レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
~素養に欠ける編集者たちが作った本は読者諸氏の支持を得ることなく、早晩消えゆくだろう。~今号では上述の問題点に対する効果的な方策として、趣味人諸氏による寄稿に頁を多く割いてみた。古来より西洋では、民の規範たる王族・貴族は戦時率先して最前線に赴くという精神(Noblesse Oblige=仏語・直訳すれば「高貴なるものの責務」だろうか)があるという。現在クラシックバイク文化の最前線に立っておられる在野の趣味人たちは、言うなれば今後の斯界を牽引すべき重責を担われる身分と私は思う。
ノブレス・オブリージュとは、Wikipediaによると、
ノブレス・オブリージュまたはノーブレス・オブリージ(フランス語:noblesse oblige) は「貴族の義務」あるいは「高貴なる義務」のことである。英語では「ノーブル・オブリゲーション」(noble obligation)と言う。一般的に財産、権力、社会的地位の保持には責任が伴うことを指す。一般的な用法ではないが、慇懃無礼あるいは偽善的な社会的責任について蔑視的に使われることもある。また、実際の歴史では、貴族などの特権と贅沢を正当化する隠れ蓑となった側面もある。
このライターは「身分」、「高貴」といった言葉の意味を全く理解していないようだ。バイク趣味人(あまり好きな用語ではないが)の多くは「財産、権力、社会的地位」とは無縁で、他に職業を持ちながら、少ない予算をやりくりして、資材(バイク、部品等)、資料を収集しているのである。
ライターはバイク記事を書くことを職業にしている時点で、正確な記事を書く責務がある。それができないのなら、「メーカー取材、イベント取材、資料収集等に関して、私は趣味人より恵まれた立場にあるが、知識はないので、知識のある方に記事を書いてほしい」というのが基本的な姿勢であるべきだ。もちろん、これは恥ずかしいことではない。得手不得手は誰にでもあるからである。
それにも関わらず、バイク趣味人に対して「ノブレス・オブリージュ」、「高貴」、「責務」、「身分」という用語を使ったがために、「趣味人は、その知識を雑誌のために吐き出して、雑誌の売り上げに貢献する義務を持つ身分」という文になってしまった。プロ意識に欠けた雑誌屋の本音を垣間見たように思う。