阿部典史が乗ったYZR500を取り上げています。この頃のヤマハ500はローソン、レイニーが去った後、基軸となるべき優れたGPライダー不在でマシン開発の方向性が定まらなかった混迷の時期でした。
で、ちょっと読んで気になる箇所。
77頁
○「久しぶりにスライドバルブ型YPVSを装備した0WJ1エンジン」とあります。しかし写真では鼓型に見えますが・・・70、71、74頁の写真でもそうです。
78頁
○1996以降のボア×ストロークが54×54mmで、排気量499㏄になっています。54×54ですと495㏄なのですが・・・ヤマハのこれまでのサイトでも54×54mmですが、実際は54×54.5mmなのでしょうか?
○1993~1997のキャブレターのパワージェットの有無が「無」になっていますが、66~67頁の写真ではパワージェット有に見えます。
74頁
○「ボアが大きい方がポート面積を稼ぎやすく」
よく勘違いされますが、逆です。56×50.7と54×54を比較すると、
シリンダー周長 56>54の比率で前者が大
ピストン摺動高 54>50.7で後者が大
で、(54/56)×(54/50.7)で後者がピストン摺動面積2.7%大になり、ポート面積もこれに略比例して後者が大きくなります。その後の「ロングストロークの方がピストンスピードが高い分~~~」記述も?です。
(9月26日追記)RACERS Volume12(スズキRG500) 64頁では「'74年から~シリンダーのポートは、排気、吸気、掃気×2、ループ掃気の5ポートだった~54×54㎜のボア×ストロークとなった~年のXR14からは、ストロークが伸びたことを利してポート面積を広く取ることが可能になり 」とあります。
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