84頁に0W53について「クランクケースは5A0のものをベースに~同じ砂型鋳造マグネシウム合金クランクケースでありながら、一貫してYZR500は無塗装/TZは黒塗装だったのに、0W53のクランクケースが黒いのは、このためだ」とある。
このライター氏、自身が記事を書いた14頁下の前方排気のYZRのクランクケースが黒いことに気が付いていない。このマシンはすでに書いたように
http://jfrmc.tou3.com/Date/20171127/1/
(記事解説の1979年ではなく)1980年型の0W48。そして、
0W48Rもクランクケースは黒い。
つまり、TZ500が登場した1980年シーズンからYZRもTZのクランクケースを使用していた。つまり上の記述は誤り。
そして84頁に0W53について「わざわざスタッドボルトを移植するという大きな手間をかけてまでフラットバルブ用シリンダーを装着した例もある」とあるが、すでに1980年からそうだった。
なお、同頁に「シリンダーはTZ500と同じ鼓型YPVSバルブを持つタイプが53/53Pの標準」とある。確かに1981年日本GPで高井が乗った0W53は鼓型バルブだった。しかし、0W53Pは
浅見のマシンも
Dulmenのマシンも
フラットバルブ。フラットバルブが例外のような書き方はいかがなものか。
なお、「0W48レプリカの5Y9が計画され、その先行開発と0W54のバックアップを兼ねた0W53の開発も同時にスタートした」とある。
1981年に木下が乗ったスチールフレーム・2気筒後方排気の500㏄4気筒マシン(公認車両TZ500の改造車としてポイント対象)が忘れられている。むしろこのマシンが1982年型TZ500(5Y9)のベースになっているように思う。
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