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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

プレミアム(ハイオク)ガソリンは燃えにくい?

以下はガソリンについての素人の意見です。ご留意ください。
・・・・・・・
「ハイオクガソリンは燃えにくいからオクタン価が高い」のような意見がよく見られます。


 「燃えにくい」は文学的表現であって科学的な表現でありません。計測できるものではないからです。軽油はガソリンより着火点(発火点)が低いのですが、「ガソリンは軽油より燃えにくい」ですか?

 着火点に注目すると、エネオスはレギュラーガソリン、プレミアム(ハイオク)ガソリンの着火点を約300℃としています。
燃料油|SDS(MSDS)|ENEOS (eneos.co.jp)

 一方、石油学会では

 
公益社団法人石油学会|石油豆知識[燃料] (sekiyu-gakkai.or.jp)


「高オクタン価とは,燃料が高温下でしばしの忍耐の後,ジワリと力強く燃えることで,着火温度が高い程オクタン価が高い。 一例を示すと,リサーチ法オクタン価が120以上のトルエンの自然着火温度は552℃, イソオクタン434℃,ノルマルヘプタン230℃である*。」とあります。


 私の理解は

〇仮に着火点が同じ2物質であっても、着火遅れは物質によって異なる。

〇着火温度は圧力の影響を大きく受けるし、物質によってその影響は異なる。
〇着火点以上の温度において、着火遅れは温度によって変化するし、その影響も物質によって異なる。
〇圧力も着火遅れに影響するし、その影響も物質によって異なる。
〇実際の運転条件では温度、圧力は刻々と変化するし、その変化速度が着火点、着火遅れに与える影響も物質によって異なる。
〇「着火温度が高い程オクタン価が高い」と単純に書くことは誤りに等しいと思う。

 ところで、エンジン内部、EGRに堆積するデポジットについては、芳香族成分に由来するものが多いのですが、これは芳香族分の極性に起因し、その量には炭素数も影響するようです。

EGRについて
22-doc-paper-11-ja.pdf (denso.com)

エンジン内部について

en (jst.go.jp)


 もちろん、これは芳香族成分の特性ということであって、「オクタン価が高いからデポジットが多い」ということではありません。「オクタン価が高い成分の中にはデポジットが多くなるものがある」ということです。


 さて、ガソリンに含まれる芳香族成分のうち、PRTR法対象物質のガソリン含有量(2021年5月現在、wt%)は次のとおり。

製油所・油槽所等における (paj.gr.jp) 表1.1から抜粋)

 あくまでPRTR法対象の芳香族に限りますが、プレミアム(ハイオク)では36%、レギュラーでは16.1%含有しています。

 プレミアムガソリンに「エンジン室内のキレイな状態を維持する成分」が添加されているのは、特別な価値ではなく必要だから添加されているのかと想像します。

 なお、プレミアムガソリンの効果として吸気弁のきれいさが示される理由は、

en (jst.go.jp)

から何となく想像できるような気がします。


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