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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

リッターあたり出力

 ホンダNR750(市販車)の開発について、元ホンダの山中勲氏は著書(ホンダ・フラッグシップバイク開発物語)の中で

「このマシンはレースに勝つために考案され、熟成されてきたエンジンをベースとして~」
「750㏄の排気量でありながら若干の改造をすれば160psを発揮することはテストにより確認していた。エンジンの性能の高さを表現する方法として、リッターあたり出力で評価することがある。市販車エンジンにおける当時の実力としてはリッターあたり150psが限界と考えられていた。この計算を行うとNRは160ps/0.75=213ps/lとなり、当時の限界を1.4倍も超えていたことになるのだから、いかに構造的に優れていることがわかる」

 「限界を1.4倍も超えていた」ら、その値は限界の2.4倍になるのでは? 「限界の1.4倍に達していた」か「限界の1.4倍を超えていた」(213/150=1.42で1.4を超えているため)の方がよいと思います。

 さて、
出力=回転数×トルクですが、回転数限界は気筒あたり排気量に大きく左右されます。レーシングエンジンで高出力を得るために多気筒化(気筒あたり排気量減少)が検討されるのはこのためです。


 ですから、複数のエンジンの性能を比較するのに、気筒あたり排気量を揃えずにリッター当たり出力を比較しても無意味です。当時の4ストローク250㏄4気筒の市販車は4メーカーとも45ps(自主規制値)だった記憶ですが、このリッターあたり出力は180psですので、山中氏の評価方法では「NR750より構造的に優れている」ことになります。


 









 

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