レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
「確かにエンジンが低中速回転域のときに、デスモドロミックのバルブトレインは摩擦損失が少ない。しかし高回転域では摩擦が生じる構成部品の多さがあだとなり、デスモドロミックはむしろ摩擦損失の面では不利になってしまう。」
https://www.autoby.jp/_ct/17688064#goog_rewarded
類似した意見はよく見かけます。しかし、部品点数の多さも要因の一つですが、それは小さなことです。
高回転でデスモのフリクションは普通のエンジンより大きくなる理由は
〇バルブスプリングエンジンではバルブがカムに押し付けられる力が低回転より減少するのに対して、デスモドロミックエンジンでは低回転よりバルブがカムに強く押し付けられること。しかもその時のバルブリフトが大きいこと。
〇バルブは短い周期で振動しているが、バルブスプリングエンジンではバルブ加速度の正負のどちらか一方ではバルブがカムから浮く方向であるのに対し、デスモドロミックエンジンでは加速度の正負両方で開カム・閉カムのどちらかに押し付けられること。しかも、開カムのバルブリフトが小さい時、閉カムのバルブリフトは大きいこと。
です。優先順位を付けて簡単にまとめると
「普通のエンジンでは高回転でバルブが浮き気味になるの対し、デスモではバルブがカムに押し付けられる等々の理由」
でしょうか。この理由は「構成部品の多さ」で説明できません。
https://jfrmc.ganriki.net/zatu/pvs/pvs.htm
JFRMCブログ 放熱量と温度 (tou3.com)
を参考に、1978年シーズン終盤に登場したホンダ水冷MT125R(2ストローク単気筒)を例に、鈴鹿サーキットを1周する間の各部平均水温を試算してみました。
標準状態のエンジン出口水温を75℃とするなど、多くの仮定の上の素人の試算です。
下左が1周平均流量12L/min(標準)、下右が25L/minの各部水温です。ラジエーターも上から5段階に分けました。
これらを含めて、別途JFRMCで記事にします。
dC/dt=-kt
これを解くと
C=C0×e-kt
この式を元にして
第108回薬剤師国家試験 問274〜275 消失速度定数/抗菌薬の選択 - yakugaku lab
の問274を考えます
半減期の時は、上の式から
C/C0=e-kt=1/2
-kt=ln(1/2)=-0.693
k=0.693/t (解答欄の式)
で問274は解けます。
これを解くと
ln(TーTe)=-kt + A
t=0のとき(TーTe)=(T0ーTe)とするとA=ln(T0ーTe)
ln(TーTe)=-kt + ln(T0ーTe)
ln((TーTe)/(( T0ーTe))=-kt
TーTe=( T0ーTe)e-kt
T=( T0ーTe)e-kt+Te
記事の式になりました。
さて、記事では計算結果と実測値に差が出ています。
元のデータが実測値だとするなら、この食い違いの理由として次のことが考えられます。
〇物体の周囲の空気は物体から熱を与えられ温度上昇し上方に流れますが、物体の温度低下により空気の流速が低下しますので、温度低下が計算値より小さな数字になった。
〇水は容器に入っており、実験開始時は容器表面温度=水温だったが、実験開始後は容器表面温度<水温になり、時間当たり放熱量が減少した。
さて、この「物体が失う熱量は物体の周囲との温度差に比例」は、エンジン本体(シリンダー、シリンダーヘッド、クランクケースなど)やラジエーターについても、いくつかの仮定条件の下で成り立ちます。
F1(四輪)で冷却水温を上げることによってラジエーターを小さくし、空力を改善しているのはこの例です。