レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
MOTO-GPマシンのエンジン等で用いられるクランクケース減圧システムですが、
・ホンダRC211Vはオイルポンプ
・ヤマハYZR-M1は排気管負圧
により減圧しています(いました)。
RACERS Vol06(カワサキ特集)62頁では「MotoGPマシンではポンプを用いたり負圧を用いたりして強制的に減圧している。損失低減に積極的なZX-RRでは、ロスを減らすためのポンプによるロスを嫌い、排気負圧を用いた強制減圧システムを採用~」とありますので、ポンプを使用する方がロスが大きいと考えているようです。
では排気負圧を利用する減圧システムではロスがないのでしょうか。連続的に減圧するからには何らかのエネルギーが必要です。当然のことながらこの減圧システムでは排気管の流速を下げる(エネルギー低下)ことになり(排気抵抗を増やしたのと同じ)、排気管だけみれば出力低下のシステムです。もちろん、ポンピングロス低減によりトータルではプラスになります。
まあ、「エネルギー保存の法則」ですね。勝手に何のロスもなしに減圧できるのであれば苦労はしないでしょう。