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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ヤマハRZ250の商標登録

JFRMCブログ 2023年11月17日 (tou3.com)

で「審査中」としていましたが、5月に拒絶されたようです。

簡易検索|J-PlatPat [JPP] (inpit.go.jp)


「商標」にチェックを入れ、「RZ250」で検索してください。
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日本馬力

馬力の種類 (ganriki.net)

を公開しました。すでにブログに書いていた内容を整理して加筆したものです。

私が仏馬力(メートル法)と異なる英馬力(ヤードポンド法)のことを知ったのはかなり前です。少なくとも1981年頃には知っていた記憶です。

 この本

エンジンの話 (1981年) (岩波新書) |本 | 通販 | Amazon

に書いてありましたから。それより前に英馬力のことを知っていたような気もしますが、よく覚えていません。1980年以前、世界GPで活躍するイギリス、アメリカのレーシングマシンは少数派でしたから、意識する必要もなかったからでしょうか。

 今回、昔の計量法の規定を調べたのは、

馬力 - Wikipedia

の次の文を知ったからです。

「日本の旧計量法では、1馬力は英馬力とも仏馬力とも違い、仏馬力をベースに重力加速度を(正確に)10 m/s2として計算した750ワットとしていた。これを日本馬力と呼んでいたことがある。日本馬力は1999年施行の計量法で廃止された」


 Wikipediaは(出典が示されていても)信用してはならないのですが、まして出典が示されていないこの記述をそのまま信用したネット記事、出版物も少なくないこともわかりました。

 という訳で、昔の計量法を調べることにしたのです。
 

公文書

大阪府警が公文書毀棄容疑で誤認逮捕 仮納付書は公文書にあたらず 摂津市(ABCニュース) - Yahoo!ニュース

「巡査部長はトラックを運転していた男性(40代)に反則金の仮納付書を手渡しましたが、その際、男性が仮納付書を破り、投げ捨てたということです。巡査部長2人は公文書毀棄容疑に当たるとして、男性を現行犯逮捕し、摂津署まで連れて行きましたが、署の幹部が仮納付書は公文書に当たらないことに気づき、誤認逮捕と判明」

 運転者が行った行為がいいか悪いかは別として、公文書に当たると判断した巡査部長が情けないですね。

 法律論でなくとも、仮納付書が運転者に渡ったのですから、運転者が仮納付書をどうするかは運転者の自由です。私の家に役所からいろんな文書が届きますが、その文書を読んで保管するのか、読んで捨てるのか、読まずに捨てるのかは私の自由なのと同じです。その結果がどうなるかは運転者の責任です。

 まあ、警察官は公務員なのですから「公文書」が何かぐらいは常識として知っておくべきです。新米ならともかく巡査部長なのですから。



カタログのワット表記

お客様相談センター|Honda公式サイト

では
「1993年11月の新計量法施行によって、法定計量単位を、国際的に合意された「国際単位系(SI)」※に統一するために変わりました。」すべてをSI単位に切替えるには、計画的な準備が必要であるため、猶予期限を1999年9月30日として進められてきました。切替えの過渡期は、カタログの表示では、最高出力、最高馬力を従来のメートル単位とSI単位を併記しました」

 これからすると計量法によるワット化は1993年11月の新計量法施行によることになります。
 私の認識は次のとおりです。

〇旧計量法(1951年)では出力(工率)はワットが原則で、内燃機関に関しては仏馬力が「当分の間」用いることができる単位として存続。これは1992年制定(1993年施行)の新計量法でも変わらなかった。

〇自動車に関する単位は馬力だけではなく、新計量法施行に伴い自動車工業会でその取扱いが決められた。カタログ等、顧客の目にふれる単位については従来単位(出力についてはkW)を併記することとされた。


参考 「SI化マニュアル 新計量法への適用」((財)日本規格協会1995)

日本馬力(2)

JFRMCブログ 日本馬力 (tou3.com) で書いたように、現計量法、旧計量法(1951年制定)に日本馬力(1馬力=750W)の規定は見当たりません。

 さて、物理学会誌15巻9号(1960)の巻頭言(木内正蔵)に次のように書かれています。


「仕事率の単位’馬力’には英馬力,仏馬力,日本馬力(=0.750kW)などがあつて混乱したのであるが,メ ートル法に基づいた現行の計量法ではこれらはいずれもとり入れられず,ワット,キロワット(W,kW)がもつばら仕事率単位に使用されることになつた。ただ廃止される単位にもそれぞれ猶予期間があつて,仏馬力は昭和36年末までは使用できることになつている。これは,毎秒75キログラム重・メートル=735.5Wの重力単位系のものである」(注:計量法施行法には英馬力、仏馬力のみ規定された)

 
 また、諮問 (scj.go.jp)

は旧計量法制定前に「新法に規定すべき計量単位の範囲並にその定義」について商工省から日本学術会議に諮問したものですが、商工省案では効率の単位にキロワット、補助単位にワットと馬力を提案しています。

 「キロワットの四千分の三」は「キロワットの四分の三」、「HF」は「HP」の誤りと思われますが、紙の元データをテキスト化するときのミスの可能性もあります。

 これらのことからすると

〇旧計量法制定前、つまり度量衡法時代に日本馬力が存在していた
〇度量衡法自体、メートル法、ヤードポンド法も公定法だったので、馬力に3種類存在していた

と思われます。申し訳ありませんが調べきれませんでした。

 
 旧計量法制定により日本馬力は計量単位としては姿を消したのですが、その残滓が今でも残っています。


 旧計量法制定前の1950年制定の建築基準法の別表第1に馬力規定がありました。

〇住居地域内に建築してはならない建築物
三 左の各号に掲げる事業を営む工場
 (二) 馬力数の合計が〇・二五以下※の原動機を使用する塗料の吹付
 (五) 木材の引割若しくはかんな削り、裁縫、機織、ねん糸、組ひも、編物、製袋又はやすりの目立で馬力数の合計が一をこえる 原動機を使用するもの
 (六) 印刷、製針又は石材の引割で馬力数の合計が二をこえる原動機を使用するもの
〇商業地域内に建築してはならない建築物
 (六) 馬力数の合計が〇・二五をこえる原動機を使用する塗料の吹付

(※商業地域で規制するものを住居地域でも規制する規定が一号にある→住居地域では馬力に関係なく原動機を使用する塗料の吹付事業はできないという趣旨)

 そして、これらの馬力規定が1959年4月に次のように改正されます。


0.25馬力→0.75キロワット
1馬力→0.75キロワット
2馬力→1.5馬力

 1馬力、2馬力については1馬力=0.75キロワットとして換算されています。0.25馬力が0.75キロワットになった理由はよくわかりませんが、0.25馬力で規制する意味があまりない施設として見直しされたのでしょうか?

 1951年に旧計量法、計量法施行法により英馬力は1958年12月31日に計量法上効力を失いました。仏馬力も当初は同日に効力を失う予定でしたが、旧計量法改正により1961年12月31日まで効力延長された後に効力を失いました(内燃機関については再改正により当分の間効力が継続)。

 このような時期に建築基準法が改正されたのですが、おそらく多くの法律、政令、省令等で、この時期前後※に統一的に1馬力=0.75kWで改正されたものと思われます。

※この建築基準法の改正は単位の見直し以外の規定の改正もあったので、「ついでに」単位を見直したのでしょう。ですから法律によって改正時期が異なったかもしれません。


 また、1968年制定の騒音規制法施行令では当初からワット表示でしたが、0.75kWの倍数のものが見られます。
 
別表第一(第一条関係)
一 金属加工機械
 イ 圧延機械(原動機の定格出力の合計が二二・五キロワット以上のものに限る。)
 ハ ベンディングマシン(ロール式のものであつて、原動機の定格出力が三・七五キロワット以上のものに限る。)
(他にもありますが省略)
 
 そんなわけで今でも日本馬力は姿を変えて生き残っているのです。














 

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