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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

市販NR750とVFR750(2) 体積効率

 Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」のFig.3.3で、市販NR750とVFR750の体積効率が比較されています。

 体積効率については、
体積効率 [JSME Mechanical Engineering Dictionary]

 このFig.3.3の数値を読み取り、再現してみました。横軸はrpm/100、縦軸が体積効率(%)で、赤線がNR750、黒線がVFR750です。10000rpm以下でのNR750の体積効率の低さが目立ちますね。


 例によって、横軸を各エンジンの最高出力発生回転数比で整理しました。幅広い回転数比域でVFR750>NR750です。


 これにトルクを重ねます。左縦軸が体積効率(%)、右縦軸がトルク(kgf・m)。

 回転数比0.65前後で、2機種の体積効率とトルクの関係が変化することが分ります。


 
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市販NR750とVFR750

 本田技術研究所のウェブサイトでテクニカルレビューが公開されています。
Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
Vol.04に「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」というペーパーがあり、市販NR750とVFR750のデータが比較されています。

 その中のFig.3.1の出力曲線から数値を読み取り、出力・トルク曲線を作成してみました。

赤線がNR750、黒線がVFR750、横軸がrpm/100、左縦軸が出力PS、右縦軸がトルク・kgf・mです。どの線が出力なのか、トルクなのかの説明は不要ですよね。
 
 なお、NR750の公表出力は130PSですが、Fig.3.1では127PS程度にしか見えません。VFR750(本来はVFR750F)の最高出力は仕向地によって異なるようですが、102~104PS程度と思われます、これもFig.3.1では98PSです。これは、個体差、測定条件(気温等、測定箇所(変速機出力軸なのか、クランクシャフト換算なのか)の差なのでしょう。
 本来はVF750ではなく、VFR750R(RC30)が比較対象でもよかったと思います。

 例によって、横軸の回転数を各エンジンの最高出力発生回転数に対する比率で整理しトルク曲線を作成してみました。

 赤線がNR750、黒線がVFR750です。

 図示した回転数比の範囲ではVF750の方がトルク変動が少ないように思えます。




バリー・シーンに渡ったスズキRS67Ⅱ

スズキRS67Ⅱの記事

RS67 SUZUKI (その1)
RS67 SUZUKI (その2)

のその2で、「TEAM SUZUKI」(by Ray Battersby, Osprey 1982)の記述を参考に、シーンがRS67Ⅱエンジンを所有していることについて書き、サミー・ミラー・ミュージアムに展示されているRS67Ⅱのエンジンがシーン所有であったものと推定していました。

 このことについて、TEAM SUZUKIの著者自身から情報提供がありました。上の「その2」のはその内容を加筆済ですが、こちらにもその内容を紹介します。

The story of Barry Sheene's RS67-2 By Ray Battersby, 2021

In 1978, I visited Sheene's latest home, Charlwood Manor at Charlwood near Gatwick airport. Barry showed me around his home and workshops and led me inside one of his private workshops. I noticed a very dilapidated RS67 engine standing inside a wooden crate beneath a workbench. It was the first time that I had seen this motor other than in photographs. Sheene dragged it out and I photographed it from all sides*.

I asked Sheene how he had obtained the engine. He told me that at the end of 1977, he had visited the Suzuki race-shop at Hamamatsu to test the 1978 race machines. During this visit he stayed at the Grand Hotel in Hamamatsu as do all of Suzuki's guests and visitors. He was having a drink in the Grand Hotel Skyline Bar one evening when he met Suzuki's European Sales Manager. During their chat, Sheene asked him what had happened to Suzuki's famous old racing machines.

The next day, Barry was taken to a small store-room at the Suzuki factory, somewhere near the lakes used by Suzuki to test their outboard engines. Inside that small store-room were many old experimental racing machines (such as RF750) and amongst these old machines, Sheene found a small wooden shipping crate. He lifted its lid and found the RS67 125 V4 engine inside. Sheene pestered his Suzuki contacts to let him have the engine and eventually they agreed. After all, Sheene was Suzuki's first 500cc World Champion. 

The engine was shipped in its original shipping crate to Heron Suzuki GB's race-shop at Beddington Lane, Croydon amongst the 1978 racing machinery. It was not fitted with carburettors, magneto or expansion chambers. Eventually, Sheene and his father Franco Sheene, removed the engine and took it to their own workshops at Charlwood Manor. Soon afterwards, I visited Charlwood Manor on other business and saw the engine in its crate beneath Barry Sheene's work-bench.

It is possible that Sheene's original idea was to build this engine into a modern racing chassis but if that was his idea, he never found the time to do it. It is believed that Sammy Miller may have visited Charlwood, possibly to buy another Sheene racing machine for his museum, and saw the RS-67-2 engine there. A price was agreed and the engine went to Sammy Miller's museum workshop at Christchurch in Hampshire, England.

To complete the engine, Sammy Miller must have bought the carburettors and magneto elsewhere and had new expansion chambers made in the UK. Miller apparently ordered a replica RS67 racing chassis to be made in the UK by a company that used original photographs as a guide for its design, dimensions and shape. Some people believe the replica chassis itself is made of steel tubing, not aluminium alloy as used by Suzuki in 1967.

It is not known whether the power unit is in running order or whether this machine has ever been ridden.

 日本から流出したことは残念ですが、結果的にスクラップになるエンジンが一つ減ったと思えば、これでよかったのかもしれません。

NR750とRVF750の回転数相対化トルク曲線

 前回(リンク)書いたように「最高回転数が異なるエンジンのパワーバンドの広さを回転数の幅だけで比較することは無意味」です。

 さらに例を出すなら、NR750が9000~16000rpmのパワーバンド7000rmで、マツダ・ロードスター(ND)の1.5リットル4気筒エンジンのパワーバンド1500~7000rpmより「広い」ということは無意味なのです。

マツダ1.5リッター4気筒エンジンのトルク曲線(マツダ技報から引用(縦軸の数値を加筆) )

 

 そこで、NR750(NZ0B、NZ0a?)とRVF750(NW1C)のトルク曲線における横軸の回転数を、各エンジンの最高出力発生回転数に対する比率で整理してみました。

 例えば、この比率が0.8なら、実際の回転数はそれぞれ

RVF750(NW1C) 13000×0.8=10400rpm
NR750(NZ0B)  15000×0.8=12000rpm
NR750(NZ0A)  15750×0.8=12600rpm
になります。

 整理した結果です。

  なお、RACERS Volume.22によると、NW1Cのボアは市販車のボア70mmに対し70.4mmで750㏄を超過していた(レギュレーション適合)ので、グラフ中のMW1Cのトルクは実トルクに70/70.4の2乗を乗じて排気量750㏄に補正した値を表示しました。

 この図から、回転数比で見ればRVF750(NW1C)のパワーバンドの広さはNR750とほぼ同じで、パワーバンド内のトルクも大きいことが分ります。
・・・・・・・・・・・・・・・・
 なお、回転数比0.48~0.56あたりでは、トルクがNR750(NZ0B)>RVF750(NW1C)ですが、実はNR750の出力チューニングレベルはそれほど高くないことを考慮する必要があります。

 「排気量と回転数」で示したように、同一排気量なら回転数、出力は気筒数の1/3乗に比例します。NR750はバルブ、コネクティングロッド数が8気筒と同じなのですから「NRの評価」で書いたとおりこれを8気筒と見なし、NR750(NZ0B)の出力チューニングレベルをRVF750(NW1C)並とするなら(NW1Cの排気量が750㏄を若干超過していることは無視して)

最高出力は134.5×(8/4)^(1/3)=169PS > 155PS(NZ0B公表値)

最高出力発生回転数は
13000×(8/4)^(1/3)=16400rpm > 15000rpm(NZ0B公表値)

になります。つまり、NR750(NZ0B)の出力チューニングレベルは市販車ベースのRVF750に及ばす、逆にRVF750をデチューンすれば、そのパワーバンドはさらに広くなる可能性が高いでしょう。

枻(エイ)出版が民事再生法の適用申請

趣味の雑誌『Lightning』『RIDERS CLUB』『PEAKS』などを 出版していたエイ出版社が民事再生(帝国データバンク) - Yahoo!ニュース

 数日前にはいくつかの雑誌を事業譲渡していましたが、ライダースクラブは対象になっていないようです。

 通信販売のライダースクラブ(700円)が1975~1977年に5号ほど出版されました。当時、レースをまともに取り上げるバイク雑誌はなく、頁数が少なくてもレースだけを取り上げてくれる貴重な雑誌でした。もちろん、今でも全部持っています。

 そして1978年に枻出版により月刊化を果し総合誌となりましたが、バイク総合誌であっても、世界GP等の記事をちゃんと取り上げてくれる雑誌は他になく、700円は安いと感じたものです。そして半年後には編集長が根本健氏になりネモケン語を付き合うことになりますが、それ以上にレース記事が楽しみでした。そして1989年?に隔週刊化、そして再び月刊化した頃から毎号購入することはなくなり、この15年ぐらいは全く購入していない記憶です。
 
 今となっては寂しいというより、通信販売時代から1990年代初めの15年間がなつかしいという気持ちです。ただ、シーズン終了後、MOTO-GPマシン特集を掲載してくれる雑誌がライディングスポーツとバイカーズステーション(隔月刊)のみになりそうなのが不安ではあります。

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