三菱 i-Miev
16kWh電池仕様で180km(JC08)となっています。
実際の航続距離については、
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/spirit/technology/technical_review/pdf/technical_review_2010.pdf
の海外での実証試験では、恥ずかしいのかグラフ中の距離に数字が入っていません。
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/spirit/technology/technical_review/pdf/technical_review_2009.pdf
の国内のデータでも同様にグラフ中の距離の数字が入っていません。
http://www.mitsubishi-motors.com/jp/spirit/technology/technical_review/pdf/technical_review_2008.pdf
「市街地における実用航続距離は70~90km程度である」との記述があります。このデータの基になっている車両と現i-Mievが同仕様かどうかわかりませんが、参考になると思います。
日産リーフ
228km(JC08)となっています。
http://ev.nissan.co.jp/EV/POINT/
で電気代を計算している根拠となる数字は、6km/kWhという電費です。電池容量は24kWhなので、
6×24=144km が航続距離になります。
実際は、日産の本社の・・・によると「100km程度」だそうです。
http://blogs.yahoo.co.jp/asaka_kichimondai/66299074.html では100km(バッテリー劣化前)となっていますので、日産の・・・さんは、バッテリー劣化後の状態について言及しなかったことを除けば、非常に正直だと思います。
この数字ですが、
リーフの車重を1440+70(ドライバー)=1510kg
i-Mievの車重を1110+70 =1180kg
i-Mievの航続距離を80km、電費は車重と電池容量に比例するとすると、リーフの航続距離は
80×(24/16)×(1180/1510)=94km
リーフの空気抵抗はi-Mievと比べて、車重の比率ほどには悪化していないでしょうから、「100km」は当たらずとも遠からずの数字だと思います。
私などは小心者ですので、ガソリン車の残り容量が6~8リットル程度になると(ガソリンスタンドがこれだけあっても)ドキドキしてしまいますが・・・ということは私が電気自動車に乗ったらいつもドキドキ状態で、片道10km程度の買い物程度にしか使えません。
スズキ歴史館にレーシングマシンが新たに展示されています。
http://www.suzuki-rekishikan.jp/letter/?act=detail&letter_id=7
5台のうち、近年の2台は昨年の秋にすでに展示されていました。残りの3台もすでに見たことがありますが、
しばらくぶりに見に行こうかな。
先日、陸上自衛隊広報センターに行ってきました。新たに10式戦車が展示されているのです。
展示されているのは試作1号車です。公表されている諸元
http://www.mod.go.jp/gsdf/equipment/ve/1_26.html
では、
重量 約44t
最高速度 約70km/h
エンジン出力 1200PS
です。
この諸元から最高速度時の燃費を計算してみましょう。
変速機・操向装置伝達効率80% とすると、出力=力×速度なので、最高速度時の走行抵抗は
1200PS×0.7355×0.8/(70/3.6)=36.3kN
エンジンの熱効率40%、軽油比重0.85、軽油低発熱量10000kcal/kgとすると、最高速度時の燃費は
0.85×10000×4.19×0.4×0.8/36.3=314m/リットル
よく記事になっている一般的な戦車の燃費に近い数字になります。もちろん、航続距離が問題になる条件の速度は最高速度ではないでしょうし(そもそも最高速度を維持することは困難)、通常速度の走行抵抗も最高速度時とは異なりますが、まあ当たらずとも遠からずの数字が簡単な計算で出てきます。
90式戦車の公表航続距離がドイツのレオパルト2より小さいことについて、「90式戦車は2サイクルディーゼルだから」と2サイクルガソリンエンジンの熱効率の悪さが2サイクルディーゼルにもそのまま当てはまるような記事を見かけることがあります。
車と同じで戦車の燃費も走行条件により大きく変わることや2サイクルディーゼルエンジンがどんなものかを理解せずに書かれた記事は無価値だと思います。