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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ヤマハグランプリ500勝達成記念サイト(8)

   どんなヤマハエンジン搭載車勝利も全て「ヤマハの勝利」と見なし、時系列で整理しました
 https://www.yamahamotogp.com/500-victories/victoriesヤマハGP500勝記念サイトの勝利の順番は「年→クラス→月日」になっていますし、「ヤマハエンジン+社外フレーム車」の優勝のうち11勝が漏れていますので、下の整理結果とはずれがあります。



 
私的「ヤマハGP100勝」、「ヤマハGP200勝」、「ヤマハGP300勝」は次の通りです。


私的「ヤマハGP100勝」 
 1972年東ドイツGP 250cc ヤーノ・サーリネン YZ635

 シーズン序盤、サーリネンは350ccクラスでYZ634、250ccクラスでTD-3に乗りましたが、シーズン後半にYZ635を与えられ、ベルギーGPでシーズン初優勝、続く東ドイツGPでも優勝。そしてさらに2勝を挙げ250㏄タイトルを獲得しました。
 YZ634/YZ635はTR-3/TD-3を水冷化したマシンで、翌年に市販されたTZ350/TZ250のプロトタイプというべきマシンです。

私的「ヤマハGP200勝」
 1977年フランスGP350㏄ 片山敬済 350㏄3気筒
 
 片山はドイツ、フランスで3気筒に乗り優勝、ユーゴ、スウェーデンはTZ350(2気筒)で優勝し、フィンランドで再び3気筒に乗り優勝、350㏄タイトルを獲得しました。3気筒がどんなマシンかは別途書く予定です。

私的「ヤマハGP300勝」
 1986年スウェーデンGP250㏄ カルロス・ラバード 0W82

 この優勝がラバードのシーズン6勝目で、最終戦を待たずに2度目の250㏄タイトル獲得を果しました。0W82エンジンにはパワーバルブ付きとパワーバルブ無しがあり、コースによって使い分けていましたが、このレースではパワーバルブなしだったような・・・

私的「ヤマハGP400勝」
 2000年オーストラリアGP250cc オリビエ・ジャック 0WL5
 
 この年の250ccクラス、0WL5に乗るジャック、中野真矢の激しいタイトル争いが繰り広げられ、タイトル争いはジャック254点(2勝)、中野252点(5勝)で最終戦オーストラリアに持ち込まれました。レースはシーズンを象徴するかのような展開で、僅差でジャックが中野を退け優勝、タイトルを手にしました。

 私的ヤマハ100勝、200勝、300勝、400勝のライダーがその年にチャンピオンになっているのは偶然にしても興味深いことです。


参考
 かつては、あるグランプリでの開催レースが多く1日に6クラスのレースが行われるGPもありましたが、各レースが行われる順序は完全に固定されていませんでした。
 1977年フランスGPの前までヤマハ198勝で、フランスGPの250㏄(Ekerold)、350㏄(片山)の2勝で200勝になりました。
 Motocourse1977-78で、GPによって350の記事が250の記事の後だったり前だったりするのは、レースの開始順と思われます。フランスGPの記事では350が後でした。そして、フランスGPの350のEkeroldについて「~Ekerold was a good second and earlier 250cc success proved what a fine rider he is.」とありますので、350㏄が後、つまり200勝目は片山としました。

 ただ、こちらの映像、未編集映像のようにも思えますが、350㏄(青ゼッケン)が250㏄(緑ゼッケン)より先なのが少し気になります。

https://www.youtube.com/watch?v=5S9DaKiFTqc
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ヤマハグランプリ500勝達成記念サイト(7)


 ヤマハ2ストロークエンジン搭載車の車種別GP優勝数です。フレームがヤマハ社外の場合、エンジン機種名です。
 赤字はhttps://www.yamahamotogp.com/500-victories/bikesと異なるものです。また、「年」は年式ではなく優勝年です。


125cc
RA97(65,66)        7
RA31(67)           10
RA31A (68)         8
AS1(69)           1  (AS1にGYTキット等を組み込んだマシンと思われる)
YZ623(71)         1
YZ623C(72)       4
0W15(73-75)    15
TZ125(94)          1

小計                 47

250cc
RD56(63-65)    15
RD05(66)           1
RD05A(67,68)   16
TD-2(69-71)      24
TD-3(72,73)       6
YZ635(72)         6
TZ250(73-80)   22
TZ250(81-85)   25
TZ250(02)          1
0W17(73,75)      7
0W82(86)           7
0W85(87)           2
0W97(88)          5
0WA7(89)           4
0WB9(90)         10             
0WF3(93)           4

0WG7(95)           1
0WJ0(96)           1
0WK5(99)          2
0WL5(00)           8
0WN1(02)          1
小計               168

350cc
RD05(66)            1
TR-2(69,71)         5
TR-3(72)             2
YZ634(72)           3
TZ350(73-82)     47
TZ3気筒(77)        3
0W16(73-75)      10
350cc小計      71

500cc       
TR-3(72)              1
TZ350(74,76)       3
TZ500(80)           1
0W20(73)            5
0W23(75)            5
0W35K(77,78)     7
0W45(79)            5
0W48(80)            3
0W54(81)            3
0W60(82)            1
0W61(82)            1
0W70(83)            6
0W76(84)            4
0W81(85,86)      12
0W86(87)            8
0W98(88)            9
0WA8(89)           3
0WC1(90)            7
0WD3(91)           7
0WE0(92)           4
0WF2(93)           6
0WF9(94,95)       4
0WJ1(96)            2
0WK1(98,99)       4
0WK6(00)            6
0WL6(01)            3
500cc小計    120

合計    406勝

備考
〇1973年マン島TT350優勝マシンはTZ350でなくTR-3の可能性もある。
〇1973年マン島TT125優勝マシンは0W15でなくYZ623Cの可能性もある。

 この406勝のうち、250cc/350cc市販レーサーの優勝数は
250ccクラス 78勝
350ccクラス 54勝
500ccクラス 4勝
計     136勝
にも上りますし、派生車種ともいえる350cc3気筒、YZ634/YZ635による6勝を加えると142勝になります。この数字がヤマハがロードレースで果たした貢献を象徴している思います。
(続く)





ヤマハグランプリ500勝達成記念サイト(6)

 ヤマハの大きな功績は手頃な価格で手頃な性能の市販レーサーを多くのライダー提供したことです。「手頃な価格で手頃な性能」だからこそ、標準状態でもそこそこの性能を発揮し、手を加えれればさらに高性能となるマシンとして、世界選手権から地方のクラブイベントまで、多くのユーザーに用いられたのです。

 世界選手権ともなれば、1970年250ccクラスのチャンピオン、GouldのTD-2のように、前フォークがチェリアーニ、後クッションユニットがガーリングに変更されるような改修は珍しくありませんでしたし、フレームの交換もその延長線上の改修としか思えないのです。そして、その結果として、ヤマハエンジンを搭載するフレームコンストラクターを育て、世界GPの隆盛にも大きな役割を果たしたと考えています。

 ですから、私としては、FIMの取り扱いはどうであれ、ヤマハエンジン搭載車のGP優勝は「ヤマハ」の勝利としてヤマハが誇るべきことだと思うのです。そして、そういったマシンは全て2ストロークエンジンです。

 そこで、ヤマハ2ストロークエンジン搭載車の世界GPの機種毎の優勝数を整理してみます。

(続く)

ヤマハグランプリ500勝達成記念サイト(5)

 前々回、MOTOGPのウェブサイトでは、
http://jfrmc.tou3.com/ネット情報/20200609_541
1980年350ccクラスのマニュファクチャラータイトルはビモータになっていることを紹介しましたが、FIM公式ヒストリーとされる

Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix: The Official History of the FIM Road Racing World Championship Grand Prix, Hazleton 1999
のマニュファクチャラータイトルの一覧表では、1980年350㏄はYamahaになっています。つまり、ビモータフレームによる4勝(Ekerold3勝、セコット1勝)の全て、あるいは3勝又は1勝がヤマハのものという整理です。次のいずれかの扱いでマニュファクチャラータイトルがヤマハのものになるからです。
〇Ekerold、セコットのマシンをヤマハと扱う(ヤマハ4勝)。
〇Ekeroldのマシンのみをヤマハと扱う(ヤマハ3勝)。
〇Ekeroldのマシン以外のビモータ/ヤマハをヤマハと扱う(ヤマハ1勝)。

 また、同書のライダーランキング表ではビモータ、シュバリエは

ビモータ:Yamaha(年を問わず)
シュバリエ:Yamaha(1981)、Yamaha(1982: 250)、Chevallier(1982: 350)、Chevallier(1983)

と表記されています。同書ではビモータ/ヤマハはヤマハという整理です。

・・・1980年350㏄のマニュファクチャラータイトルはいったいヤマハなのかビモータなのか・・・ヤマハなら、ヤマハに認定証があるはずなのですが。

 そもそも、MOTOGPのその他のデータにもいろいろ疑問があります。例えば1984年250ccランキング2位だったManfred Herwehのマシンは、MOTOGPのResultでは、レアルとされています。レアル(Real)はスポンサーのハイパーマート(ドイツ)です。現在、レアルが売っている商品にはRealブランドのモペッド、スクーターもありますが、実際の製造者はレアルなのでしょうか。
 しかも、1984年のHerwehのマシン、エンジンはロータックスで、フレームはニコ・バカーなのです。このマシン名も認めてしまうようなメーカー名の取り扱い方法を尊重する意味を見出せません。

 さて、
Motocourseでのビモータ、シュバリエの表記はどうなっているか整理してみました

 
ビモータ
1979 各レース結果  Yamaha、Bimota/Yamaha、Bimota
   ランキング表        Yamaha
1980 各レース結果       Yamaha    
   ランキング表  Yamaha
1981 各レース結果   Yamaha
   ランキング表    Yamaha
1982 各レース結果     Yamaha
   ランキング表  Yamah

シュバリエ 
1981 各レース結果   Yamaha
   ランキング表    Yamaha
1982 各レース結果      Yamaha
   ランキング表  Chevallier
1983 各レース結果      Chevallier

   ランキング表  Chevallier

 と表記されています。

  シュバリエに関しては、ヤマハ500勝のカウント方法に近いですが、ビモータについては、ヤマハ500勝のカウント方法とは全く別です。
 なお、主要マシンの仕様に関する頁では、BimotaはBimotaとされています。つまり、車体がBimotaであることは把握したうえで、各レース結果、ランキング表はYamahaとしているのです。

 
 これは、私の想像なのですが、結局、1977年以降の「ヤマハエンジン+社外フレーム」をどう扱うかについて、統一的な取扱いはされていなかったのではないかと思います。FIM自身も整理できなかったし、各GPの主催者も。
 1976年のマニュファクチャラー登録制が1977年以降継続していたかどうかも疑問が残ります。
(続く)

訂正

http://jfrmc.tou3.com/ネット情報/20200609_541
で、「ヤマハエンジンを搭載している社外フレーム車」で500勝にカウントされていないものが10勝あると書いていましたが、11勝の誤りです。1971年アルスターGPで優勝したレイ・マックロー(ヤムセル)が漏れていました。
 上の記事はすでに訂正済です。申し訳ありません。

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