2017.2.20、SI単位での計算等についてこちらに加筆しました。
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「正味平均有効圧」という単語をバイク雑誌で稀にしか見ません。これは往復動機関についての基本的な概念です。 英語では「brake mean effective pressure」、略してbmep、BMEPといいます。
力×距離=仕事で、時間当たりの仕事量が出力です。
ピストンにかかる力は、ガス圧×ピストン面積で、ピストンの動く長さはストローク(行程)です。
したがって、ピストンがする仕事は
ガス圧×ピストン面積×行程=ガス圧×排気量
になります。このガス圧は「圧縮行程」(マイナスの仕事をする)を考慮した平均です。4ストロークエンジンの
場合、2回転に1回しか仕事をしませんので、1秒あたりの仕事の回数はrpm/(60×2)、1馬力は75kgf・m/sですから、馬力は単位を揃えて
馬力=平均圧力(kgf/cm2)×ピストン面積(cm2)×(行程cm/100)×rpm/(60×2×75)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(cm3)×rpm/900000
(排気量をリットルにすると)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(リットル)×rpm/900
bmepは実測した出力からこの式により逆算したもので、例えば150PS、1リットル、10000rpmですと、BMEPは13.5kgf/cm2になります。
なお、上の式から分るようにbmepは「排気量あたりのトルク」と比例関係にあります。
さて、以下のサイトで、レーサー等のbmepについても触れています。
http://www.sigmaperformance.com/vee5wars.html
表中のBMEPの単位がpsiになっていますが、この数字ですとkgf/cm2の間違いです。psiは「pound square inch」(平方インチあたりポンド)で、kgf/cm2の14.2倍の数字になります。つまり、13.5kgf/cm2は192psiに相当します。
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3月にスペンサーのバイクが下のように売りに出ていることを書きました。
http://rmdmotors.com/freddie-spencers-ns500-nsr250/
海外の友人からのメールでは、お値段は2台で5000万円では足らないようです。これまで売りに出ていた88YZR500等のお値段からするとちょっと(というよりかなり)高いように思います。しかし、スペンサー自身のバイク、というヒストリーがあるのであれば売れるかもしれませんね。
私としては、やはりホンダの手に戻ることを願っています。
ホンダのものと思われるV型5気筒エンジン+フレームが海外で売りに出されています。
http://www.motorbase.com/classifieds/viewad.ehtml?a=2101922409;page=9;pager=1
フレームは2004年頃のRC211Vに似ていますが、エンジンは2001~2006のいずれのRC211Vとは異なります。ホンダがV型5気筒一般市販車を試作しているという噂がありましたが、外観の幾つかの特徴からそのマシンのような気がしますが・・・仮にそうだとしたら、そんなマシンがなぜ海外に流出しているのか・・・
海外の友人からのメールではエンジン番号は
3桁(アルファベットと数字)E+4桁(数字)
で、フレーム番号ではEがFに変わります。
浜松市美術館で開催された「オートバイデザインの半世紀」特別展でスズキRS67-Ⅱが展示されていたのをご覧になった方も多いと思います。このような催しが開催されたり、浜松駅構内にバイクが展示されているのが「浜松市」だと感じさせますね。
さて、このバイクですが、暗い展示室に置かれていたので、細かいところが分りにくかったのですが、どうも
・フレームはS7-2-1
・エンジンはS8-2ではない
つまり私が見たことのあるS8-2/S7-2-1からエンジンが積み替えられているようです。
そんなわけで
http://noda-kenichi.hp.infoseek.co.jp/rs67/rs67-2.htm
にも、エンジンが積み替えられた可能性について加筆しました。
「1歩歩いて時速4mなら1分に10歩で時速40km」
「重さ100kgfの車が1時間駐車すれば10PS(馬力)」
こんな文章を読まれたら、どんな感想を持たれますか?こんな文章を書く人に間違いを指摘するにはどうしたらよいでしょうか?実のところ私にそんな能力はありません。
上の文章は私が考えたものですが、似たような文章をライダースクラブ今月号81頁で読みました。
「4サイクルエンジンを2回転で0.02psとすると、1分で100回転すれば1ps」
「馬力は同じトルクを単位時間にどれだけ発揮するか」
この文を書いたのは「ネモケン」氏ということですが、氏は「馬力とは何か」以前に「単位時間にどれだけ」の意味すら理解していません。当然のことながら、ニュートンの第2法則(F=ma)も理解していないでしょう。
とはいっても、馬力が何かを理解しているのは一般人の1割もいないでしょうから、バイク雑誌ライターが馬力を理解していないのは当然かもしれません。ただ、このように「イケてるライダー養成講座」と銘打って講釈されると粗が目立ってしまいます。
バイク雑誌の状況は末期的とすら言われていますから、こんな記事を読むメーカー技術者もいないと思いますが、かつて、ライダースクラブ誌全盛時代に「ライディングテクノロジーなどと称してライディングを「解説」するのであれば基本的な物理の法則ぐらいは理解しておけ」と思っていたメーカー技術者も多かっただろうなあと思います。
この記事に使い道があるとしたら、高校の物理の授業に提供して間違い探しをさせるくらいでしょうか。力、速度、加速度、仕事、出力をちゃんと理解していれば間違いはすぐわかるはずです。