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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ヤマハ0W54(1981年型YZR500)(7)(写真追加)

 これはシーズン前公表写真のキャブレター部を拡大したもの。フラットバルブです。


 これはバリー・シーンの0W54のもの。ピストンバルブです。


 第9戦イギリスのプラクティスでの高井の0W54、ドニントンパークでのテスト(第9戦の前)時のロバーツの0W54のストリップでもピストンバルブ・キャブレターです。

 走行中にフェアリングの端からキャブレター上端が見える写真がありますが、ピストンバルブのみ確認できます。ただ、ピストンバルブなら頂部の樹脂製の部品ははっきり認識できますが、フラットバルブタイプの頂部は確認しにくいので、フラットバルブタイプが実戦(プラクティスを含む)で用いられなかったかどうかはわかりません。

 さて、上の写真ですが、フロート室部に「4」と書かれています。このキャブレターは左後気筒のもの、つまり、気筒番号は「3」なので、取付気筒を示しているわけではありません。よく見ると「4」の前に微かに「3」が見えます。ベンチュリー径34mm、つまり、このキャブレターがミクニVM34であることを示しています。わざわざ書いてあるのは、他の径のキャブレターと区別するためです。ヤマハの500㏄4気筒のキャブレターは34mmがよく用いられましたが、遅くとも79年から36mm等、他の径も用いられるようになりました。
  なお、市販レーサーTZ500は、80、81年型がVM34で、82年型(最終型)でVM36になりました。


 さて、これはイギリスGPプラクティス時の高井の0W54のクラッチ。
 
 クラッチカバーがシーズン前公表写真(下)のものと同じ形です。



 これはシーンの0W54のもの(レース名不明)。クラッチカバー形状、クラッチカバー材質(マグネシウム合金→アルミ合金)が異なります。


 ロバーツ、高井、金谷のマシンは変速機シフトレバーが左にありますが、シーンのマシンは右です。シーン用に右シフトにするために右クランクケースカバーに追加工し(あるいは新たに右クランクケースカバーを製作し)、シフトシャフトを右側に突き出させ、シフトリンクを装着したために、当初のクラッチカバーが付かなくなったのではないか・・・と想像します。

 シーズン終盤、イギリスGP以降、シーンの0W54のフェアリング前ゼッケン部に通風口が設けられます。「7」の数字の下両側の2か所の長方形部分ですが、穴がテープで塞がれているようです。


 その裏側のメーター下にサブラジエーターが設けられています。


 イギリスGP前、ドニントンでのヤマハのテストセッションでシーンのマシンでテストされ、イギリスGPで姿を見せました。このサブラジエーター、ロバーツ、高井のマシンでは確認できません。
(続く)

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