レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
今月号のバイカーズステーション誌106-107頁にF-750の記事があります。
1974年に登場したヤマハTZ750が1974年のF750に出場できたように書かれていますが、誤りです。F750の規格の記述が曖昧だったのですが、結局、出場できないと裁定されました。このため、デイトナ、イモラ等はF-750対象外として行われたのです。
F750のレギュレーションが2ストロークと4ストロークで異なるとの記述です。記述どおりであれば、4ストロークは市販車と同じ形式であれば一品造りのエンジンでもOKになりますね。
1975年のチャンピオンのフィンドレーのマシンがスズキになっていますが、ヤマハの誤りです。フィンドレー=スズキの思い込みがライター氏にあるようですね。
1978年の選手権が「有効得点」で決まったかのような記述ですが、「総得点」です。
写真説明中のファウのマシンがヤマハになっています。1978年、ファウはカワサキに乗っていたはずですが・・・
文化財保護法第2条でこの法律上の文化財を定義している。第2項のうち第1号では文化財を「建造物、絵画、彫刻、工芸品、書跡、典籍、古文書その他の有形の文化的所産で我が国にとつて歴史上又は芸術上価値の高いもの(これらのものと一体をなしてその価値を形成している土地その他の物件を含む。)並びに考古資料及びその他の学術上価値の高い歴史資料(以下「有形文化財」という。)」としている。
これを二輪に当てはめるなら、「二輪車(それを構成する部分、部品を含む。)、写真、書類、出版物であって、我が国の二輪の歴史上価値の高いもの」ということになろうか(建築物、工作物は他の号に関係)。
こんなことを考えたのは、スズキが保管している1980年型GS1000R(XR69)のカラーリングが、1980年当時そのものではないからである。
いろいろな雑誌等で触れられているが、RACERS Volume 28(2014三栄書房)では
と書かれている。
このマシンが二輪史における「文化財」なら、スズキから依頼を受けてレストアしたにも関わらず、1980年当時、実在しなかったカラーリングにした○○氏、それをOKしたスズキのヨコ氏、そして(結果的かどうかは別として)それを容認しているスズキは、二輪文化財を毀損したことにならないのだろうか。現存するGS1000Rが二輪文化財ではなく、単なるスズキの宣伝のための道具で、それらしくなっていればどうでもいいというなら、何も言うことはないが。
結局、公開校正しました。
http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/kousei/kousei18.htm
それにしても驚くのは
〇アメリカで走っていた250㏄マシン+アメリカ人ライダー(ボーマン)の側面写真 を
〇ヨーロッパで走っていた世界GP125マシン+スェーデン人ライダー(アンダーソン)
のものと間違えた写真説明ですね。いや、今回の記事は雑誌屋の仕事のようですから、当然かもしれません。
とはいっても、ライダーの顔が分らないのはともかく、
・マシンの形から250~350と
・マシンに貼ってあるグッドイヤーのステッカーから(この当時であれば)アメリカのレースと
気が付いて欲しいところです。
これ以外の記述を含めて、こんな間違いだらけの、そして中身のない雑誌提灯記事がヤマハの宣伝になると思っているヤマハの広報部隊には呆れるばかりです。