すでに多くの媒体で報道されたとおり、MOTO-GPレース中の事故でマルコ・シモンチェリ(シモンセリ)選手が死去しました。
http://www.motogp.com/ja/news/2011/malaysia+sepang+motogp+simoncelli+succumbs+to+injuries
今回の事故はMOTO-GPのパワーとは直接の関係はなく、二輪ロードレースの宿命ともいうべき事故のようです。二輪のレースの勝者は、その危険性がその束の間の栄光をより際立たせる面があるのは否めないと思いますが、実際に死亡事故が起きたことは残念です。
シモンチェリ選手のご冥福をお祈りいたします。
遅くなりましたが、タイトルの内容です。
今回のカワサキKR1000の記事ですが非常に興味深いものになっています。以前、バイカーズステーション誌にカワサキ側のインタビュー記事がありましたが、今回はフランス側への取材により、初めて知る事実、写真が少なくありません。
例によって、少し気になる記事を。
1 80頁に「'80シーズンに向けて、パフォーマンスでは4バルブヘッドも試作していた」として写真が掲載されており、さらに「四角形のマニホールドにシャッター状のスライドバルブが組み込まれた~測定機器の一部なのか、あるいは燃料噴射の可能性を探っていたのか・・・・」とあります。
さて、次は1978年の初めのモトライダー誌面に掲載された写真です(雑誌をスクラップ編集したので、詳細の月号は不明ですが、おそらく4月号)
4バルブヘッドで、燃料噴射(ボッシュ)とあります。燃料噴射についてのセルジュ・ロッセ(原文のまま)のコメントもあります。そんなわけで、RACERSの4バルブの写真は1978年シーズン向けのものではないかと思います。
そもそも
・2→4バルブヘッドにシリンダーヘッドを変更
・キャブレター→燃料噴射
は、1980年のTT-F1レギュレーションに引っかかり、世界耐久選手権には出場できません。4バルブヘッド+燃料噴射を開発するのは1979年シーズン以前でなければ無意味なのです。
2 86頁にば「バルブの挟み角は30°を3.8°に拡大するなど微妙に変更~」とありますが、明らかに間違いですね。また、この「30°」は(これが正しいとするならば)吸気バルブのみの角度(倒れ角)でしょう。
http://jfrmc.tou3.com/Entry/108/
で予告したように、公開公正にタイトルの頁を追加しました。
http://jfrmc.ganriki.net/zakkan/kousei/ywgp/ywgp50.htm
当初はヤマハで誤りの修正もされていましたが、最近は修正されることもなく、ヤマハとしてはこの記事で「確定」ということのようですので、公開公正に載せました。
一言一句について手元資料と照らし合わせるようなことはしていません。読んでいて、「明らかに間違っている」、「あれ? こんな数字だったかな」と気が付いた箇所について書きましたので、さらにチェックすれば間違いはさらに増えるでしょう。
「初の戴冠」といった類の仰々しい言葉をあちこちで使っていることからすると、記事を外部に委託したようですが、これが誤りが多い理由でしょうか。あるいはこれまでも外部に委託していたが、委託先の以前の担当者が退職したのか。
いずれにぜよ、私が公開公正したところで、ヤマハの記事が修正されるとも思いませんが、公開公正を読んだ方がヤマハの記事を読まれる時に参考にしていただければ幸いです。
下の記事に書き込みいただいたkenmatsuさんのブログを覗きますと、1985年当時、SHISEIDO側におられた方のようですね。
http://ameblo.jp/kenmatsu-fs/theme3-10036114754.html#main
興味深い記事がありますので、ご覧になってください。