レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
別館にアップしているタイトルの記事
http://www.geocities.jp/noda_keni/y/yzr-rv/yzr-rv.htm
に写真と記事を追加しました。1995年250ccクラスに登場するはずだったマシンですが、結局テストのみに終わりました。今となっては存在したことすら忘れかけられているマシンです。
標題の本はby橋本武夫(2007.10山海堂)で、著者はプリンス自動車→ニッサン自動車→日本サーモスタットで、自動車エンジンの冷却実験に従事された方です。
そのため、本書には多くの実験データが盛り込まれており、貴重な資料になっています。
しかし、この本には不満があります。本文中に「一見、冷却損失は無駄のように思えるが、シリンダ、ピストン、メタル、バルブ等を一定温度以下に保つ必要性から、また、潤滑油を適温に保つためには決して無駄ではない。」とあるにも関わらず、評価が放熱量と水温だけになってしまっているからです。
50頁に水ポンプの流量について「(エンジン出口-入口水温差が大きくなると)循環水量は減少し、エンジンウォータージャケット内の温度分布が大きくなったり、局部沸騰等でシリンダライナの熱変形が大きくなってピストン焼き付きの原因になることもあるので~」とあります。また、19頁の図で循環水量とエンジン→冷却水放熱量との関係を示され、循環水量が増加しても放熱量がそれほど増加していないことが分ります。しかし、エンジン各部の温度がどうなったかデータがなければ、「冷却システム」の評価はできません。他の様々な実験においても同様です。
著者は冷却実験に携わった方なので、データと評価が、水→ポンプ→ラジエーター等に偏っているのでしょう。本書のタイトルは「冷却工学」とありますが、むしろ「放熱工学」とした方がいいように思います。もちろん、放熱工学としてみれば貴重なデータ満載ですので、価値のある本です。ただ、本書の出版後2ヶ月で出版社が倒産してしまいました。
出版界には「後生(後世)畏るべし」をもじって、「校正恐るべし」という言葉があります。1974年頃にある方が雑誌の編集後記で書かれていた記憶がありますから、かなり昔からある言葉のようです。
ヤマハのWGP参戦50周年記念サイトの誤りでも
http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/wgp-50th/race_archive/machines/yzr500_0we0/
の「コシンスー」(コシンスキーの誤り)のような、誰でも分る誤りは校正ミスで笑って済ませることができると思います。
しかし、 http://jfrmc.tou3.com/Entry/107/ で取り上げたような誤りは、校正ミス以前の問題で、ライター氏が資料をチェックせずに書いたことが明らかで、記事全体の信憑性が問われます。
折角の50周年記念がこれでは単なる「宣伝の道具」に成り下がっているようで残念です。ただ、不十分ながら少しづつ修正されているようですので、ここで取り上げるのはしばらくお休みして、数ヶ月~1年後に公開校正(http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/kousei/kousei.htm)で書く予定です。
「ルールの発見」として公開していましたが、「ルール」ですとレースのルールの受け取られるかもしれませんので、「規則性の発見」に改めます。
http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/rule.htm
その規則性ですが、
1 あるイベントにおいて、あるライダーが各クラスを通じて同じゼッケン番号が与えられる・・・フランス、イタリア、カナダ、日本(イタリアは例外あり、カナダは要検証)
2 500→350→250・・・の順にゼッケン番号を付ける・・・西ドイツ、東ドイツ
例えば
500ccクラス・・・1~
350ccクラス・・・60~
250ccクラス・・・100~
125ccクラス・・・140~
500ccクラス・・・201~
3 前ゼッケンは、本来の各クラスのゼッケンの色ではなく、白地に黒数字・・・マン島、アルスター
ただし、マン島のプラクティス時は前ゼッケンも本来のクラスの色
こんなことは、当時の写真を見ていれば、すぐに気が付くことです。ですから下の頁の写真説明中、
・1967年アルスターGP
・1967年イタリアGP
は上の2、3からすぐに誤りと分ります(この誤りは修正される可能性あり)。
http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/wgp-50th/race_archive/riders/phil_read/