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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

空気抵抗と出力


「速度の2乗」で増える空気抵抗 アリエル・アトム 4 効果絶大のスクリーン トンネルでテスト(AUTOCAR JAPAN) - Yahoo!ニュース

「さらに空気抵抗は、速度に対して約2乗で増える。速度が2倍になったら、空気抵抗は約4倍に増える。3倍まで加速したら、約9倍に増加する。65km/hで走るのに40psが必要だとした場合、195km/hで走るには約360psが必要だということ。これは単純計算ではあるものの、空力特性の改善へ多額の予算が割かれることを納得させる物理の法則だ。」

 物理の法則を理解していない方が書いた記事です。

 速度の2乗で増えるのは空気抵抗(力(ちから))。
 出力=力×速度なので空気抵抗に対応する出力は速度の3乗に比例します。

 記事は誤りですし、平坦路時速65kmで40PSも必要な普通乗用車はありません。

 マツダロードスター(1.5リッター、モデルチェンジ前132PS)の65km/h時の空気抵抗出力を3.5PS、転がり抵抗出力を3PS程度としますと、最高速204km/時には各々108PS、9PS、計117PSになります。65 km/hの抵抗に相当する出力の18倍です。27倍にはなりません。


 なお、204km/hでのロードスターのエンジン回転数は5速で6600rpm程度で、この時の発揮可能出力は126PS程度です。

参考 (131PS仕様、頁名が技報でなく技法になっているのがマツダらしい)
マツダ技法32_150216 (mazda.com)



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1960年代のホンダF1・F2エンジンの正味平均有効圧

 前回紹介したホンダCB125SのRSCキット(1973)の最高出力20.8PS/12000rpm発揮時の正味平均有効圧は12.57kgf/cm2です。これは変速機出力軸での値ですので、変速機伝達効率0.95としてクランク軸に換算すると13.23kgf/cm2になります。
 
 同様に1960年台のF1エンジン、F2エンジンについても計算してみます。出力の出典は「ホンダエンジン開発史(四ストロークサイクルエンジンの基礎確立まで)」(八木静夫)です。備考は本頁末をご覧ください。

 270~272はクランクシャフト中央動力取出しで、RCレーサーと同様に動力が伝達されるのでクランクシャフトでの出力測定は困難なはず。このため動力伝達効率0.95で除した値も記載した。
 273~301もクランクシャフト中央動力取出しですが、変速機は別構造なので動力取出し軸で出力測定されていたと思われます。

 

 上表で分るように正味平均有効圧が年とともに増加していることが分ります。


備考

正味平均有効圧(bmep)は排気量当たりトルクと比例関係にあり、異なる排気量の性能比較の際に用いられます。関係式は次のとおり。

 出力PS=排気量(L)×bmep(kgf/cm2)×回転数(rpm)/900


k005:1.5リッターV12気筒エンジン製作前にテスト用に製作された250㏄V型2気
270~301:RA270~RA301
300:RA300のエンジンはRA273E
303:RA300Eとしても知られているF2エンジン
546:RA302Eとしても知られているF2エンジン
機種名が2段あるのは開発過程で出力向上したもの
★:原典では222だが、原典に記載された正味平均有効圧からすると220
▲:原典では9900だが、原典に記載された正味平均有効圧からすると9000

 

ホンダCB125S RSCレースキット

 1973年当時、ホンダの125㏄ロードモデルは2機種あり、単気筒:CB125S、2気筒:CB125JXです。このCB125Sのレース用キットがホンダRSCから発売されました。

 当時の雑誌記事では出力20.8PS/12000rpmとされていましたが、これは変速機出力軸の出力です。
 こちらはパーツリストに記載された性能表です。

 CS90・CB90レーサー RSC CB125Sレーサー性能表 (fc2.com)

 手書きで「TRANSMISSION - OUTPUT」と書かれています。

 日本語で書かれたパーツリストもあるようです。1分55秒から。



 125㏄単気筒で20.8PSですから500㏄4気筒で83.2PS、1967年の2RC181の出力とほぼ同じになります。
 しかも、2RC181はDOHC4バルブなのに、CB125S・RSCは市販車ベースのSOHC2バルブです。6年間の進歩があるにしても、これをどのように考えたらよいのでしょうか?

 
・・・・・・・・
1975年にモデルチェンジして、単気筒:CB125JX、2気筒:CB125Tになるので、ホンダのウェブサイトでも間違えることがあります。

1973年には、2ストロークエンジン主流の状況の中、4ストロークエンジンの公道用市販車CB125JXベースのマシンで角谷新二が全日本選手権125ccクラスのチャンピオンを獲得している。」
 Honda | 夢を背負ったマシンRS125Rの軌跡

ペットの亡骸は廃棄物?

死んだペットの引き取り「ごみ」扱いやめます…「処理券」から現金に、市「市民の心情に寄り添いたい」(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース


廃棄物の処理及び清掃に関する法律上は「一般廃棄物は市町村が処理」、「産業廃棄物は事業者自らが処理、都道府県はそのために必要な措置を講ずる」が原則です。

 ペット亡骸を市町村が回収するのはそれが一般廃棄物だからです。一般廃棄物でなければ市町村が回収する義理はありません。

 なお、ペット亡骸を宗教的な意味を持って取り扱う場合は廃棄物とみなさないという厚生省(現環境省)の通知があるため、ペット霊園における焼却については一般廃棄物処理業許可(法第7条)は不要だった記憶です。

 つまり、記事における住民の要望と市の対応は「ペット霊園に持ち込むより安い費用で処理したいけどゴミ扱いは止めてほしいという住民のために、市は「ごみ」と呼ぶのを止めるために少し手間をかけ、法律上はごみ(一般廃棄物)扱いして処理する」ということでしょう。これで済むならいいことかなと思います。
・・・・・・
廃棄物の処理及び清掃に関する法律第2条 この法律において「廃棄物」とは、ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(放射性物質及びこれによつて汚染された物を除く。)をいう。
 この法律において「一般廃棄物」とは、産業廃棄物以外の廃棄物をいう。

第4条 市町村は、その区域内における一般廃棄物の減量に関し住民の自主的な活動の促進を図り、及び一般廃棄物の適正な処理に必要な措置を講ずるよう努めるとともに、一般廃棄物の処理に関する事業の実施に当たつては、職員の資質の向上、施設の整備及び作業方法の改善を図る等その能率的な運営に努めなければならない。
 都道府県は、市町村に対し、前項の責務が十分に果たされるように必要な技術的援助を与えることに努めるとともに、当該都道府県の区域内における産業廃棄物の状況をはあくし、産業廃棄物の適正な処理が行なわれるように必要な措置を講ずることに努めなければならない。
第6条 市町村は、当該市町村の区域内の一般廃棄物の処理に関する計画を定めなければならない。
第6条の2 市町村は、一般廃棄物処理計画に従つて、その区域内における一般廃棄物を生活環境の保全上支障が生じないうちに収集し、これを運搬し、及び処分(~略~)しなければならない。

第11条 事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならない。

LPGが天然ガス?

EV・ハイブリッド車人気の陰で、「天然ガス自動車」がいまいち普及しないワケ(Merkmal) - Yahoo!ニュース

天然ガス自動車(NGV)を忘れてはならない。
NGVは、
・液化石油ガス(LPG)
・圧縮天然ガス(CNG)
などのガスを燃料としている。
 NGVの概要として、LPG車は主にタクシーや一部の商用車に使用され、CNG車はバスやトラックなどの大型車に使用されることが多くなっている。

 ライター氏さん、LNG(液化天然ガス)=LPG(液化石油ガス)という認識のようです。
 天然ガスの主成分はメタンですが、石油ガスにはプロパン主成分のものとブタン主成分のものがあります。
 ライター氏さんの知識レベルが分るので助かります。
・・・・・・・・・・・
 さて、「ガソリンやディーゼルよりもCO2排出量が少ないことだ」について考えます。

 元記事がネタにしていると思われる東邦ガスの記事
天然ガス自動車の環境性 | 天然ガス自動車 | 東邦ガス (tohogas.co.jp)

では次のように条件(赤字)付きで比較しています。

ガソリン車との比較
「現在、都市内を走行している天然ガス自動車をガソリン車と比較すると1~2割のCO2排出量削減効果があります」

ディーゼル車との比較
「大型トラック(車両総重量12t超クラス)の平成27年度燃費基準適合ディーゼル自動車と比較して、高速走行を主体とした使用方法により、概ね10%以上のCO2排出削減が可能な大型天然ガストラックが販売されています。」

 「都市内を走行」は、単に「天然ガス自動車は航続距離が短いので都市内走行用車が多い」という意味だと思いますが、「高速走行を主体~」は特別な意味があると考えます。

 ディーゼルエンジンはガソリンエンジンより圧縮比が高く熱効率が高いといわれますが、現在ではガソリンエンジンの圧縮比も高くなり、それぞれの最高熱効率の差はかなり小さくなりました。

 差が大きいのは部分負荷時、例えば60km/h以下でのんびり走るような条件です。このような条件では、ガソリンエンジンではスロットルバルブを絞ることにより吸入空気量を制限してトルクを抑制する(ポンプ損失大)のに対し、ディーゼルエンジンでは吸入空気量は制限せず(ポンプ損失小)燃料だけを絞ってトルクを抑制します。

 天然ガス自動車はガソリンエンジンと同様にスロットルバルブで吸入空気量を制限します。高速走行のようにエンジンに負荷を掛ける条件では、スロットルバルブを開けるためポンプ損失が少なくなり、ディーゼルエンジンに対抗できるのですが、市街地では天然ガス自動車のポンプ損失が大きくなり(熱効率低下)、燃料中の炭素分がディーゼル車の軽油より少ないとはいえ、CO2排出量がむしろディーゼル車より多くなってい可能性もあります。

 環境省がまとめた資料 LEV_chapter1.pdf (env.go.jp) 5頁では「CO2 排出量についても、ガソリン車より 2 ~ 3 割少なく」とあり、ディーゼル車との比較がないのはこのためだろうと推測します。

 また、東邦ガスが「高速走行を主体とした使用方法により、概ね10%以上のCO2排出削減が可能な大型天然ガストラックが販売されています。」としているのは、「高速走行
だけならCO2排出削減が可能です。大型天然ガストラックは後続距離が短いので、高速走行で長距離移動することはないけど」という意味でしょうか?

 ディーゼル車代替としての天然ガスバス、天然ガス配送車を見かけます。窒素酸化物、粒子状物質がディーゼル車より少ないメリットは大きいと思いますが、これらが高速で長距離移動することは珍しく、CO2削減効果については疑問があります。

 

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