タイトルのサイトに間違いが多いことを指摘していましたが、修正されつつあるようですね。
でも修正されない間違いもありますし、変に修正されている箇所もあります。例えば
http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/wgp-50th/race_archive/season1960_69/1968/
の写真説明は
「ベルギーGP 250cc、MZの選手をパスして優勝した#2 P・リード」
↓
「ベルギーGP 250ccで優勝した#2 P・リード」
と修正されています。この写真は1968年オランダGP125ccで写真説明は誤りです。修正前の「MZの選手を」はディブ・シモンズ(カワサキ)の誤りで、同頁中の125ccでの記述「オランダでは前半カワサキの2気筒に先行を許すも後半は首位を奪って快走、2位に2分以上の差で独走優勝した。」と書かれているとおりのレースでした。
最初の写真説明では「勘違いでした」という言い訳も可能ですが、修正後の誤りではそんな言い訳も無理でしょう。この記事を書いたライターには、この写真がどうしても1968年ベルギーGP250ccに見えるようです。
ライター氏が正解を知らないとしても
・ゼッケンの地色が濃い(250ccは緑、125ccは黒)
・マシンの幅が250ccより小さい
ことから「250cc」と間違うことが理解できません。なお1968年ベルギーGPでは125ccレースは行われていませんので、ベルギーGPではないことも分るはずです。
250cc・RD05Aと125cc・RA31Aの区別が付かないライター氏が記事を書いていることがよく分りました。下の問題となる記述を含め、レベルが雑誌屋ですね。
その他問題となる記述
・「リードとアイビーはこの初戦から快調に飛ばし、他車の先行を許さず最速ラップライムを記録して優勝。」
最速ラップタイムを記録したのも優勝したのもアイビーでリードはリタイアなのですが・・・
・本文中の「125ccは単気筒、250cc以下は2気筒、ミッションは6速という新競技規則を発表した」の「125ccは単気筒」は「125ccは2気筒」の誤り。また、「125cc」に「以下」がないのに、「250cc以下」と書かれると50cc、125ccを含むように読める。
・「第9戦フィンランドでも決着がつかず、最終戦にもちこされた。」は「第9戦アルスターでも~」の誤り。
・「両選手の完走全レースの所要時間の合計を比較」は「両選手の同時完走全レース~」
・西ドイツGPの開催日が、250cc・4月20日で125cc・4月21日になっているが、逆で、250ccが4月21日、125ccが4月20日。(2011・4・23加筆)
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先日お伝えしたとおり、タイトルのサイトが公開されています。
http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/wgp-50th/race_archive/
貴重な写真等も少なくなく嬉しい内容になっています。まだ完全公開ではないので、今後の展開が楽しみですね。ただ、あまりに膨大な内容だけに外部ライターに頼る部分が多いようで、かなり間違いがあります。今後、修正されるようですので、その点も含めて期待することにしましょう。
間違いの例
http://www.yamaha-motor.co.jp/profile/sports/race/wgp-50th/race_archive/riders/phil_read/
1 ポール獲得回数がゼロになっていますが、記録をチェックできていないのでしょう。
2 「#177, 1967年シーズン」は#177, 1968年西ドイツGP125cc
3 「1967年アルスターGP」は1966年チェコスロバキアGP250c
4 「1967年イタリアGP」は1968年西ドイツGP125cc
5 「1968年オランダGP」は1965年オランダGP250cc
6 「1966年西ドイツGP」は1966年東ドイツGP250cc
7 1971年のマシンがTD-3になっていますがTD-2の誤り
3の誤りは他資料でも見かけます。
参考までにレース名のない写真は上から順に
ゼッケン3 1967年フランスGP250cc
ゼッケン2 1968年マン島TT125cc
ゼッケン10 1968年マン島TT250cc
2017.2.20、SI単位での計算等についてこちらに加筆しました。
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「正味平均有効圧」という単語をバイク雑誌で稀にしか見ません。これは往復動機関についての基本的な概念です。 英語では「brake mean effective pressure」、略してbmep、BMEPといいます。
力×距離=仕事で、時間当たりの仕事量が出力です。
ピストンにかかる力は、ガス圧×ピストン面積で、ピストンの動く長さはストローク(行程)です。
したがって、ピストンがする仕事は
ガス圧×ピストン面積×行程=ガス圧×排気量
になります。このガス圧は「圧縮行程」(マイナスの仕事をする)を考慮した平均です。4ストロークエンジンの
場合、2回転に1回しか仕事をしませんので、1秒あたりの仕事の回数はrpm/(60×2)、1馬力は75kgf・m/sですから、馬力は単位を揃えて
馬力=平均圧力(kgf/cm2)×ピストン面積(cm2)×(行程cm/100)×rpm/(60×2×75)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(cm3)×rpm/900000
(排気量をリットルにすると)
=平均圧力(kgf/cm2)×排気量(リットル)×rpm/900
bmepは実測した出力からこの式により逆算したもので、例えば150PS、1リットル、10000rpmですと、BMEPは13.5kgf/cm2になります。
なお、上の式から分るようにbmepは「排気量あたりのトルク」と比例関係にあります。
さて、以下のサイトで、レーサー等のbmepについても触れています。
http://www.sigmaperformance.com/vee5wars.html
表中のBMEPの単位がpsiになっていますが、この数字ですとkgf/cm2の間違いです。psiは「pound square inch」(平方インチあたりポンド)で、kgf/cm2の14.2倍の数字になります。つまり、13.5kgf/cm2は192psiに相当します。