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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

9月13日

は私にとって思い出深い1980年日本GP予選(土曜日)の日です。

 その数日前、ヤマハの金谷秀夫さんが書かれたこの本(リンク)を購入し、土曜日の車両検査の時に金谷さんにこの本にサインを頂きました。日付もちゃんと入れていただいて。金谷さんが「もう買ってくれたんや~」、「本の中で「パーシャル」と言ってるけど分った? スロットルを1/5ぐらい(だったかな?忘れた)開けた状態なんやけど」と話されたのをよく覚えています。

 予選で金谷さんはポールタイムを出しながら転倒して心配しましたが、パドックを覗くと金谷さん、高井幾次郎さんらが談笑しており、ケガは大したことはなかったようです。ただ、翌日のレースは欠場、そして高井さんが優勝したのです。

 この日本GP、私にとって他にも意味があり、そんなわけで9月13日という日付はずっと記憶にあります。

 私が金谷さん、高井さんの走る姿を見るのはこの日本GPが最後になりました。そして高井さんはその1年半後、金谷さんは33年後に亡くなられました。
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タンデム2気筒の慣性力の釣り合い

 1975年に登場したカワサキKR250(T601)はタンデム2気筒でした。簡単に言えば、単気筒を前後に繋げたエンジンですが、ここでは2気筒の各クランクシャウトが平行に位置するように連結したものをタンデム2気筒エンジンとします。

 このKR250、当初は180度等間隔点火でしたが、振動に悩まされ、1976年10月の日本GPに登場した新型で2気筒同人点火になり、振動問題が解決されました。

 世界で初めてのタンデム2気筒がどんなものが知りませんが、私が着目しているのは第二次世界大戦前に製作されたベロセット・Roarer(500㏄スーパーチャージャー)です。
http://velobanjogent.blogspot.com/2014/06/the-roarer-re-createddan-smith-in.html
 一見、並列2気筒に見えますが、タンデム2気筒です。
https://www.flickr.com/photos/velton/4640552918

 なぜ、このようなエンジンレイアウトにしたかというと、

1 当時はチェーンドライブの信頼性が低かったので、シャフトドライブにしたかった。
2 シャフトドライブにするためには、クランクシャフト縦置きの方がよい。
3 クランクシャフトを縦濃きすると、トルクモーメントがハンドリングに大きく影響する→クランクシャフトを2本にして、相互逆回転にすればトルクモーメントは相殺される。

です。

 この1次慣性力を釣り合わせるために、クランクシャフトのバランスウエイトを1次慣性力相当分にし、ピストンの動きを2気筒同じにすれば1次慣性力を打ち合わせることができます。

 ピストンが上死点にあるときはバランスウエイトが1次慣性力を打ち消してくれます。赤矢印が1次慣性力、青矢印バランスウエイトの遠心力です。


 そこから90度回転すると1次慣性力はゼロになり、横方向のバランスウエイト遠心力は互いに逆方向なので打ち消されます。


 2ストロークであれば必然的に同時点火になりますが、Roarerは4ストロークですので、360度等間隔点火だったと思います。ただ、その場合、2気筒を連結するギアの耐久性が心配です。
http://jfrmc.ganriki.net/zatu/2crank/2crank.htm

 もう一つ心配なのは、クランクベアリングの荷重です。バランスウエイトを1次慣性力相当分にしますと、横方向に1次慣性力相当分の遠心力が働くからです。

ヤマハ125㏄ロータリーディスクバルブ単気筒(1983)

 ヤマハコミュニケーションプラザでレストアが始まりました。
https://www.facebook.com/YamahaCommunicationPlaza/posts/3216354231811557

 私が1985年に東海地方で、2005年に関東地方で見たマシンと同一個体のようです。そうだとするなら、里帰りしたことになりますね。


 コメント欄では0W37になっていますが、「37」は1977年頃に登場したの125㏄ピストンバルブのマシンのはず。
 1983年のロータリーディスクバルブのマシンが0W37なのでしょうか?1982年にはロードレーサー、モトクロッサーのコードが0W60番台になっているのに・・・0Wコードは機種記号である前にプロジェクト記号であり予算の管理記号でもあるので、0W37が間違いだとは断定できませんが。

 さて、このマシン、1983年の全日本選手権を江崎正選手の手で走りました。1983年から全日本選手権ではファクトリーマシンもポイント対象になったのです。

 ここから私の記憶なので、全てあやふやです。信用しないように。

 最終戦日本GP、レーススタート前に小雨が降りだし、グリッド上でこのマシンのタイヤを交換(スリック→TT100へ?)したのですが、これが結果的に失敗でした。雨はすぐに止んでしまったのです。
 

1961年ドイツGP125㏄6位は誰?

 表題の記事は公開校正の中のHONDA MOTORCYCLCE  RACING LEGENDO PART 3(リンク)からリンクしている
http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/kousei/kousei17-2.htm

ですが、気が付かない方もいるようなので、MENUの雑学からリンクするようにしました。

 記事の内容は次のとおりです。

・・・・・・・
1961年ドイツGP125㏄6位は島崎貞夫だと思っていたし、こちらの2RC143/RC144の記事(リンク)もそれを前提に書いた。

 しかし、HONDA MOTORCYCLE RACING LEGEND PART3の114、166頁では、6位は高橋国光になっている。この本が参考にしていると思われるMOTO-GPの公式サイトでも、6位は高橋になっている。

 過去の記録、記述等を確認してみると、

(1) モーターサイクリスト誌1961-7の64頁には「ルイギ・タベリ(原文のまま)と彼に続く高橋、レッドマンはホンダチームで、5、6、7位の地位を確保した」とあり、高橋が6位になっている。

(2) 同65頁の結果表では島崎が6位、オートバイ誌1961-12の166頁のランキング表でも島崎は6位。

(3) 日本のレーシングモーターサイクルの歴史(1973八重洲出版)258頁の結果表では島崎が6位。

(4) Grand Prix Motorcycle Championships of the World (by Maurice Bula, G T Foulis 1975 (スイスで出版された Les As du Continental Circus の英語版)ではK.Takahashiが6位。

(5)ホンダ/サーキットの覇者(クリストファー・ヒルトン、1992ソニー・マガジンズ(英語版はHONDA CONQUERORS OF THE TRACK, Patrick Stephens 1990)では、島崎が6位。英語版も同様。

(6) THE RACE FOR LEADERSHIP 世界のランキングを求めて(1962モータースポーツランド:私所有のものは英語版)38頁に「The only Japanese rider in the event was Shimazaki (Honda). He placed sixth.」とあり、島崎が6位としている。40頁のレース結果表、13頁の年間ランキング表でも島崎が6位。

(7)Mike Hailwood Seine legendären Rennsportjahre(2007Text & Technik Verlag)ではSadao Shimasaki(原文のまま)が年間ポイント5(ドイツGP6位をカウントしていない)。

(8)右はドイツGP125㏄でのRC144で、ライダーの顔は明らかに島崎。


 仮に(6)の「only Japanese rider」が誤りで、高橋も出場していたとすると、高橋のマシンは同書の「Taveri, the only man riding a late-1960 model Honda」から、1961年型のRC144になる。しかし、250㏄クラスで1961年型のRC162が2台しか出場していないのに、125㏄でRC144が4台も出場したことになる。

 これらのことからすると、MOTO-GPの公式サイトの記録は誤りの可能性が高い。日本人ライダーとして高橋が有名なので、どこかで島崎が高橋と間違えられ、そのままになってしまったのだろうか。

昨日更新した

http://jfrmc.ganriki.net/zatu/pvs/pvs.htm

ですが、バルブスプリングエンジンの設定最高回転数によって、損失トルク曲線が変わることを書いていました。

 わかりずらいので、イメージ図を追加しています。

 ところで、高回転型エンジンはバルブスプリング設定荷重も大きいのですが、高回転で使用するなら実バルブスプリング荷重は小さくなります。しかし、低回転では実バルブスプリング荷重は大きく、、設計上、(回転数が低いので油圧も小さく)カムシャフト等の摩耗に留意が必要になると思います。

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