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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

RACERS Volume 62

 1月14日発売のRCB1000特集です。私が注目したのは93頁のエンジン、フレームリスト。こんな貴重な資料を公開してくれたことに感謝です。

 私が
RS1000 HONDA (ganriki.net)
で取り上げた

RCB750E-4820001/-(フレーム番号不明) 

 もリストにあります。

 こちらの


RCB750E-2301/RS1000F-0102 
 
もリストにあり、エンジンは1977年型で改造され1979年まで用いられたもので、フレームは1979年型とのこと。私が
RS1000 HONDA (ganriki.net)
でフレームを1979年型としたことがこれで裏付けられました。

 それ以外では、私が某所で見た1976年型のフレーム:RCB750F-1402もリストにあります。

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ヤマハ0W23は1974年に世界GPで勝っていない

 ヤマハは1973年に2ストローク500㏄並列4気筒の0W20を世界GPに登場させ、1974年には後サスペンションをモノクロスに変更し、ジャコモ・アゴスチーニ、Teuvo Länsivuoriに与えました。
 そして、500㏄第7戦ベルギーGPで新型500㏄並列4気筒の0W23がアゴスチーニに与えられ、アゴスチーニは2位入賞しました。

 
 そしてLänsivuoriが次戦スウェーデンGPで優勝します。これがヤマハにとって1974年最後のGP500優勝でした。
OW20-OW23 (ganriki.net)


 ヤマハのこちらのサイト
Movistar Yamaha MotoGP |Bikes
では、0W23が1974年、1975年に6勝したことになっています。ヤマハは1975年500㏄クラスで5勝していますので、6-5=1勝は1974年ということになります。第7戦で0W23が登場したので第8戦スウェーデンの勝利が0W23によるものだとしているのでしょう。

 何回も繰り返しますが誤りです。
 こちらでは1974年のヤマハファクトリーの3勝は全て0W20によることになっており、これが正解です。
YZR500(0W20) - レース情報 | ヤマハ発動機 (yamaha-motor.com)


 これはベルギーGPスタート前の写真。
Classic GP: Spa-Francorcamps 1974 - Classic Racer
 

 ゼッケン4がアゴスチーニ、64がLänsivuoriで、アゴスチーニの0W23がLänsivuoriの0W20よりずっとスリムなことが分ります。

 そして、これが第8戦スウェーデンのスタート前。

 元はカラー写真で、こちらにあった。
Photo Album (e-monsite.com)


 ゼッケン3のLänsivuori、ゼッケン2のアゴスチーニの何れのマシンも同じ0W20で、フェアリング下部のみ異なることが分ります。
  第4戦イタリアでの写真と比較してみてください。



 スウエーデンGP500㏄の優勝マシンは0W23ではなく0W20です。

 0W20と0W23の区別がつかない人にとってはどうでもいいことなのでしょうが。

 





 












クイックシフター

ライダーの負担軽減に貢献するクイックシフターは公道で役に立つのか? (msn.com)
「シフトアップした際にシフトロッドに装着したセンサーが反応し、エンジンの点火を一瞬だけカットしてくれます」
とあります。

 メーカー純正ではない市販クイックシフターキットに「点火カット」のクイックシフターがあるかもしれませんが、メーカー純正(純正同等)のクイックシフターにそんな単純なものがあるのでしょうか?

 ホンダCBR1000のメーカー純正クイックシフターはシフトアップにも対応していますが
P22.pdf (honda.co.jp)
「ECUが持って いる車速、エンジン加減速状態、ギアポジションの情報 と併せることで、燃料噴射停止タイミング、スロットル バルブ開度、点火時期を制御し、ミッションギアの駆動 荷重を抜くことでシフトを行います」
とあり、点火カットではありません。

 ワイズギアのヤマハMT-09等用キット
クイックシフトキット | ヤマハ発動機グループ ワイズギア (ysgear.co.jp)
はシフトアップ対応のみで
「シフトスイッチがシフトアップ操作を検知すると、ECU演算で瞬間的にエンジン出力を補正し、噛み合っているギアの駆動トルクをキャンセルしシフトアップをサポートします。」
とあります。

 そもそも単純な点火カットのみですと、未燃焼の混合気が排気触媒に流れて燃焼するので、シフトアップを繰り返すと触媒を傷めるように思います。

 ところで、元の文の
「ホンダ「VFR800F」には、シフトペダル操作のみでシフトアップが可能なクイックシフターを純正オプション(別売)として設定
 しかし、ホンダ「VFR800F」などは純正品があり、2万円前後で販売されているほか、社外品も多くのメーカーから販売されています」
 
 は編集ミスのようですが、このクイックシフターも点火カットではありません。

201404_VFR800F.pdf (honda.co.jp)







スズキT500が世界初の量産2ストローク500㏄2気筒か?

市販車最速180km/hオーバー! “タイタン”の異名を持つ『T500』は世界初の500cc/2スト2気筒エンジンのモンスターだった!【スズキのバイク今昔辞典 Vol.007/T500(1968年)】 - webオートバイ (autoby.jp)

 記事タイトルは「世界初の500cc2スト2気筒」ですが、本文では「量産」が加わっています。
 大排気量2ストロークといえばスコットが有名でマン島TTでも活躍しましたが、市販車・スコットSquirrel(486㏄)もありました。

The Scott Motorcycle Company - Wikipedia

 気軽に「世界初」という言葉は使わない方がいいと思います。

電力(ワット)を理解しない記者

防衛省、レールガン開発に本腰 SF・アニメが現実に?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

「レールガン発射に必要な電力は、日本の家庭約7000世帯の年間使用量にあたる約25メガワットと膨大で」

から

「数秒に1回の連射を想定した場合、発射の度に約25メガワットの電力が必要だとする海外の研究もあり」

に修正されています。

  修正前も修正後も意味不明です。ワットの意味を知らなくても新聞記者は務まります。今に始まったことではありませんが。

修正前について

 年間使用量をメガワット(電力、秒当たりの電気エネルギー量)で示しています。

 7000世帯の年間使用量を支える電力だとしてもおかしい。
 世帯当たりの年間電気エネルギー消費量は4322kWhです(2017年度)。
www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2017/result3/detail1/index.html
 
 平均電力は
 4322/(24×365)=0.4934kWです。
 7000世帯では
 0.4934×7000/1000=3.45MW

 桁が違います。

修正後について
 
 こちらをお読みください。
レールガン - Wikipedi
「ズムウォルト級駆逐艦の~レールガンにもこの電力を供給し発射しようという計画である~15~30MW程度をレールガン発射に回せれば、毎分6 - 12発の連続射撃が可能だという。」
「計画では揚陸作戦支援に重量15kgの砲弾を初速2.5km/sで発射、高度152kmまで打ち上げて370km以上先の攻撃目標に終速1.7km/s(マッハ5)で着弾させる、このためには砲口での砲弾運動エネルギーは64MJ(メガジュール・入力する電力ではなく、砲弾のもつ運動エネルギーである)を必要としている。」

 要するに15~30MWはレールガンの連続発射中に供給される電力であって、「発射の度に」供給される電力ではありませんが、記者は「発射の度に」を「連続発射中」の意味に使っているのかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・
参考1
 連続発射中にレールガンシステムに(電気を貯めるコンデンサーバンクを通じて)供給すべき電力Eaは、システム効率Fs(砲弾運動エネルギー/システム供給電気エネルギー)、発射速度r(1分当りの発射数)として

Ea=r×mv^2/(120000000Fs)
m:砲弾質量(kg)
V:砲口初速(m/s)

Wikipediaの記事を例にとると
Fs:0.3、r:12として
Ea=12×15×2500^2/(120000000×0.3)=31MW

 Wikipedeaの記事に近くなりますね。というより、私は記事で紹介されたレールガンのシステム効率は0.3程度だということを言いたいのです。

 さて、発射時、レールを通過する間の平均電力Nrは

Nr=mV^3/(4000000LFr) (MW)
L:レール長(m)
Fr:レール効率(砲弾運動エネルギー/レール消費電力)

Wikipediaの記事を例にとると
L:5m、Fr:0.4として
Nr=15×2500^3/(4000000×5×0.4)=29300MW

 これが「発射の度に」という日本語に相当する電力ではないでしょうか。なお、レール長を長くすればNrは小さくなります。

参考2
 発射の際に消費する電気エネルギーは
 mv^2/(2000000Fr)=117MJ
          (0.0326MWh)
 砲弾質量15kgと仮定した上での計算ですが、修正後の記事は記者が電力を電気エネルギーの意味で使っているわけでもないようです。

参考3
 防衛装備庁が以前に公表した資料はこちら。
防衛装備庁技術シンポジウム2020 (mod.go.jp)

参考4
 Wikipediaの記事
「重量15kgの砲弾を初速2.5km/sで発射、高度152kmまで打ち上げて370km以上先の攻撃目標に終速1.7km/s(マッハ5)で着弾させる、このためには砲口での砲弾運動エネルギーは64MJ(メガジュール・入力する電力ではなく、砲弾のもつ運動エネルギーである)」

 の赤字部分ですが、計算すると

0.5×15×2500^2=46.8MJ

になります。64MJ、砲弾重量15kgですと、砲口初速は2920m/sです。






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