レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
これはジャン・フランソワ・バルデの1982年型KR250エンジンで、スタッド前後ピッチ比が1.8程度になりました。
シリンダーの鋳込み文字は「124.6CC」に変わりました。
RACERS Volume 42 の86~88、92頁掲載のエンジン単体は、スタッド前後ピッチが1.8程度であること、下写真の1982年型のアッパークランクケースと同様に後シリンダー装着部後方の4つのリブが等間隔に並んでいること、シリンダーの鋳込み1文字が「124.6CC」であることから1982年型と分ります。
このエンジン単体のシリンダーについて、記事では「シリンダーのFの文字も後期のものである(シリンダーの仕様はA~Fまでは順番通り、その後M/R/Sと進む)」とあります。
その写真では、前シリンダー/シリンダーヘッドに「F」、後シリンダーヘッドに「R」とマジックペンらしきもので書かれています。前回、紹介した下の1981年型エンジンでは後シリンダーに「R」と書かれています。このF/Rはfront/rearの略で、シリンダー等を前後を別々に管理するためのものです。他メーカー車でも、シリンダー等に気筒番号・記号が記入される例は珍しくありません。
RACERS 86頁のエンジン単体のシリンダーを観察すると前:M-5、後:M-2と刻まれており、これが仕様を表しています。
一方、88頁のシリンダー単体は、スタッドボルトが通る孔の位置が下写真の1982年型よりシリンダー中心に近く、シリンダーの鋳込文字が「125CC」なので、1980または1981年型と分ります。
鋳込み数字の前(写真向かって左)に「?-2」と刻まれています。?は「E」のようにも見えます。
(続く)