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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

バッテリー上がり

2016ロードスターSのバッテリーが上がりました。納車から2年ちょっとです。

昨日、50km程走行して帰宅、エンジン停止して降車、リモコンキーで施錠しようとしたが施錠できず、鍵で施錠。リモコンの電池が切れたのかと思ったのですが・・・

今日、もう一つのリモコンキーでもうんともすんとも言わない。ドアを開け閉めしても、窓ガラスが動かない(昨日は動いた)のでバッテリー上がりと判断。Vitzからブースターケーブルを繋いでエンジン始動しました。上がったのが帰宅後でよかった。

いままで、VWゴルフでバッテリー上がりを経験したことがありますが、その時はエンジン停止→降車→施錠→30分買い物→開錠→乗車→始動せず でした。今回はエンジン停止直後、すでに施錠できない状態。まさに「突然死」という症状でした。

それにしても早すぎるバッテリー上がりです。こんなバッテリーは充電しても信頼できないので、新品バッテリーに交換、税込17000円+でした。もちろん、交換前とは別のブランドです。
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マイク・ヘイルウッドとドゥカティ

こんな記事があった。
http://www.virginducati.com/manofducati/md02/

(写真説明)「マイク・ヘイルウッド、19歳。ドゥカティの2気筒175ccレーサーをテストした。この後、彼はこのマシンでGP優勝を果たす」
(本文)「175ccレーサーを駆って最初の3レースをすべて3位入賞、アルスターでは初のGP優勝をもぎ取り、スタンの期待に応えるのだった」

 世界選手権に175㏄クラスはない。そしてヘイルウッドのGP初優勝は1959年アルスターGP125㏄クラス。

「1957年、175ccのMVアグスタが彼にとって初めてのレーシングオートバイだった」

 125㏄の誤り。ライター氏は175㏄と125㏄の区別がつかないようだ。

 「翌年から彼はホンダ・ワークスチームに参加し、マン島TTではホンダとマンクス・ノートンで優勝、さらに250cc世界GPでは三回の優勝を果たし、シリーズチャンピオンも獲得するのである」

 ヘイルウッドは1961年250㏄クラスで4勝している。マン島でのホンダによる優勝のクラス(250㏄)が書かれていないので、よく分らない文になっている。

「翌62年にはMVアグスタに乗り500㏄世界GPをも制覇、チームメイトのジャコモ・アゴスチーニとともにMVアグスタのレース史に華々しい成績を残している」

 アゴスチーニがヘイルウッドのチームメイトだったのは1965年だけだが・・・なお、ヘイルウッドは1961年後半にはMVに乗っている。

「その後、再びホンダに戻ったヘイルウッドだが、計77回ものGP優勝という記録を持った彼をしても」

 76回の誤り。

「74年にニュルブルクリンクで大クラッシュに見舞われて、ヘイルウッドは左足を損傷する」

 右足の誤り。ヘイルウッドは本来、右足シフト/左足後ブレーキだったが、右足が不自由になったため、1978年の二輪カムバックの際には右足後ブレーキ/左足シフトに変えていた。

 他にもおかしな記述はあるが、これくらいにしておこう。



並列4気筒の動力の取り出し方(2)

(3)クランク中央
〇(チェーンラインが車体左の場合)ギアボックス部分が左側に寄り、チェーンラインが車体中央から大きく外れるため、エンジンを右側に寄せなければならない。
〇クラッチが奥まった場所になるため、乾式クラッチが冷えにくい。

 このように考えていくと、ジャックシャフトなしでは何れの取り出し位置にも短所が多いことが分る。
 ジャックシャフトを設ければ(1軸増え機械損失が増える短所はあるが)チェーンラインの問題は解決できるし、その上でクランク中央から動力を取り出せばクランク捻じれ・撓みの解決できる。
 そしてヤマハ2ストローク並列4気筒がクランク2分割していた理由は次のようなことだろう
〇元々、250/350cc2気筒を2基繋げるコンセプトなので2分割が前提。
〇2分割であれば、クランクシャフトの一部が焼付いたとしても4気筒全て交換する必要がない長所もある。したがってあえて2分割する方針を変更する理由もなかった。

 
 4ストローク並列4気筒は?詳しくは触れないが次のことを指摘しておこう。

 かつて国産市販車では
 A:クランク中央からチェーンでジャックシャフト駆動
 B:3-4気筒間(Z1では4番気筒左クランクウェブをギアにして)からクラッチギア駆動

の2通りあった。Aでわざわざ信頼性の低いチェーンを使用しジャックシャフトという余計な軸を設けていたのは、これが一体クランク+プレーンベアリングであり、一体クランクに精密歯車を加工することができなかったからである。1976年に登場したホンダRCBも、プレーンベアリングにも関わらずクランクシャフトを2分割していたのは、精密加工した別部品のギアをクランクシャフト中央に配置するため。

 そして一体クランクシャフトに精密歯車を加工できるようになると(1979年頃登場)、Aは徐々に姿を消していったのである。

並列4気筒エンジンの動力の取り出し方

 RACERS Volume 48の11頁に次のように書かれている。「並列4気筒で問題となるエンジン幅をできるだけ狭くするために~2軸クランクのエンジンは別として、1軸の場合は逆回転にするのがヤマハらしいこだわりの一つ~81年型以降、並列2気筒最終型(略)までのTZ250もそうだし、YZR-M1も誕生以来ずっと逆回転クランクである。ヤマハらしいこだわりといえよう」

 ライター氏は2ストローク並列4気筒で動力を取り出すとしたら、必然的にクランクシャフトを逆回転にせざるを得ないことを理解せずに「逆回転させることがヤマハらしいこだわり」としているように読めてしまう。

 そこで、2ストローク並列4気筒エンジンンの動力取出方法について考えてみる。大前提として、
 
〇4ストロークエンジンのクランクシャフトは「ローラー(又はボール)ベアリング+組立クランクシャフト」と「プレーンベアリング+一体クランクシャフト」から選べるが、2ストロークエンジンでは「ローラー(又はボール)ベアリング+組立クランクシャフト」しか選択できない。組立クランクシャフトは一体クランクシャフトよりクランクシャフトの捻じれ、撓みに弱い。
〇2ストロークエンジンはシリンダー横に掃気ポートがあるため、並列エンジンの場合、同排気量・同気筒数の4ストロークよりボアピッチが長く、クランクシャフト長も長くなる。
 〇したがって、2ストローク並列エンジンのクランクシャフトは同気筒数の4ストローク並列4気筒よりクランクシャフトの捻じれ、撓みに弱くなる。
 

 さて、2ストローク並列4気筒で動力を取り出す場所は、クランク端、3-4(または1-2)気筒間、クランク中央部(2-3気筒間)の3通りになる。まずジャックシャフト(動力取出シャフト、プライマリーシャフト)を設けない前提で得失を考えてみる。

(1)クランク端
〇クラッチはさらに外側に突き出ることになり、エンジン/変速機の幅が広くなる。
〇ギアボックス部分が右に寄る。場合によってはチェーンラインまで変速機出力軸を伸ばす必要があり、間延びした設計になる。
〇クランクシャフト長が長くなり、クランクシャフトが捻じれ、撓みに弱い。

 下写真は4気筒ではなく750㏄空冷3気筒のカワサキH2Rのエンジンだが、変速機出力軸が伸ばされていること、(写真では外されている)クラッチが右側に突き出ることが分かる。
 

(2)3-4気筒間

〇2ストロークエンジンでは各クランクの空間は独立している必要があり、4ストロークエンジンのようにクランクウェブをギアにすることはできず、独立したギアを設ける必要がある。したがって、1-2気筒と3-4気筒のボアピッチは同じにはならないため(同じにするためには1-2気筒間を無駄に長くする必要がある)、1次慣性力は完全には釣り合わず偶力が少し残る。
 〇動力取出ギアの左側は「並列3気筒」であり、4ストロークならともかく、2ストロークとしてはクランクシャフト長が長い。
 
 下写真は750㏄水冷並列3気筒のスズキXR11(TR750)で2-3気筒間からギアで動力を取り出しており、1-2気筒間とボアピッチが異なることが分る。


続く
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

デスモドロミック

ニューマチックバルブスプリングという記事を2008年7月に公開し、デスモのフリクション(摩擦損失)についても記述していました。

ドゥカティジャパンから架空V8エンジンについての計算結果が公表されていましたので、その内容を末尾の「補足3」に加筆しました。

デスモの摩擦損失が高回転でバルブスプリングエンジンより大きくなることは、技術者が「その気になって考えれば」分ることだと思います。

「どんな高度な理論も基本的な理論の上に成り立っている」
「どんな理論(高度であれ基本であれ)も前提条件があって成り立っている」
「その気になって見なければ大事なことは見えてこない」

仕事をする上での私の教訓です。

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