レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
まず、燃焼室内の圧力から出力を計算する式を工学単位とSI単位で示す。
力×距離=仕事で、時間当たりの仕事量が出力。
ピストンにかかる力は、ガス圧×ピストン面積で、ピストンの動く長さはストローク(行程)。
したがって、ピストンがする仕事は
ガス圧×ピストン面積×行程=ガス圧×排気量
になる。このガス圧は「圧縮行程」等(マイナスの仕事をする)を考慮した平均。4ストロークエンジンの場合、2回転に1回しか仕事をしないので、1秒あたりの仕事の回数はrpm/(60×2) 。1馬力は75kgf・m/sなので、馬力は単位を揃えて
馬力=平均圧力(kgf/cm2)×ピストン面積(cm2)×行程(cm/100)×rpm/(60×2×75)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(cm3)×rpm/900000
赤字部分をSI単位にすると
1kWは1kJ/s=1kNm/sなので、出力kWは単位を揃えて
出力kW=平均圧力(MPa)×(1000)×ピストン面積(cm2/10000)×行程(cm/100)×rpm/(60×2)
=平均圧力(MPa)×排気量(cm3)×rpm/120000
実際に燃焼室内の圧力を測定して求めたのがimep(indicated mean effective pressure)で、bmepは実測した出力から上式により逆算したもの。 例えば150PS、1リットル、10000rpmなら、BMEPは13.5kgf/cm2になる。機械損失があるのでimep>bmepであり、機械損失を圧力で示すこともある。
なお、上式から分るようにbmepは「排気量あたりのトルク」と比例関係にある。トルク、出力は排気量に比例して増大するので、排気量に関係のないエンジン性能指標としてbmepが用いられる。