「~破り捨てるような行為はすべきではない」はそのとおりですが、理由はデタラメです。
警察官が作成中の青切符を無理やり破れば公務執行妨害ですが、運転者が受け取った青切符をどうするか(反則金を払うか、破って反則金を払わず道路交通法違反として裁判で争うか等々)は運転者の自由です。
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「なぜ警察はクマを撃たないんだ」 SNSに広がる疑問の声…実は《警察官がクマを撃てない》明確な理由があった【元刑事が解説】
市中の警察官が拳銃(ピストル)でクマを撃つのは法令以前の問題で無謀だと考えます。
しかし、元刑事の方は警察官が拳銃しか装備していないという前提で論を進めているように思います。
「警察官の拳銃使用に関する法的根拠は、警察官職務執行法第7条(武器の使用)にあります。同条では、警察官が「犯人の逮捕・逃走防止」や「自己または他人の防護」のために、相当の理由がある場合に限って武器を使用できると規定されています。つまり、法の想定対象はあくまで「人間」であり、この条文にクマなどの動物を撃つことは想定されていません。」
警察官職務執行法を都合よく解釈しているようです。そもそも「武器」とは人に使用するものであって、武器等製造法においては、猟銃は銃砲であっても武器ではありません。
ですから、警察官職務執行法第7条は警察官が武器である拳銃等の使用を制限しているのであって、猟銃によるクマ駆除についてはなんら制限をしていません。
「では、クマ対策に関して、警察は何もできないのでしょうか。ここで登場するのが、警察官職務執行法第4条(避難等の措置)です。この条文では、「人が死傷するおそれがある場合や、狂犬が暴れ回る場合など、危険を防止するために必要な措置を命じ、または自ら行うことができる」とされています。クマもこの「狂犬」になぞらえて解釈されるため、警察官が現場で緊急的に措置を取ること自体は否定されません。ここで言う「措置」とは、退避・避難誘導命令・猟友会への駆除指示などを指し、また警察官自身も、今まさに人の生命に危険が及んでいるといった場合には、自らその措置を取ることができると解されています。」
クマ駆除が猟友会への駆除指示(条文では「命令」)に限定されるのが理解できません。そもそもこの命令に罰則規定はありません。猟友会、猟友会員でない猟師への強制力はないのです。
また、「(警察官)自ら行うことができる」の「できる」規定は「してもしなくてもよい」と解することはできません。
警察官職務執行法第1条 この法律は、警察官が警察法(昭和29年法律第162号)に規定する個人の生命、身体及び財産の保護、犯罪の予防、公安の維持並びに他の法令の執行等の職権職務を忠実に遂行するために、必要な手段を定めることを目的とする。
この目的を達成する手段の一つとして同法第4条が定められているのですから、「できる」は「必要は場合はしろ、しないのは職務怠慢」と解すべきです。猟友会等の協力が得られない場合は、警察官が対人ライフル、猟銃によりクマ駆除をしなければなりませんし、その備えをするべきだと考えます。赤文字は「できる」規定を恣意的に解釈していると考えます。
参考
クマの被害が大きい都道府県に担当官を週明けにも派遣へ 国家公安委員長が表明
産経新聞の記事です。
「広範囲の人工物を危惧」323自治体でメガソーラー規制条例 北海道釧路市は10月施行
「急速に広がる太陽光発電施設を巡って自然、景観保護などの観点から設置の規制条例を制定する動きが相次ぎ、一般財団法人「地方自治研究機構」(東京)によると、6月末時点で条例制定の自治体数は全国で323自治体に上る。」
「同機構の調査によると、条例制定は、26年は由布市など2自治体、27年は5自治体にとどまったが、28年以降は毎年二桁に上る。6月末時点で都道府県別の最多は長野県の35自治体で、次いで茨城県の27自治体、北海道の26自治体。」
記事中の地図でどの都道府県が条例制定自治体数が多いが分ります。
しかし、この記者さん、「自治体」は市町村と都道府県だということを理解していないようです。
上の数字の出典は一般財団法人地方自治研究機構のものですが、同財団の
太陽光発電設備の規制に関する条例 | 法制執務支援 | 条例の動き | RILG 一般財団法人 地方自治研究機構
を読むと、この数字は市町村のみです。ですから、この数字が多い都道府県で太陽光発電条例適用率(適用区域面積/都道府県面積)が大きいわけではありません。
例えば都道府県で条例制定の先陣を切ったのは兵庫県で2017年3月に制定しています。当初は全県に適用していましたが、後に神戸市、三田市が条例を制定したために、この2市の条例適用区域を除外しています。ですから基本的に兵庫県全域に何らかの条例が適用されているのです。
そして、2市以外の市町村は兵庫県条例で十分だと判断したものと思われます。
兵庫県以外で条例を制定した県(和歌山、岡山、山梨、山形、宮城、奈良、長野、青森)も全県に何らかの条例が適用されていると思われます。
太陽光発電施設設置の弊害は基本的には全国的な問題です。この責任は、太陽光発電施設設置の弊害に目をつぶり、太陽光発電施設が工作物に該当しないとすることにより、土地の形質の変更が開発行為にあたらないとし、これを放置している国にあると考えています。
そして、「5 都道府県は、市町村を包括する広域の地方公共団体として、第2項の事務で、広域にわたるもの、市町村に関する連絡調整に関するもの及びその規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないと認められるものを処理するものとする。」(地方自治法第2条第5項)にもかかわらず、条例を制定していない都道府県も、その責務を理解していないと考えます。