レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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例えば、炭素原子と水素原子からなる石油燃料を燃焼させると、
石油燃料 + 酸素→二酸化炭素 + 水 + 熱エネルギー
になります。この「水」は燃焼した直後は気体ですが、常温に戻ると液体になり、液体になる時に凝縮熱が生じます。
この凝縮熱を含めたのが高位発熱量、凝縮熱を除外したのが低位発熱量です。
内燃機関の燃焼計算では、燃焼室、(ガスタービンの)タービン部の温度が高く凝縮熱は利用できないので、低位発熱量で燃焼計算を行います。
一方、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律(省エネ法)、地球温暖化対策推進法では高位発熱量が用いられます。その理由は知りませんが、凝縮熱を利用する施設が存在すること、燃焼による地球環境の直接加熱を考慮したものでしょうか?
さて、大気汚染防止法に基づくばい煙発生施設の設置届出書では燃料の発熱量を記載することになっています。この発熱量が高位なのか低位なのか届出様式に示されていませんが、東京都は高位発熱量を記載することとしています。
https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/documents/d/kankyo/air-soot_smoke_notification-files-ex_air_form1_2021-4
大気汚染防止法第1条の法目的中、ばい煙発生施設設置届に直接関係する内容は次のとおりです。
「この法律は、工場及び事業場における~に伴うばい煙の排出等を規制し~こと等により、大気の汚染に関し、国民の健康を保護するとともに生活環境を保全し~を目的とする。」
この目的を達成するため、ばい煙発生施設の排ガス排出基準が定められ、排出基準遵守を担保する手段の一つとしてばい煙発生施設設置届制度が設けられています。
法の目的からすれば、この届出書における発熱量の記載は、届出書に記載された当該施設の排出ガス温度、ばい煙の濃度(ばいじん、硫黄酸化物等々)の数字が適切なものかどうかをと自治体が判断するのに必要なものでなくてはなりません。しかし、高位発熱量で排ガス計算をどのようにして行うのでしょう?
東京都はなぜ高位発熱量を記載するよう求めているのでしょうか?
「地球温暖化対策推進法が高位発熱量だから大気汚染防止法も高位発熱量で」
「環境省が高位発熱量で記載するように言っているので高位発熱量で」
あたりでしょうか?
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