レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
RACERS Volume 42(リンク)では、このスタジオ写真
と異なる、後サスペンションアームが丸パイプ(上写真は角パイプ)で、後排気管が車体右側に取りまわされているマシン(1975年オランダGP)を「1976年型:601B」としていました。
ライター氏のFACEBOOKでは、リンク先のこの写真のマシンを1976年2型としています。
しかし、この写真は1975年シーズン前のものです。ほぼ同じアングル、背景の写真がモーターサイクリスト誌1975-5(1975年4月1日発売)の表紙にあります。「日本の古本屋」(リンク)をご覧ください。
1975年シーズン前(直前なのかどうかは分りませんが)に撮影されたマシンである以上、この写真のマシンを1976年型とすることはできません。このマシンも1975年型です。
このハーレーダビッドソン(アエルマッキ)の250㏄レーサー、開発当初は空冷でした。
写真は1972年の空冷マシンのエンジン。普通のバイクエンジンのクランクケースは、クランクシャフトが収まる部分と変速機が収まる部分が一体構造なのですが、このエンジンはクランクシャフトが収まるクランクケース(右)と変速ギアが収まるギアボックス(左)が別構造で、ボルトで結合されます。
また、変速機は左側からギアクラスターを引き出せるようになっており、変速機ギア比を容易に変更できます。
なお、このエンジン、一般市販車への設計転用も考慮されているようで、前回示したこの写真で、キックシャフトが収まるべき位置が分るでしょうか。
さて、このマシンのエンジン番号は実はギアボックスにあります。私がこのマシンを見たのは30年以上前ですが、クランクケースにそれらしい番号はなく、ギアボックスの番号だけでした。実質的にはこれがエンジン番号という扱いなのでしょう。
また、このマシン(個体)、現在は海外にあるようで、ネット上では2010年の「For Sale」の頁があります。
https://raresportbikesforsale.com/1975-harley-davidson-rr250-roadracer/
後サスペンションはリンク機構が外され、本来のツインショックになっています。