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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

カワサキKR350が世界GP500ccに

  1982年頃、あるバイク販売店でレースビデオを映していて、その中に1982年500ccアルゼンチンGPのビデオがありました。ビデオ作品ではなく現地でテレビ放送を録画したもので、もちろん言語はスペイン語。

 店頭でビデオを見て気が付いたのは、KR350に乗ったマングがピットインする様子。アルゼンチンGPでは250㏄クラスはなかったので、マングは350ccに加えて余力で500ccにも出場したようです。

  レースの一部の映像がyoutubeにあります。映像は上の映像と同じでコメンタリーは英語です。


 5分25秒あたりから、ピットインするマングが写っています。


 スイングアームは新型のようです。

 MOTORCOURSE1982-83で記載されている予選結果は上位だけで、マングの名前はありませんから、あまりいいタイムではなかったのでしょう。

 さて、KR350のボア×ストロークは64×54.4mmあるいは64×54.39mmとされています。
 レギュレーションでは排気量を円周率3.1416で計算することになっていたはずですから、
 64×54.4→350.01cc
 64×54.39→349.95cc
になります。64mmといっても、64.00mmではなく63.97mm程度なのでしょう。

 例えばボアを64.10mmに拡げれば351.1ccになり、500㏄クラスに出場できます。

  当時のカワサキの競技用モデルシリンダーは、ELEX(線爆溶射)シリンダーだと思いますが、この「KR350」は


1 ELEXシリンダーのままボアを僅かに拡大
2 数mmボアを拡大しメッキシリンダーに変更(ドイツ等でELEX加工は困難?)
3 (カワサキとは関係なく)オリジナルシリンダーを製作

したのでしょうか。


 もう一つの可能性としては「350㏄のままだった」があります。レギュレーション違反ですが、他チームから抗議されなければ排気量測定されることはあまりないため、違反は見過ごされることが大半ですし、発覚したとしても(排気量超過と異なり)悪質ではないと見なされ大きな処分は受けなかった事例があった記憶です。


   ところで、Mangのカタカナ表記は「マンク」とされることがほとんどですが、私は「マング」としています。こちらのサイトを参考にしました。
ドイツ語のカタカナ表記 (fc2.com)

 リンク先でも書かれていますが、ドイツは方言による読みの差が大きいようですので、マンクが間違いとは言い切れないのですが、標準的にはマングだと思われます。

 ドイツ語ナレーションの動画ではMangのgが聞き取れないことが大半ですが、発音のきれいな方(アナウンサー?)の発音を聞きますとgが濁って聞こえます。

 そういえば何とかリンクというサーキットがありますね。リンクはドイツ語のRingのことだそうです。




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