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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

スズキT500が世界初の量産2ストローク500㏄2気筒か?

市販車最速180km/hオーバー! “タイタン”の異名を持つ『T500』は世界初の500cc/2スト2気筒エンジンのモンスターだった!【スズキのバイク今昔辞典 Vol.007/T500(1968年)】 - webオートバイ (autoby.jp)

 記事タイトルは「世界初の500cc2スト2気筒」ですが、本文では「量産」が加わっています。
 大排気量2ストロークといえばスコットが有名でマン島TTでも活躍しましたが、市販車・スコットSquirrel(486㏄)もありました。

The Scott Motorcycle Company - Wikipedia

 気軽に「世界初」という言葉は使わない方がいいと思います。

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電力(ワット)を理解しない記者

防衛省、レールガン開発に本腰 SF・アニメが現実に?(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

「レールガン発射に必要な電力は、日本の家庭約7000世帯の年間使用量にあたる約25メガワットと膨大で」

から

「数秒に1回の連射を想定した場合、発射の度に約25メガワットの電力が必要だとする海外の研究もあり」

に修正されています。

  修正前も修正後も意味不明です。ワットの意味を知らなくても新聞記者は務まります。今に始まったことではありませんが。

修正前について

 年間使用量をメガワット(電力、秒当たりの電気エネルギー量)で示しています。

 7000世帯の年間使用量を支える電力だとしてもおかしい。
 世帯当たりの年間電気エネルギー消費量は4322kWhです(2017年度)。
www.env.go.jp/earth/ondanka/kateico2tokei/2017/result3/detail1/index.html
 
 平均電力は
 4322/(24×365)=0.4934kWです。
 7000世帯では
 0.4934×7000/1000=3.45MW

 桁が違います。

修正後について
 
 こちらをお読みください。
レールガン - Wikipedi
「ズムウォルト級駆逐艦の~レールガンにもこの電力を供給し発射しようという計画である~15~30MW程度をレールガン発射に回せれば、毎分6 - 12発の連続射撃が可能だという。」
「計画では揚陸作戦支援に重量15kgの砲弾を初速2.5km/sで発射、高度152kmまで打ち上げて370km以上先の攻撃目標に終速1.7km/s(マッハ5)で着弾させる、このためには砲口での砲弾運動エネルギーは64MJ(メガジュール・入力する電力ではなく、砲弾のもつ運動エネルギーである)を必要としている。」

 要するに15~30MWはレールガンの連続発射中に供給される電力であって、「発射の度に」供給される電力ではありませんが、記者は「発射の度に」を「連続発射中」の意味に使っているのかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・
参考1
 連続発射中にレールガンシステムに(電気を貯めるコンデンサーバンクを通じて)供給すべき電力Eaは、システム効率Fs(砲弾運動エネルギー/システム供給電気エネルギー)、発射速度r(1分当りの発射数)として

Ea=r×mv^2/(120000000Fs)
m:砲弾質量(kg)
V:砲口初速(m/s)

Wikipediaの記事を例にとると
Fs:0.3、r:12として
Ea=12×15×2500^2/(120000000×0.3)=31MW

 Wikipedeaの記事に近くなりますね。というより、私は記事で紹介されたレールガンのシステム効率は0.3程度だということを言いたいのです。

 さて、発射時、レールを通過する間の平均電力Nrは

Nr=mV^3/(4000000LFr) (MW)
L:レール長(m)
Fr:レール効率(砲弾運動エネルギー/レール消費電力)

Wikipediaの記事を例にとると
L:5m、Fr:0.4として
Nr=15×2500^3/(4000000×5×0.4)=29300MW

 これが「発射の度に」という日本語に相当する電力ではないでしょうか。なお、レール長を長くすればNrは小さくなります。

参考2
 発射の際に消費する電気エネルギーは
 mv^2/(2000000Fr)=117MJ
          (0.0326MWh)
 砲弾質量15kgと仮定した上での計算ですが、修正後の記事は記者が電力を電気エネルギーの意味で使っているわけでもないようです。

参考3
 防衛装備庁が以前に公表した資料はこちら。
防衛装備庁技術シンポジウム2020 (mod.go.jp)

参考4
 Wikipediaの記事
「重量15kgの砲弾を初速2.5km/sで発射、高度152kmまで打ち上げて370km以上先の攻撃目標に終速1.7km/s(マッハ5)で着弾させる、このためには砲口での砲弾運動エネルギーは64MJ(メガジュール・入力する電力ではなく、砲弾のもつ運動エネルギーである)」

 の赤字部分ですが、計算すると

0.5×15×2500^2=46.8MJ

になります。64MJ、砲弾重量15kgですと、砲口初速は2920m/sです。






銀行の預金残高

楽天銀行、預金残高7兆円を超える (msn.com)

 つまり、楽天銀行は預金者から7兆円超を「借金」しているということですね。いつかは返さないといけないお金のはずです。私は楽天銀行と縁がありませんが、楽天銀行は国民1人あたり7万円借金しているということになります。


 誰かの借金は別の誰かの資産。国債は国の借金ではなく政府の借金で、私や銀行にとって国債は資産です。

オールドタイマー誌2022-2

 60~61頁に1960年代のスズキのGPレース活動の記事があります。

 61頁に、1963年マン島TTは伊藤光夫が50㏄で優勝し、その後に125㏄レースが行われたように書かれていますが、これは誤りで125㏄が先です。


 この頃、マン島TTは
月曜日 サイドカー、250
水曜日 125、350
金曜日 50、500
の順に行われるのが通例で、1963年も例外ではなく、6月10日(月)にサイドカーと250、6月12日(水)に125と350、6月14日(金)に50と500が行われました。

 なお、1967年は世界GPとは別にプロダクションレースも行われましたが、レース日はサイドカー、250の2日前の土曜日です。



 また、1962年型125㏄レーサーのRT62について「’62年のRT62(125㏄)はデグナーの影響もあり単気筒であったが~」
 とありますが、これも誤りです。

 スズキの中野広之氏によると
1962-世界選手権レ-ス 本文-2 (iom1960.com)

「1961年出場のRT61は「空冷2気筒・ロ-タリ-バルブ」エンジンであったが、トラブルだらけで、ベルギ-GPをもって参加を中止したが、後半戦出場を目指して、125cc単気筒エンジンの開発を進めていた~当時優勝を争っていた2サイクルの東ドイツのMZもEhrlich(エ-リッヒ)博士の設計によるEMCも単気筒ロ-タリ-バルブエンジンだったことにも影響された。単気筒エンジンは、1961年4月中旬から、概案設計にとりかかり、5月20日には、RT62Xエンジン(125cc単気筒56φ×50.5ロ-タリ-バルブ)として、出図、7月4日には試作エンジンが完成し、ベンチテストを開始した。RT62Xは、その後改良されてRT62Yとなり、これに新加入のDegnerの要望・意見を採り入れ、RT62となったのである。」とあります。


 そして、東京モーターショー(1961年10月25日~11月7日)にRT62(RT62XまたはRT62Y)が展示されたこと(下写真)が、中野氏の語るスケジュールを裏付けます。



 さて、デグナーがスウェーデンGPで亡命したのは9月17日です。そしてデグナーが来日したのは11月1日。
デグナ-の追想 (iom1960.com) 

 ライター氏はデグナーがどのようにしてスズキ125㏄レーサーの単気筒化に関与したというのでしょうか?
 亡命する前のデグナーがスズキ1962年型125㏄レーサーを単気筒にするようスズキに要望したとでもいうのでしょうか?








騒音測定(2)

 前回、お見せした1980年日本GPで3位入賞した水谷勝のヤマハTZ500の騒音測定(レース後)。

 測定者とメカニック(スロットルを操作してエンジン回転数を調整)以外に何人かいますし、車体右側に自動車まであります。反射音も測定してしまうので、測定には適していない条件です。

 ただ、騒音の測定値はdB(A)で示されますが、これは騒音エネルギーを常用対数表示したものに10を乗じたものです。
 110dB(A)は100dB(A)の10倍のエネルギー、110dB(A)は90dB(A)の100倍のエネルギーなのです。
 ですから、110dB(A)の騒音に90dB(A)の騒音が加わっても110.04dB(A)にしか、100dB(A)の騒音が加わっても110.4dB(A)にしかなりません。

 写真の測定条件で、基準110dB(A) に対して測定値が111dB(A)なら、車が周辺にない場所に移動し、車体周りの人数を絞って再測定した方がいいと思いますが、112dB(A)なら場所を移動し測定しても基準超過になるでしょう。再測定する価値は否定しませんが。

 ところで、測定値が110.8dB(A)なら基準超過になるのでしょうか?

 一般環境の騒音測定であれば、四捨五入して評価するので「超過」になります。
01_ippan_manual.pdf (env.go.jp)の3.8(2)
音測定結果の処理及び表記は、観測時間別 LAeqからエネルギー平均により基準時間帯騒音レベルを求める。処理の途中では、有効数字 3 桁、小数点 1 桁表示とし、最終的な基準時間帯騒音レベルを公表する場合などは、四捨五入した後、整数表示とする。また、基準値等と比較する場合は、整数化した騒音レベルを用いて行う。」

 ただ、レーシングマシンの騒音値は個々のマシンの規制値ですので、小数点以下を切り捨てて「基準適合」となるのかな。

参考 
JIS Z8401
2-d)
「~安全性の要求又は一定の制限を考慮しなければならないときは,例えば,常に一定方向へ丸めるほうがよいことがある。」

 FIM、MFJの規定がどうなっているかは知りません。




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