レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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一般市販車と市販レーサーの鋳型以外の違いについて触れておきます。クランクケース前側のフレームマウント部分の違いはすでに書きましたが、クランクケース内側にも機械加工の違いがあります。
パーツリストを見ると、クランクシャフトをクランクケースに組み付ける時に用いるサークリップの数が、一般市販車と市販レーサーで異なります。一般市販車は右端に1つなのに対して、市販レーサーは75年までは両端に2つで、76年以降はクランク中央のラビリンスシール両側の2つが加わって4つになります。
これは76年以降のRD400。
赤矢印がサークリップが嵌る溝で、ロワクランケース上端(アッパークランクケースとの接合面)にも溝が達しています。この溝の外側にもう1つ溝がありますが、オイルシールの一部が噛み合う溝です。72年のDX/RX、73~75年のRDも同じです。
この溝に加え、72年のTD/TRではクランクケース左にも溝があります。下写真ではクランクシャフト左端のベアリングがあるので分りにくいですが、ロワクランクケース上端に溝が達しています。
これは73年型TZ350。写真右側がクランク右側(クランクギア装着側)です。TD-3と同様にクランクケース左側のベアリング保持部に溝があります。
この2本の溝に加え、76年以降のTZでは中央部に溝が2本(計4本)あります。
(続く)
あるクランクケースのこのマーク、神戸製鋼でしょうか。
これは1972年のRX350(R5)のクランクケース左後ろ。
これは73-75年のRDの同じ部分。赤囲み部分のリブが太くなっています。なお、73年の初期のモデルはRX350と同じクランクケースだった可能性があります。
そして、これは76年以降のRDの同じ部分。黄色囲みは前回書いた外形変化部分。
赤囲み部分のリブが消えボルト孔が基部も含めて広げられエンジンマウントダンパーが入り、青囲み部分が増え、白囲み部分の形状が変わりました。
そして、これは76年以降のTZ。なお、後端の突起状の部分が切断されているようです。
76~RD青囲み相当部分は同じ(穴の形は違うけど)ですが、76~RD赤囲み・白囲み相当部分は76~RDと異なり73~75RDと同じです。
つまり、外形からすると76年以降のTZのクランクケースは、基本形が同じとはいえ、76年以降のRDとは微妙に鋳型が異なることがわかります。
そしてクランクケース内部も違いがあります。
(続く)