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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

URSのクロスプレーンエンジン

http://jfrmc.ganriki.net/zatu/yzr-m1/yzr-m1-fi.htm

で、2004年型ヤマハYZR-M1の点火間隔について考察したのも大昔になってしまいましたが、その中でURSという先例があることを書きました。URSについてはこちらに詳しく書かれています。
http://www.winni-scheibe.com/ta_portraits/urs_kuhn.htm

 ドイツ語ですが、翻訳ソフトである程度は理解できます。その中の写真

から、クランクピン配置が上の私の記事中のケース3であることがわかります。この場合、2次慣性力は釣り合いますが、偶力を生じます。2次慣性力が完全に釣り合うケース2にしなかった理由は、1次慣性力による偶力を小さくしたかったからでしょう。なお、バランサーシャフトはありません。

 クランクシャフトは2気筒毎に別体で、各クランクのギアが上の写真に写っているジャックシャフト(動力取出軸)の2枚のギアに繋がります。
http://jfrmc.ganriki.net/zatu/2crank/2crank.htmで書いたように、2軸クランクの場合、同時点火にした方がよいのですが、このエンジンは90-180-270-180度点火です。高回転では燃焼室内圧力変化によるトルク変動より慣性力によるトルク変動の方が大きいので、ギアの耐久性はそれほど問題にならなかったのかもしれません。それでも、ギア騒音は大きかったとは思いますが。

https://www.dukevideo.com/prd9970/Isle-of-Man-TT-1967-Sound-Stories-Vinyl-2-Disc-LP
で250㏄クラスの音の一部が聴けますが、全編を購入すればサイドカーレースのスタートとサインポストコーナー(だったかな)でURSの排気音が聴けます。「ギューン」というような音です。


 
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ヤマハ125㏄ロータリーディスクバルブ単気筒(1983)(2)

18日前にコミュニケーションプラザのFACEBOOKで正体が明かされています。
https://www.facebook.com/YamahaCommunicationPlaza/posts/3234670146646632

 元技術者の山岡氏のコメントにあるように、エンジンは1983年の0W67ではなく1982年の0W62のエンジンがベースです。

 この機種記号についてですが、ヤマハの1982年のロータリーディスクバルブ125㏄モトクロッサーをOW62Bと表記している1982年のバイク雑誌もありました。
 
 当時は、「0W」ではなく「OW」と表記するのが普通でした。

 このマシンのフレーム打刻は当時のヤマハの他のマシンの打刻からすると「0W62-B-2××」だと思われます。Bは車体を指し、次の2が年式、××が続き番号です。おそらく雑誌記者が打刻を見て、このマシンを0W62Bだと考えたのではないでしょうか。


 ただ、この雑誌記事はパワーバルブの作動方式が変わった新型マシンについてのものです。同じ機種記号であっても、新型について(エンジン/フレーム打刻には反映しなくとも)便宜的に機種記号の数字の次にアルファベットを付記して呼称することがあるので、雑誌記者の質問に対しヤマハ関係者が雑誌記者に機種記号を「0W62B」と答えた可能性もあります。

※新型について機種記号の数字の次にアルファベットを付記した例
0W35K:パワーバルブ無装着に対するパワーバルブ装着型
0W48R:4気筒前方排気に対する2気筒前方排気・2気筒後方排気型

 ヤマハ1982年型125㏄モトクロッサーエンジン。写りが悪いですが、ロータリーディスクバルブが収まる部分が分るでしょうか。










タンデム2気筒

 前回(リンク)カワサキKR250/350の前にMZが125㏄クラスでクランク横置タンデム2気筒を走らせていたことを紹介しましたが、別にカワサキのタンデム2気筒が「世界初ではない」からどうだと言う意図はありません。

 1963-65年にスズキは250㏄クラスでスクエア4気筒を走らせていましたが、これを縦に半分にすればタンデム2気筒になります。
 そもそも、ロータリーディスクバルブ2気筒でエンジン幅を極小にしようとすれば、必然的にタンデム2気筒かクランク2軸V型2気筒になってしまうのです。

 タンデム2気筒というレイアウト自体、誰でも思いつきそうなものです。しかし、レーシングマシンは形だけの品評会に出展するためのものではありません。大事なの
は、タンデム2気筒エンジンの振動を抑え、長いエンジン長のために車体の軸距が長くなりがちなマシンをレーシングマシンとして成功させることなのです。

MZの125㏄タンデム2気筒

こちら(リンク)でベロセットのクランク縦置きのタンデム2気筒を紹介しましたが、カワサキKR250/350の前にクランク横置タンデム2気筒が存在します。

 1970年のGPを走ったMZ(東ドイツ)の125㏄2気筒です。
https://motorostalgie.de/hersteller/mz/mz-rennsporterfolge/2017_e_8882_kopie_kl_b-2

 この写真は近年、レストアされた状態のようです。
 前クランクシャフト中心がクラッチ外周部に近接し、後クランクシャフト中心がクラッチ外周部から離れているので、クランクシャフト左側で両クランクがギアで連結し、前クランクがクラッチギアを駆動しているようです。

 後クランクにパルサーらしいものが180度間隔で配置されていますが、これだけでは180度間隔点火なのか同時点火なのかはわかりません。2ストロークエンジンでは1回転で2回、上死点前と下死点前でプラグが発火する例があるからです。ヤマハRZ250/350がその例です。
  
 1970年当時の写真はこちら。

 エンジン左側にマグネトが2基装着されています。
 また、クラッチ、前チェーンスプロケット、シフトシャフトの位置関係からすると、動力伝達経路は

 後クランク→前クランク→クラッチ・動力伝達軸→変速機入力軸→変速機出力軸・前スプロケットのようです。したがって、クランク回転方向は

後クランク:前方、前クランク:後方

と思われます。わざわざ動力伝達軸を加えているのは、高温になる変速機をクランク室から離したかったからでしょうか。

IOM TT Paddock Scenes 1960

https://www.youtube.com/watch?v=qmRVzl1oaSA

 コメント欄にあるように、1960年ではなく1966年のマン島TTで、レース中の映像もあります。

 撮影したFreddie Hawken は元TTライダーということですが、その成績は次のとおりです。

https://www.imuseum.im/search/collections/people/mnh-agent-1276479.html
 個人が撮影したフィルムがこういう形で公になる時代の幸せを感じる映像です。

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