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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

アルコール=炭化水素?(RACERS Volume 77(3))

56頁「アルコールも炭化水素だ」
57頁図「アルコール ●エタノール(C2H6O) ●メタノールCH3OH) ●ETBE」
59頁左列「第2世代は、原材料となるバイオマスからアルコール(エタノール(メタノールの誤記?)、エタノール、ETBE)を合成し~」

59頁左列「ER100は~ワインの絞りかすから製造~ワインの絞りかすだからアルコール系で「~酔っぱらうじゃないか?」という笑い話があるが、アルコール(メタノール、エタノール)は炭化水素でワインそのものではないから、そんな心配はない」



 ライターさん、根本的に理解不足のような気がします。

 アルコールは分子中に炭素と水素がありますが、炭化水素ではありません。
 ETBEはアルコールではなくエーテルです。普通、エタノールとイソブテンから合成されます。
 最後の文、ライターさんは「ワインはワインだから酔うのであって、ワインに含まれるエタノールによって酔うのではない」という理解のようです。


 

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RACERS Volume 77(2)

スズキチームが使用した燃料についての記述(56~59頁)があります。


下表はこの記述と次のサイトからから作成したもので、2024年、2025年の各年に使用した燃料の性状です。
MOTO R40 FIM | Elf Japan

excellium Racing 100

 なお、59頁の「エクセリウム100の基本的スペック」の「蒸気圧(15℃)」は蒸気圧(37.8℃)の誤り、「蒸留(37.8℃)」は留分(100℃)の誤りです。

 さて、スズキの技術者のコメント(83頁左列)では「去年の燃料より比重が軽いので、同じ重量だと体積が増えるわけです~~去年の感覚で『これくらいの距離は走るだろう』と思ったら~全然走らない」とあり、燃費悪化の原因が小比重燃料のようですが、これは技術者の勘違いでしょう。燃料の比重は2025年の方が大きいです。

 100mLの燃料中の酸素原子を除いたC、H原子の質量は
R40 FIM 100×0.733×(100-3.69)/100=70.6  g
ER100  100×0.755×(100-6.00)/100=71.0 g

 ほぼ同じです。しかし、酸素原子含有率が高いということは、炭素、水素が酸化している割合が多いということで、その分、発熱量は小さくなります。

 また、上表の性状からすると、ER100はR40 FIMより若干気化しにくいようですし、技術者のコメント(83頁左列)でも「その他には若干ですが、揮発しにくい成分があったようなので、エンジンオイルの希釈には気を付けていました」とあります。ですから、昨年より、点火直前の混合気の濃淡が大きく、これも僅かな燃費悪化を招いた可能性もあります。


RACERS Volume 77

を購入しました。いつもは発売日に購入するのですが、昨日まで本屋のない地域に行っていたので、購入が今日になりました。
 主題は「GSX-R1000」、副題は「2025 Team SUZUKI CN CHALLENGE マシン開発の裏側と新たな戦い」です。

 幾つか気になる記述がありますね。

65頁「(2024年型のピストンについて)気になるのは♯1の吸気側がスポンジ状~なぜ、温度が上がる排気側ではなく吸気側なのだろう?その原因に関して、チームは言及していない」

 おそらく、スズキが言及していない理由は「当たり前だから」と思われます。巷ではノッキングとプレイグニッションを混同した記述が見られますが、プレイグニッションであればプラグ周辺~排気側が主な発生場所です。

 一方、点火プラグが発火して混合気に着火し火炎が広がるのですが、未燃混合気が(燃焼による膨張により)圧縮され自発火するのがノッキングです。火炎の広がる速度は(温度の高い)排気側の方が速いので、ノッキングは吸気側で起きることが多いのです。







ホンダNS500?

(1) miyatatu(チャーリー浜岡GP) on X: "@YasuYasukawa フレームだけはNSのRS500ベースのレプリカですかねぇ" / X

 外観については書かれているとおりですね。

 私が確認した1983年型500㏄3気筒のフレーム番号は

NS500 NS500F-3×××
RS500R RS500RF-3×××

 写真のマシンは「NS500RF-3×××」だそうですが、NがRの間違いでないなら、

RS500RF-3×××→NS500RF-3×××に打ち直したものの可能性もあります。


ガソリンの成分

 東京都環境科学研究所報2011(リンク)の表7に3銘柄のレギュラーとハイオクを夏(2010年8~9月)と冬(2010年12月~2011年1月)の成分データがあります。
 3銘柄のレギュラーとハイオクを夏(2010年8~9月)と冬(2010年12月~2011年1月)に分析したものです。ですから各季、レギュラー3銘柄+ハイオク3銘柄の6検体の平均値です。

 この表7に各成分のリサーチ法オクタン価(RON)を加えたのが次表です。

 %は重量%です。
 RONの空欄はオクタン価不明です。
 枠外に※があるオクタン価は推定値です。
 合計値が70%前後になっていますが、他の30%前後は1%未満の成分になります。

 航空機用ガソリン(リンク)で書いたように、オクタン価はアンチノック性の絶対的な指標ではありません。オクタン価を測定するためのCFRエンジンと実際のエンジンは仕様が大きく異なりますし、測定運転条件も同様です。ですから、オクタン価の少し高い燃料の方が少し低い燃料よりアンチノック性が低いことがあり得ます。
 そして、ガソリンは上表のように多くの化学物質の混合物で、その含有率は製油所(上表はあくまで3銘柄の平均値)、製造時期によって異なるのですから、例えオクタン価が同じであっても、エンジンによってそのアンチノック性は異なるのです。

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