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民法の規定

サミットで対応強化の放置自転車、広島市が不適切撤去 民法の規定、理解不十分(中国新聞デジタル) - Yahoo!ニュース

 記事も分りにくいですし、コメント欄の方も理解されていないようですが、この民法の規定とは

(期間の計算の通則)
第138条 期間の計算方法は、法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除き、この章の規定に従う。
(期間の起算)
第139条 時間によって期間を定めたときは、その期間は、即時から起算する。
第140条 日、週、月又は年によって期間を定めたときは、期間の初日は、算入しない。ただし、その期間が午前零時から始まるときは、この限りでない。
(期間の満了)
第141条 前条の場合には、期間は、その末日の終了をもって満了する。

でしょう。記事
「通常7日の猶予期間を1日に短縮。民法の規定では警告当日は起算日にならず、翌日を起算日にして1日後に撤去すべきだったが、担当者が法を理解していなかったという。」

の下線部は民法第140条のことです。

 疑問なのは、「1日後に撤去すべきだった」です。

 例えば今日(6月1日)に警告文を自転車に貼り付けたなら、(新聞記事からすると)2日を起算日として猶予期間は「3日まで」になります。

 ところが、民法141条からすると、「3日まで」は「3日が終了するまで」、つまり「3日24時まで」です。ですから広島市が放置自転車を撤去できるのは3日ではなく4日0時からになります。記事の広島市の見解どおりに3日に広島市が撤去すれば条例違反ではないでしょうか?

 ただ、起算日だけをとってみても、広島市が法令の適用を誤ったのは事実です。契約にしろ法令による規制にしろ「期限」は特に重要な要素です。件の記事のコメント欄には「民法が甘すぎる」という的外れな意見も散見されますが、民法に放置自転車に関する規定があるのではなく、生活における様々な行為に関し、人によって期間の考え方が異なっては困るので民法で規定しているだけのことです。

 我が国は法治国家なのに、法令に基づき何かをしようとする国・自治体が民法のこれらの規定を知らないのは困りものです。警告の翌日に放置自転車を撤去したいのなら、後述の「市長が定める期間」を、1日間ではなく「24時間」と規定すればよいのです。

 逆に言うなら、民法の規定を知らずに法令、法令に基づく規則を定めてはならないのです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「警告」は広島市自転車等の放置の防止に関する条例第11条第1項に基づくもので、「7日間」は広島市自転車等の放置の防止に関する条例施行規則の

(自転車等の放置に対する警告等)
第4条 条例第11条第1項の警告は、口頭又は所定の警告札を自転車等に取り付けることにより行うものとする。
2 条例第11条第2項の相当の期間は、7日間とする。ただし、特別の理由があると認められるときは、市長が定める期間とする。

です。記事の「1日間」は「ただし~市長が定める期間」でしょう。

 

 
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