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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

最高出力の相対比較

レーシングエンジン出力の相対比較 (ganriki.net)

を公開しました。


 F-1では1957年以前はメタノール等の燃料が使用されており、1958年以降に石油系燃料になりました。1960年代のエンジンと比較できないため、ベンツの1機種のみ参考として取り上げました。

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1960年代のホンダRCレーサーの出力

『マン島TTレース初出場』。 若者たちは、力いっぱい世界にチャレンジした / 1959 | 限りない夢、あふれる情熱 | Honda公式サイト (global.honda)

では

RC142 17.4PS、RC141 15.3PS、モンディアル(1956) 16.5PS

とあります。他の文献ではRC142 17.3PSとされています。

 
 排気量と回転数 (ganriki.net) で書いたように「回転数限界は近似的に気筒当たり排気量の1/3乗に反比例する」し、出力も同様に「近似的に気筒当たり排気量の1/3乗に反比例する」します。ですから、RC142の出力がモンディアルを上回っていても16.5×(2の0.333乗)=20.8PSよりかなり低く、1959年時点では換算出力レベルはモンディアルより低いものでした。

 1960年代のホンダRCレーサーについて、同様に上の関係式等々から250㏄4気筒相当出力を計算して年ごとにまとめてみました。

 
 検討途中なので機種名等は記入していませんが、RCレーサーについて詳しい人ならイメージがつかめると思います。なお、モンディアル125単気筒は41.8PSになります。
 
 多気筒化による様々な困難は無視した上での比較であることを忘れないでいただきたいのですが、ホンダRCの換算出力レベルがモンディアルの換算出力を上回ったのは1962年頃です。



空気抵抗と出力


「速度の2乗」で増える空気抵抗 アリエル・アトム 4 効果絶大のスクリーン トンネルでテスト(AUTOCAR JAPAN) - Yahoo!ニュース

「さらに空気抵抗は、速度に対して約2乗で増える。速度が2倍になったら、空気抵抗は約4倍に増える。3倍まで加速したら、約9倍に増加する。65km/hで走るのに40psが必要だとした場合、195km/hで走るには約360psが必要だということ。これは単純計算ではあるものの、空力特性の改善へ多額の予算が割かれることを納得させる物理の法則だ。」

 物理の法則を理解していない方が書いた記事です。

 速度の2乗で増えるのは空気抵抗(力(ちから))。
 出力=力×速度なので空気抵抗に対応する出力は速度の3乗に比例します。

 記事は誤りですし、平坦路時速65kmで40PSも必要な普通乗用車はありません。

 マツダロードスター(1.5リッター、モデルチェンジ前132PS)の65km/h時の空気抵抗出力を3.5PS、転がり抵抗出力を3PS程度としますと、最高速204km/時には各々108PS、9PS、計117PSになります。65 km/hの抵抗に相当する出力の18倍です。27倍にはなりません。


 なお、204km/hでのロードスターのエンジン回転数は5速で6600rpm程度で、この時の発揮可能出力は126PS程度です。

参考 (131PS仕様、頁名が技報でなく技法になっているのがマツダらしい)
マツダ技法32_150216 (mazda.com)



1960年代のホンダF1・F2エンジンの正味平均有効圧

 前回紹介したホンダCB125SのRSCキット(1973)の最高出力20.8PS/12000rpm発揮時の正味平均有効圧は12.57kgf/cm2です。これは変速機出力軸での値ですので、変速機伝達効率0.95としてクランク軸に換算すると13.23kgf/cm2になります。
 
 同様に1960年台のF1エンジン、F2エンジンについても計算してみます。出力の出典は「ホンダエンジン開発史(四ストロークサイクルエンジンの基礎確立まで)」(八木静夫)です。備考は本頁末をご覧ください。

 270~272はクランクシャフト中央動力取出しで、RCレーサーと同様に動力が伝達されるのでクランクシャフトでの出力測定は困難なはず。このため動力伝達効率0.95で除した値も記載した。
 273~301もクランクシャフト中央動力取出しですが、変速機は別構造なので動力取出し軸で出力測定されていたと思われます。

 

 上表で分るように正味平均有効圧が年とともに増加していることが分ります。


備考

正味平均有効圧(bmep)は排気量当たりトルクと比例関係にあり、異なる排気量の性能比較の際に用いられます。関係式は次のとおり。

 出力PS=排気量(L)×bmep(kgf/cm2)×回転数(rpm)/900


k005:1.5リッターV12気筒エンジン製作前にテスト用に製作された250㏄V型2気
270~301:RA270~RA301
300:RA300のエンジンはRA273E
303:RA300Eとしても知られているF2エンジン
546:RA302Eとしても知られているF2エンジン
機種名が2段あるのは開発過程で出力向上したもの
★:原典では222だが、原典に記載された正味平均有効圧からすると220
▲:原典では9900だが、原典に記載された正味平均有効圧からすると9000

 

ホンダCB125S RSCレースキット

 1973年当時、ホンダの125㏄ロードモデルは2機種あり、単気筒:CB125S、2気筒:CB125JXです。このCB125Sのレース用キットがホンダRSCから発売されました。

 当時の雑誌記事では出力20.8PS/12000rpmとされていましたが、これは変速機出力軸の出力です。
 こちらはパーツリストに記載された性能表です。

 CS90・CB90レーサー RSC CB125Sレーサー性能表 (fc2.com)

 手書きで「TRANSMISSION - OUTPUT」と書かれています。

 日本語で書かれたパーツリストもあるようです。1分55秒から。



 125㏄単気筒で20.8PSですから500㏄4気筒で83.2PS、1967年の2RC181の出力とほぼ同じになります。
 しかも、2RC181はDOHC4バルブなのに、CB125S・RSCは市販車ベースのSOHC2バルブです。6年間の進歩があるにしても、これをどのように考えたらよいのでしょうか?

 
・・・・・・・・
1975年にモデルチェンジして、単気筒:CB125JX、2気筒:CB125Tになるので、ホンダのウェブサイトでも間違えることがあります。

1973年には、2ストロークエンジン主流の状況の中、4ストロークエンジンの公道用市販車CB125JXベースのマシンで角谷新二が全日本選手権125ccクラスのチャンピオンを獲得している。」
 Honda | 夢を背負ったマシンRS125Rの軌跡

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