある訳ではないのですからウエットサンプです。ただ、ウェットサンプとしますと、オイルポンプなしと区別しにくいので、単に「強制潤滑」とした方がよいでしょう。
一次減速比が2.136(47/22)になっています。こちら
https://www.tz350.net/bigbrothers.htm
では2.135となっていますが、ほぼ同じです。
しかし、1980年型と1982年型を取りあげた当時のライダースクラブ誌の記事では2.205でした。
TZ500の動力伝達経路は次のとおりです(変速機カウンターシャフトは省略)。赤は駆動歯車、青は従動歯車で数字は 黒数字はパーツリストに記載された歯数です。赤数字はパーツリストに記載がありませんが、一次減速比2.205なら歯数は31になります。
また、75頁に写る1982年型TZ500のクランクギアの歯数は31です。
TZ750のクランクシャフト-動力取出しシャフトの減速比は39/38でした。
歯車の歯数は、(2軸を互いに同速逆回転させる等)特に必要がなければ歯数の組み合わせを「互いに素」にするのが普通です。二輪車の変速機の減速比で1.000が滅多にないのはこのためです。
ですから、TZ500の一次減速比は2.205が正しいと考えます。
通常の得点は15、12、10、8、6~だが、日本GPでは3点が加算される。
ベスト5戦を合計する有効得点制のため、佐藤は優勝しても12点しか加算されない。
35頁終わり「そしてTZ500の3位・水谷に続いて鈴木は4位、毛利は他車と接触してしまい転倒~」
誤りではないが次のように書いて欲しい。
「TZ500の水谷、毛利、TZ750の佐藤が2位争い(クラス1位争い)を演じるが、13周目のヘアピンで水谷が転倒、これに毛利、佐藤が巻き込まれて転倒。水谷は素早く再スタートし3位(クラス1位)で復帰するが、佐藤はマシン破損でリタイア、毛利は再スタートが遅れる。水谷は石川、鈴木との接戦の後に3位でゴール、鈴木4位、石川5位で、毛利は9位」
36頁左上・写真1「1980 R10 鈴鹿」
このカラーリングはR10(最終戦)決勝のものではない。水谷がTZ500で初めて出場した第6戦鈴鹿100マイルの可能性がある。
写真2・3「~木下を追うのはTZ750で3位になった金谷秀夫」
金谷が乗ったのはTZ500。
37頁写真2「’78年のA750チャンピオン#20上野真一も、’80年はTZ750で走り続けた」
’78年のエキスパート750チャンピオン♯20上野真一も、’80年第4戦からTZ500で走った。
さらに校正します。
※当時の雑誌記事では佐藤(TZ750)は第8戦、第9戦に入賞していましたし、日本GP前のライディング(MFJ機関誌)に掲載されたランキング表でもその得点が記載されています。
しかし、最終ランキング表ではその得点が見当たりません。原因として
(1)2レースとも後から失格になった。
(2)TZ750はMFJ公認車両ではなくFIM・F750公認車両として得点対象だったが、FIMの公認期限が過ぎた。
(3)最終ランキング表の誤り。
のいずれかと推測します。(2)が原因なら、佐藤は日本GP出場前にチャンピオンになる可能性がなくなっていたことになります。