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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

CB750FOUR その真実 -ホンダを変えた二輪作りの記録ー

 昨日、本屋で見かけて購入しました。3月11日発売だそうです。

 この本、「監修 松田 稔」となっていますが、実質的にはホンダの技術者だった松田稔さんが書いた本です。私はCB750について詳しく調べたことはないので、マニアの方々からすれば見当違いの感想になるかもしれませんが・・・

 一般的にこのような本はライターさんが技術者に取材して書くことが多いのですが、どうしてもライターさんの理解不足のせいなのか、脚色が入るのかわかりませんが、事実と異なることが書かれ、それが流布されてしまうこと多いように思います。この本では開発に大きく関わった、そしてそのバイクを愛する技術者が自ら確認しながら書いた記事ばかりで、初めて知ることが多くありました。

 ところで、ホンダのウェブサイトの記事の誤りも指摘され「聞きかじりの情報を紡いだものだと思われるが、これをチェックできる人材もいなくなってしまったのかと、時の流れを少々寂しく思う限りだ」(48頁)と書かれています。
 こういったウェブサイトの記事はライターさんに外注されているのではと思います。ただ、ホンダの現役技術者が「語り継ぎたいこと」(ウェブサイトの記事のタイトル)に関心がないのか、ウェブサイトの記事を現役技術者がチェックするような社内体制になってないのか、あるいは現役技術者がおかしな記事であることに気が付かないレベルなのかということなのでしょう。

 48頁のような記述を掲載する本を出版した心意気に敬意を表します。
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ホンダWGP参戦60周年 挑戦と勝利の軌跡(10)

  33頁の写真01「67年のダッチT.T.の250を走る~」
 350の誤り。

 写真02、05「ベルギーGP250」
 いずれも東ドイツGP250の誤り。

 http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/rule.htm をご覧ください。西ドイツと東ドイツのゼッケン番号の付け方に特徴があるのがわかるでしょう。ただし、西ドイツの場合、Solitudeで行われたレース(ホンダ参戦時であれば60、62、64年)は番号の付け方が異なります。

 写真04「マン島T.T.でのRC166とヘイルウッド」
 RC174(350㏄クラス)の誤り。

 1967年マン島TT250のスタートの音。1分ぐらいから。

 ゼッケン順に2台ずつスタートで、ヘイルウッドはゼッケン7で4番目のスタート。写真03はゼッケン3。

ホンダWGP参戦60周年 挑戦と勝利の軌跡(9)

 ちょっと飛ばして81頁の写真01「開幕戦~これ以降ゼッケン1を付けて走るスペンサーを見ることはなかった」
 
 第4戦オーストリアGPに出場しリタイアしています。1分57秒あたりから。

 


 73頁下の写真はイタリアGPではなくベルギーGP。
 76頁下の写真はスペインGPではなくユーゴスラビアGP。




ホンダWGP参戦60周年 挑戦と勝利の軌跡(8)

37頁の写真01「(RC142について)バルブ挟み角45°でリフト量はIN・EXともに15.5mm、ピストンバルブクリアランスは1.5~2mmの範囲となっている。最高出力は2バルブのRC141で17.3ps/13,000rpmだから、それ以上と思われる」  

単に「バルブ挟み角」といえば吸気バルブ・排気バルブの向かい合う角度ですが、当時のホンダRCは75前後のものが多く、45度なら各バルブのシリンダー方向に対する角度になります。でも、当時のホンダ125㏄2気筒RCで45度といえば、RC144の排気バルブですが。  

「リフト量が15.5mm」とあります。ホンダの技術者だった八木静夫氏によるとRC141の吸排気バルブ径は「16.5/14.5mm」ですので、バルブ径とほぼ同じバルブリフトという化け物エンジンということになります。普通はバルブ径の30%前後です。 

「ピストンバルブクリアランスは1.5~2mmの範囲」 ピストンとバルブの間のクリアランスのことかな。  

「2バルブのRC141で17.3ps/13,000rpmだから、(RC142は)それ以上と思われる」とあります。八木静夫氏によるとRC141が15.3PS/12500rpm、RC142が17.3PS/13000rpmです。これは153頁右列の河島氏の回想「(1958)年の暮れ近くには、やっと15馬力まで到達することができました~4バルブ~やっと17馬力まで上げることに成功し~」とも符合します。

ホンダWGP参戦60周年 挑戦と勝利の軌跡(7)

  61頁の写真説明で「1961年7月24日・西ドイツGP~」とあります。第2戦西ドイツGPの開催日が例年6月開催の第4戦マン島の後なのは? ライター氏は書いていておかしいと気が付かないのでしょう。7月24日は1960年西ドイツGPの開催日です。

 「♯107レッドマン、♯111プロビーニ、♯143デグナーを従えて走る高橋さん」
 111はホッキング(MV)、143はプロビーニ(モリーニ)の誤りです。マシンの違い、ヘルメットの違いなどどうでもいいのかな。

 「(250㏄クラスの)高橋さんのベストラップは250㏄のレースレコードを書き換えたばかりか、同じく20周で行われた350㏄クラスのレースタイムまでを上回っていた」
 
 「高橋さんのベストラップ」、「レースレコード」が時間なら、1周の時間と20周の時間を比較するのはおかしい。平均速度とするなら、ラップ速度がレース速度を上回るのは当然なので「書き換える」はおかしい。そもそも比べる対象ではない。ましてや「350㏄クラスのレースタイム」はタイム(時間)で平均速度ではない。何が言いたいのかよくわからない。

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