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KR250/KR350のスイングアーム(3)
Category [カワサキ]
Comment [0]
2021/06/27 16:47
現存するマシンについて書く予定にしていますが、その前に現存するマシンに時々見られる三角スイングアーム、加えて1982年型スイングアームについて書きます。
RACERS Volume 42では71頁の三角スイングアームのKR250について「'83年向けの先行開発型。~スイングアーム右側の補強追加、マグネシウム削出しのリンク(ベルクランク)など、足回りのパーツが’82年仕様とは明らかに異なる」、「’82年からはアルミ製の三角スイングアームを採用。’83年先行開発型はマグ製ベルクランク」(72頁)としています。
また、61頁のマングのゼッケン304KR250の写真に「1982 Daytona」とあります。そして81頁の同じゼッケン304KR250の写真について「’82年型では上部がベルクランクに接合するアルミ製三角スイングアームを採用。♯340はマンクのデイトナ車で~」と書かれています。
しかし、私は
こちら(リンク)
で、1980年後半にバリントンのKR250用の三角スイングアームが姿を見せていたこと。そして
こちら(リンク)
で、1981年のピエルルイジ・コンフォルティのKR250のスイングアームに三角のものがあることを書きました。
つまり、三角スイングアーム=1982年型ではないのです。
しかも、
RACERSで1982年デイトナとされた写真は、1982年ではなく1981年のものです。
1982年のデイトナにマングは出場していません。ライダースクラブ誌1982-5にそのことが書かれています。
こちらの1982年デイトナの記事にもマングの名前はありません。
Daytona’s 20th Annual International Lightweight Road Race – Rider Files (wordpress.com)
また、1981-82年のKR250/KR350の写真を確認した限りでは
1981年
世界GP以外で、マング(デイトナ)、コンフォルティのマシンで三角スイングアームを確認できる。
1982年
三角スイングアームのマシンを確認できない。
です。
RACERSのライター氏が「1982年型は三角スイングアーム」とした根拠を知りたいところです。まさか、1982年世界GPの写真を確認せず(1981年撮影のものを1982年と勘違いした)デイトナの写真だけを見て、「1982年世界GP第1戦の前のデイトナで三角スイングアームだったから1982年型は三角スイングアームと判断」ではないと思いますが・・・
さて、1982年、三角スイングアームではなく、1981年までのものに似ている新型スイングアームがマング、バルデのマシンによく用いられました。
こちらは現存する601F7821のスイングアーム(旧型)。
これは1982年のバルデの新型スイングアーム。
左後端 右後端
偏心シャフトを締め付けるボルトが2→1本になっていますし、横から見た後端形状も旧型と少し異なります。
もちろん、これだけではなく(例えば)スイングアーム板厚、内部構造も異なる可能性があります。
1982年に新型スイングアームを使用したのはマング、バルデで、限られた写真からすると、他のKR250/KR350ライダーのうちJean-Louis Guignabodet、ヘルバート・ハウフは旧型を使用しました。コンフォルティはどちらを使用したのか写真では分りませんが、おそらく旧型でしょう。
私は次のストーリーではないかと推察します。
1 1980年シーズン後半に三角スイングアームをGPの現場でテストしたがバリントンの評価は低かった。
2 1981年、同じタイプ(あるいは若干の改良を加えた)三角スイングアームのKR250をマングのチームに貸与し、マングが1981年世界GP前のデイトナで使用したが、マングの評価は低く世界GPでは用いなかった。
3 コンフォルティのチームにも貸与されたが、コンフォルティは旧型スイングアームを使用した。コンフォルティは世界GPではイタリア、サンマリノ以外には出場しなかったようだ。
4 三角スイングーアームはこの時点で事実上お蔵入りになった。
5 1982年に(旧型に外見が似た)新型スイングアームがマング、バルデのチームに提供された(フレームも新型の可能性はある)。
もちろん、このストーリーは、1982年シーズン中に三角スイングアームがマング、バルデのマシンに装着された写真がないことが前提です。
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