2軸クランクV型4気筒(
http://jfrmc.tou3.com/Entry/90/)の記事について、「通りすがり」さんから
」
との書き込みがありました。180度V型12気筒もボクサーエンジンも「文学用語」ですので、議論のすれ違いがないように定義を次のとおりとします。
・180度V型12気筒は向かい合うピストンに繋がるクランクピンが共通。
・ボクサー12気筒は向かい合うピストンに繋がるクランクピンがそれぞれ別で、互いの位置が180度ずれており、向かい合うピストンがパンチを打ち合うような動きをする。
さて、「ポルシェ906/910/907/908/917」(檜垣和夫、2006ニ玄社)181頁に917のクランクについて次の記述があります。
「~クランクシャフトは、908までは気筒毎に1個のクランクピンを持ついわゆる”ボクサー"タイプだったが、917では強度上や、摩擦損失及びクランクケース内のポンプ損失低減などの理由から、対向する二つの気筒が一つのクランクピンを共有する、いわゆる”180度V型”タイプに変更された」。
そして、180頁のエンジン断面図でもクランクピンは6つしか見えません。また、ネット上には917のクランクシャフトの写真が幾つかありますが、この写真を見ると917のクランクピンは6箇所しかありません。
http://www.pbase.com/917carl/917_12_cyl_engine
「通りすがり」さんの発言の根拠を知りたいところです。
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掲示板への書き込みをきっかけにタイトルのものを公開しました。
http://jfrmc.ganriki.net/ow61/ow61.htm
公開予定になっていながら公開していない頁が多いですが、0W61後編もある程度できていますので、何とか後編も公開できると思います。
それにしても0W61が登場したときに受けた衝撃は今でも記憶に残っています。横置サスペンションの問題点はともかくVバンク間ロータリーディスクバルブエンジンはヤマハのタイトル奪還の強い意思を感じたものです。
掲示板
http://6022.teacup.com/nodakenichi/bbs
への書き込みをきっかけに0W61についてまとめようとしていますが、0W61のエンジン形式について、当時の雑誌で「V型配列スクエア4」というような表現を見かけます。また、Wikipediaでは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A4%E3%83%9E%E3%83%8F%E3%83%BBYZR500
に「正確に言うとV4(1本のクランクシャフトに4つのピストン)ではなく、スクエア4の変形タイプ(2本のクランクシャフトを持つ)だった。」との記述があります。
このような記述については次のような疑問があります。
・「V4(1本のクランクシャフトに4つのピストン)」は誰が定義したのか。
・ヤマハのような2軸クランクVの形をVの字で表そうとしても、Vの字の下が繋がらないというのであれば、W型エンジンやH型エンジンはどうなのか。
・ヤマハのような2軸クランクを「V」ではないというなら、スキーのV字飛行(V-Style jumping)は「逆ハの字飛行」と表現すべきではないか。
なぜか日本ではこのようなことについてのこだわりを持つ方が多く見受けられ、ポルシェ917は「水平対向12気筒ではなく180度V型12気筒である」という方もおられます。「水平対向はシリンダーが向かい合わせであることによるのではなく、向かい合ったピストンの動きからこう呼ばれる」ということのようですが、誰がそのように定義したのでしょうか。また、その定義は絶対なものでしょうか。
私は、ヤマハのような2軸クランクVを「V型4気筒」と表現することに何の抵抗もありません。具体的な構造の違いについては別途、記述すればいいからです。また「2軸クランク」も実は正確な表現ではありません。1992年以降のホンダNSR500のように1の仮想線上に2本のクランクが配置されている場合があるからです。
http://www.geocities.jp/noda_keni/h/00nsr500/00nsr500.htm
このような機構の違いを単純な言葉で表現することには無理があります。具体的な機構を示さない限り「V型4気筒」は文学的表現だと思っていますし、それでいいと思います。
チームロバーツは1996年までヤマハからマシン貸与を受けていましたが、1997年から2ストロークV型3気筒500ccのオリジナルマシンでGPを戦いました。当初のマシンはイギリスの会社が製作したものですが、出来がよくなく、新型になります(前2気筒+後1気筒→前1気筒+後2気筒)。
このエンジンは日本で設計・製作されたものです。
http://plaza.rakuten.co.jp/hidakayoshiaki/27000
詳細は設計者である日高氏の著書(サムライエンジニア)をお読みいただければと思います。
著書中に「~イギリスから国際電話がかかってきた。あるメーカーでMoto GPレース監督経験のある人からだった。」、「ケニー・ロバーツ氏~日本人二人が事務所に来た。二人は共に日本メーカーのGP監督経験のある方達だった。」とあります。この「日本人二人」はM氏とO氏ではないかと思っています。
スズキXR34には後サスペンションによりXR34H(2本ショック)とXR34M(1本ショック:いわゆるフルフローター)があることが知られています。第2戦スペインGPでXR34Mが登場しますが、XR34Hも引き続き用いられました。
さて、第7戦イギリスGPでロッシがXR34Mに乗っていたと考えていましたが、XR34Hに乗っていたことが判明しましたので、
http://jfrmc.ganriki.net/xr34/XR34-1.htm
の記述も修正しました。訂正しお詫びします。