レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
こちら(リンク)でベロセットのクランク縦置きのタンデム2気筒を紹介しましたが、カワサキKR250/350の前にクランク横置タンデム2気筒が存在します。
1970年のGPを走ったMZ(東ドイツ)の125㏄2気筒です。
https://motorostalgie.de/hersteller/mz/mz-rennsporterfolge/2017_e_8882_kopie_kl_b-2
この写真は近年、レストアされた状態のようです。
前クランクシャフト中心がクラッチ外周部に近接し、後クランクシャフト中心がクラッチ外周部から離れているので、クランクシャフト左側で両クランクがギアで連結し、前クランクがクラッチギアを駆動しているようです。
後クランクにパルサーらしいものが180度間隔で配置されていますが、これだけでは180度間隔点火なのか同時点火なのかはわかりません。2ストロークエンジンでは1回転で2回、上死点前と下死点前でプラグが発火する例があるからです。ヤマハRZ250/350がその例です。
1970年当時の写真はこちら。
エンジン左側にマグネトが2基装着されています。
また、クラッチ、前チェーンスプロケット、シフトシャフトの位置関係からすると、動力伝達経路は
後クランク→前クランク→クラッチ・動力伝達軸→変速機入力軸→変速機出力軸・前スプロケットのようです。したがって、クランク回転方向は
後クランク:前方、前クランク:後方
と思われます。わざわざ動力伝達軸を加えているのは、高温になる変速機をクランク室から離したかったからでしょうか。