レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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出典は
Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」です。
Fig.3.2から有効開口面積を比較してみます。 本文中に「バルブの最大リフトが1.4mm低いにもかかわらず、(VFR750より)29%大きな開口面積が得られた」とあります。 まず、Fig.3.2に表示されたNR750とVFR750の有効開口面積の最大値を比較すると、NR750:7.14c㎡(8mmリフト)VFR750:6.20c㎡(9mmリフト)で、NR750が15%大きいに留まります。なお、グラフからの数値の読み取り誤差にご留意ください(以下、同じ)。
VFR750の最大バルブリフトを9mmとすると、「バルブの最大リフトが1.4mm低いにもかかわらず」からNR750の最大バルブリフトは7.6mmになりますから、NR750の有効開口面積はこれより若干小さくなりますが、それでも「15%」は変わらない程度です。
次に平均有効開口面積を見てみます。最大バルブリフトをNR750:7.6mm、VFR750:9mmとすると、平均有効開口面積は
NR750:4.86c㎡
VFR750:4.05c㎡
になり、NR750が20%大きい結果になります。(読み取り誤差を考慮しても)「29%大きな開口面積」には程遠い数字です。
仮にFig.3.2において、NR750もVFR750も同じ8mmバルブリフトで比較すると、平均有効開口面積は
NR750:4.86c㎡
VFR750:3.79c㎡
になり、NR750が28%大きい結果になり、「29%大きな開口面積」とほぼ同じです。
さらに同じ7.4mmバルブリフトで比較すると
NR750:4.86c㎡
VFR750:3.67c㎡
と、NR750が32%大きい結果になります。
「29%大きな開口面積」は、NR750とVFR750の最大バルブリフトの差・1.4mmを無視した評価なのかもしれません。
NR750のバルブ面積が5.8%しか大きくないのに、有効開口面積が29%も大きくなるのは不思議です。例えバルブリフトを大きくとり、(出典中にあるように)NR750の「シリンダーによるマスク効果が小さい」としても。
なお、Fig.3.2から、バルブリフト7.4mm時のNR750と(仮想)8気筒との平均有効開口面積を比較すると、NR750が10%大きいという結果で、出典の12%とほぼ同じでした。 PR