レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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2ストローク2軸60度V型4気筒のこれらのマシンの点火サイクルは180度間隔2気筒同時点火です。このことについて、
2軸クランクエンジン (ganriki.net)
で「1968年型ヤマハRD05A(2軸60度V型4気筒)の写真を見て、180度間隔2気筒同時点火である可能性が高いことに気が付いた」と書きました。実際に気が付いたのは1979年頃です。
現存するRD05Aはトランジスタ点火です。
RD05A YAMAHA (ganriki.net)でヤマハのペーパーも紹介しています。
2軸60度V型4気筒の1次慣性力の釣り合いからすると、60-120-60-120度間隔がよいのですが、トランジスタ点火のRD05Aのこの写真に写るpick-up platesが90度間隔に配置されているので、bladeがエンジンと等速回転で90度間隔点火ではないかとまず考えたのです。
ところが、この場合、上死点前だけでなく下死点前でも点火プラグが発火することになります。2ストロークエンジンでそういう例はありますが、1960年代にそのようなことをしていたのだろうかという疑問が湧きました。
そして、この写真は1968年型RD05Aですが
2気筒用マグネトを2基装着しています。当時、2ストローク2気筒レーシングエンジンではエンジンの1/2回転のマグネトを使用していましたので、これのマグネトも1/2回転でしょう。とすればトランジスタ点火仕様も1/2回転で180度間隔点火の可能性があると考えました。そして、次の理由からその可能性はかなり高いと考えたのです。
1 1968年型にトランジスタ点火とマグネト点火の2種類が存在したことから、1968年シーズン当初、トランジスタ点火仕様の開発があまり進んでいなかったことが窺えます。実戦で2種類の点火系を使用するのに、その点火系の回転数を変えるようなことをするとは思えない。
2 1968年2月にホンダがGP撤退を発表しており、ヤマハにとって1968年型マシンの開発を進める理由は少なくなっており、トランジスタ点火の開発が1968年に行われたとするなら、わざわざ点火系の回転数を変えるようなことをするとは思えない。
当時はRD05A、RA31Aの現物を見たこともなく、手持ちの雑誌、本に掲載された写真も少なく、トランジスタ点火仕様の点火系の周辺がどうなっているか分らなかったのですが、1988年になって現物を見て、トランジスタ点火仕様であっても、2気筒用マグネトとクランクケースが共通(2つあるマグネト装着部の1つは使用しないので蓋されている)ことがわかり、180度間隔同時点火に間違いないと判断しました。
ただ、この頃になっても、2軸間で同時点火にしていた理由までは分らなかったのです。2軸クランクエンジン (ganriki.net)
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