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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ホンダCBR1000RR-Rのカムシャフト駆動

ちょっと古い記事ですが、
ホンダCBR1000RR-Rエンジンマニアック解説#2:セミカムギヤトレインの狙い│WEBヤングマシン|最新バイク情報 (young-machine.com)


「エンジン設計に関わってきた元設計者」による記事です。この方が「元エンジン設計者」かどうかはわかりません。

 ギアを介してクランクシャフトの動きをカムシャフトに伝える方が、チェーンのみで伝えるより「クランクの振動」を伝えないそうです。


「超高回転で回転するクランクシャフトは、ピストンの慣性力や燃焼の力により、常に上下に激しく変形しています。特にシャフトの端の方は軸受けからも距離が遠く、変形が結構大きいのです。その動きの激しい部分にカムチェーンのドライブギヤを配置すると(通常はそこに配置するしかない)、クランクの変形でカムチェーンが強く加振されてしまい、カムチェーンのメカ音やテンショナーの摩耗、アジャスターの破損やチェーンの折損といったトラブルが発生しやすくなるのです。RR-Rのカムチェーンは直接クランクシャフトには掛かっておらず、一度アイドルギヤを介していますから、クランクシャフトの振動をほぼ受けることがありません」

ギアで接続することにより振動が吸収されるという理屈がよくわかりません。ギアにダンパーを内蔵していると言いたいのか・・・


 ホンダがこのような方式を採用した理由は「駆動側(クランクシャフト側)のチェーンスプロケット歯数を大きくすることにより回転むらを小さくするとともに、チェーン長を短くすることにより、(特に)高回転時のチェーンの踊りを抑制するため」だと考えます。

 カムシャフトはクランクシャフトの1/2の回転数ですから、チェーンのみの場合、

R=「カムシャフトのスプロケット歯数/クランクシャフトのスプロケット歯数」

は2になります。

 ところがバルブアングルを小さくするために2本のカムシャフト間長を小さくし、(2本のカムシャフトのスプロケットが互いに接触しないよう)スプロケット歯数を小さくすると、
クランクシャフトのスプロケットの歯数が小さくなり過ぎて回転むらが大きくなり、チェーンが滑らかに動きません。

 よくあるご質問|スプロケットの回転ムラの原因と対策は?|つばきグループ (tsubakimoto.jp)

 アイドルギアで減速しR<2にしてからチェーンスプロケットを動かすようにすれば、そのスプロケット歯数をあまり小さくする必要はなくなり、かつ、カムチェーン長が短くなります。

パワーユニット | 走行性能 | CBR1000RR-R | Honda 
の図からすると、

カムアイドルギア歯数/タイミングギア(クランクシャフト)歯数=28/17
カムスプロケット歯数/カムアイドルギア・チェーンスプロケット歯数=34/28

になっています。クランクシャフト上のスプロケットに直接チェーンをかけるのであれば、その歯数は17にしなければなりませんが、アイドルギアを付加し減速することにより、チェーンスプロケット歯数を28と大きくしチェーンの動きをより滑らかにすることが可能になっています。



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