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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

JFRMCウェブサイトの移転

isweb無料HPサービス終了に伴い、サイトを次に移転しました。
http://jfrmc.ganriki.net/index.htm


移転作業途中でご迷惑をおかけしますがご容赦願います。
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1リッターSS

 10月15日発売の別冊モーターサイクリスト誌の追跡シリーズはヤマハYZF-R1(2009)でした。
 このバイクの燃費について、ヤマハの技術者の発言として「バランサーシャフトがあるので燃費の点では不利」というようなことが書かれています。

 実はこのクラスのバイクはバランサーシャフトを有する例が多いのですが、
YZF-R1:クランクシャフト同速回転バランサー×1本
他車:クランクシャフト2倍速回転バランサー×1~2本
です。

バランサーに関してどちらが燃費に不利なのでしょうか?発言したとされる技術者は車体設計の方だと思いますが・・・

クランクケース減圧と損失

MOTO-GPマシンのエンジン等で用いられるクランクケース減圧システムですが、
・ホンダRC211Vはオイルポンプ
・ヤマハYZR-M1は排気管負圧
により減圧しています(いました)。

RACERS Vol06(カワサキ特集)62頁では「MotoGPマシンではポンプを用いたり負圧を用いたりして強制的に減圧している。損失低減に積極的なZX-RRでは、ロスを減らすためのポンプによるロスを嫌い、排気負圧を用いた強制減圧システムを採用~」とありますので、ポンプを使用する方がロスが大きいと考えているようです。

 では排気負圧を利用する減圧システムではロスがないのでしょうか。連続的に減圧するからには何らかのエネルギーが必要です。当然のことながらこの減圧システムでは排気管の流速を下げる(エネルギー低下)ことになり(排気抵抗を増やしたのと同じ)、排気管だけみれば出力低下のシステムです。もちろん、ポンピングロス低減によりトータルではプラスになります。

 まあ、「エネルギー保存の法則」ですね。勝手に何のロスもなしに減圧できるのであれば苦労はしないでしょう。

RACERS Vol06(2)

 昨日の続きです。
 KR500の点火サイクルについて、

・18頁では、「1番と4番、2番と3番が180度ごとに同時に燃焼している」(対角線上の気筒が同時点火で各組の点火間隔は180度)
・22頁では、「~スクエア4で、前後気筒同士で同爆だったから、KR250のタンデムツインを左右から2個合わせたようなものだった。」

 と、二つの記述が食い違っていますが、これはライターが各々の頁で異なるからです。私は次の理由から前者だと考えています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
A:前後クランクシャフト間距離
B:前クランクシャフト-点火パルサーシャフト間距離
C:後クランクシャフト-点火パルサーシャフト間距離
とします。ジャックシャフト(プライマリーシャフト)左端に点火パルサーがあり、クランクシャフトと同速回転しており、クランクシャフトギアとジャックシャフトギアが同径なので、

対角線上同時点火なら、A>B=C
前後同時点火なら、A=B<CまたはA=C<B
になるはずです。写真で見ると前者に見えます。

 なお、39頁の写真で、点火コイルは2プラグ用一体型で、点火コードが前後気筒に向かっていることが分ります。したがって、RZ250/350と同様に、上死点前だけではなく下死点前でも発火することになります。

RACERS Vol06

  標題のもの、発売されました。今回はカワサキ特集で、特にX-09の開発史が白眉といっていいでしょう。他にも私が見たことのない写真も少なくなく、嬉しい内容です。ただ、KR500、X-09、ZX-RRとごちゃ混ぜに取り上げているので、まとまりがないというか、掘り下げが足りないというか、そんな感じがします。また、間違った記述があるのはいつもどおりですが、今日は一つだけ指摘しておきます。

 48頁に82年型KR500の燃料タンクが、通常のタンクとフレーム内タンクの2つがあったことについて「ただし、これは「燃料は単一の構造体に入れる」というレギュレーションに違反していた可能性が高い。ライバルメーカーは知っていたか、知らなかったか。もし'82シーズン、コーク+KR500が表彰台に登っていたら、レース後の再車検で指摘・問題になっていたかもしれない、いまだから語れるエピソードだ。」とあります。

 1982年型のKR500がレギュレーション違反だったとの”ご指摘”ですが、燃料タンクが1つでなければならないというレギュレーションは1983年からのものです。だからこそ1983年のヤマハ0W70が当初、フレーム内燃料タンク+通常の燃料タンクで製作され、レギュレーション変更によりフレーム内燃料タンクは使用されなかったのです。また、1974~1977年当時、ベルギーGP等、高速(エンジン高負荷時間が長い)で長距離のレースでは、シート内に補助燃料タンクを設けたレーサーもありました。

 RACERS Vol02で、0W70のフレーム内燃料タンクに触れられているのに、なぜこんなおかしな記述がされるのか不思議です。「カワサキはこんなもの」というライターの意識のせいかもしれませんね。

 ところで、レース後の再車検は上位3位だけなのでしょうか?

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