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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

日本馬力

馬力に仏馬力(PS)と英馬力(イギリス、アメリカのHP)があることが知られています。

馬力 - Wikipedia では、日本における馬力について次のとおり記述されています。

 1999年施行の新計量法では、仏馬力のみを暫定的に採用した。すなわち計量法附則第6条と計量単位令第11条は、「仏馬力は、内燃機関に関する取引又は証明その他の政令で定める取引又は証明(=外燃機関に関する取引又は証明)に用いる場合にあっては、当分の間、工率の法定計量単位とみなす。」とし[7]、計量単位令第11条第2項は、1仏馬力 = (正確に)735.5ワットと定義している[8]。
 (略)
 特に自動車用エンジンについては、キロワット (kW)表示は新計量法導入から20年以上経過した現在においても、個人ユーザーから事業者レベルに至るまでほとんど浸透しておらず、カタログにはkWを主として、依然としてPSが併記されている。
過去の経緯
 日本の旧計量法では、1馬力は英馬力とも仏馬力とも違い、仏馬力をベースに重力加速度を(正確に)10 m/s2として計算した750ワットとしていた。これを日本馬力と呼んでいたことがある。日本馬力は1999年施行の計量法で廃止された。


 読んでいて???だらけです。

 現行の計量法(1992年制定)は1993年に施行されましたが、計量法制定により削除された単位については単位ごとに3段階(1995年9月30日、1997年9月30日、1999年9月30日)の移行期間が設けられました。しかし、工率(仕事率)ではkgf・m/sのみ1999年9月30日までの猶予規定がありましたが馬力の規定はありませんでした。

 これはWikiにあるように計量法附則第6条及び計量単位令第11条により仏馬力が内燃機関等について「当分の間」使用できることとされたからです。

 さて、現計量法施行までは旧計量法(1951年制定)が適用されていました。旧計量法制定により工率の単位はワットになったのですが、既存の単位について整理するために計量法施行法が1951年に制定され、同法第9条で馬力について定められていました。

計量法施行法第9条 英馬力及び仏馬力は、昭和33年12月31日までは、新法による法定計量単位とみなす。
2 英馬力は、746ワツトの工率をいう。
3 仏馬力は、735.5ワツトの工率をいう。

 昭和33年=1958年です。英馬力はそのまま期限を迎えましたが、仏馬力については1958年改正により1961年12月31日まで延長され、さらに1961年改正により「仏馬力は、内燃機関に関する計量その他の政令で定める計量については、当分の間は、新法による法定計量単位とみなす。」とされ、1992年に旧計量法、旧計量法施行法が廃止されるまでそのままでした。

 一方、1960年頃のJIS(日本工業規格、現日本産業規格)におけるkWとPS(仏馬力)の状況は次の通り(出典:馬力に関する座談会発言要旨および資料(日本機械学会誌第63巻501号))。



 つまり、当時も今も馬力といえば仏馬力であって、日本馬力(1馬力=750W)が自動車、バイクで用いられたことはありませんでした。輸出製品の出力をわざわざ日本馬力で表記する意味がありませんし、元々、1958年で使用停止になるはずだった仏馬力が当分の間使用できるようになったのも、海外で使用されている「馬力」を廃止することの不利益が大きな理由でした。

 馬力 - Wikipediaの「日本の旧計量法では、1馬力は英馬力とも仏馬力とも違い、仏馬力をベースに重力加速度を(正確に)10 m/sとしていた。これを日本馬力と呼んでいたことがある。日本馬力は1999年施行の計量法で廃止された」の根拠がわかりません。
 「旧計量法」とは1951年計量法のようですが、この旧計量法には前述のように馬力の規定はなく、計量法施行法には英馬力と仏馬力しか見当たりません。

(続く)

 馬力 - Wikipediaを参考にしたのでしょうか、
〇計量法によるワット導入は1999年
〇それまでは1馬力=750ワット
というネット記事をよくみます。

 

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レーサーの騒音測定(3)

 
 1983年鈴鹿8時間耐久レースでグレーム・クロスビー/ロブ・フィリスが乗ったモリワキ・ヨシムラスズキGSX1000の騒音測定。測定は金曜日午前の予選後に行われた記憶です。

 ストローク66mmなので測定回転数は5000rpm。

 排気管から50cmの位置決めをするための細棒が見えませんが、他のマシンの騒音測定で細棒が写っているものもあります。たまたま写らなかったか、マシンによって細棒を使用したりしなかったりしたのかは記憶がありません。

 このマシンはGSX1000(4バルブ)をヨシムラがチューンしモリワキ製アルミフレームの車体に搭載したもので、出場チームはヨシムラ。

 クロスビー/フィリスは予選で1位、レースでは首位争いの中、エンジントラブルで遅れてしまい13位でした。

 優勝マシンはスズキ・フランスからエントリーしたスズキGS1000R(XR41)で、GS1000ヨシムラチューンエンジン(2バルブ)をスズキ製車体(アルミフレーム)に搭載したものです。

  

 

 

ホダカ175SL




 穂高工業は輸出専用車を製作しており、若き(少年)ケニー・ロバーツも乗ったように、アメリカではそこそこ人気のあるブランドでした。
 しかし、提携先のアメリカ企業が事業停止したため、少数がコミネオートセンターにより国内販売されました。1978年頃のことです。

 当時の広告には写真の175SL(25万円)と80 DIRT-SQUIRT(12万円、保安部品なし)が載っていましたが、両車とも「一般路上では走行できません」(広告での文言)とされており、あまり売れなかったようです。




レーサーの騒音測定(2)

 これは1980年日本GP750㏄クラス(9月14日)のレース後再車検での騒音測定。

 2位入賞した河崎裕之のスズキXR34M2(RGB500、500㏄スクエア4気筒)、測定回転数は7220rpm。


 3位入賞した水谷勝のヤマハTZ500G(500㏄並列4気筒)、測定回転数は7690rpm。

 測定器が路面に対して平行ではありませんが、マイクロフォンは広い指向特性がありますので、この程度の角度は問題ありません。

 この2台の騒音測定については次の問題があります。
〇XR34M2はエンジン周りにカバーが掛けられており、エンジン本体の騒音(機械音)を遮っている。
〇TZ500Gは車体右側に排気管が3本あり、乾式クラッチも車体右側にあるのに、車体左で測定している。

 TZ500Gについては車体左で測定しても(基準110dB(A)に対して)測定値106dB(A)程度なら、XR34M2についてはこの状態で測定値109dB(A)以下なら、問題ないレベルだとは思いますが。

 測定器の位置決めのための細棒を使用しています。写真では細棒の先端が測定器の黒玉の中央部にありますが、黒玉は防風スクリーンですので、これが正しい位置です。
 
前回紹介した1984年鈴鹿8時間耐久レースでの騒音測定では細棒は使用されていませんでした。




レーサーの騒音測定

ロードレーサーの騒音規定が設けられたのは

世界GP 1976年第7戦ベルギーGP~ ※1
F750  1976年~
ヨーロッパ耐久選手権(1980から世界選手権) 1976年~ 

全日本選手権 1977年~ ※2

※1 第1戦から適用される予定だったが、多くの出場チームの対応が遅れたため実施が延期されたもの。スズキXR14(500㏄ファクトリーマシン)は第1戦からサイレンサーを装着していた。

※2 1976年後半に高井幾次郎が乗ったヤマハ0W31(750㏄ファクトリーマシン)はサイレンサーを装着していた。最終戦日本GPで金谷秀夫が乗った0W31には装着されていなかった記憶。

 これは1984年鈴鹿8時間耐久レースでの騒音測定で、マシンは優勝したホンダRS750R。

RS750RE-4808/RS750RF-4808

  測定は金曜日朝一番の車検時ではなく金曜日午前の予選後に行われた記憶です。写真では新品タイヤが装着されていますが、順番に測定するので順番待ちの間にタイヤ交換したのでしょうか?

 さて、当時の規制値は、4ストロークエンジンの場合

ピストン平均速度11m/sで測定
排気管後方45度50cmで測定
測定値
115dB(A)

でした。RS750Rのストロークは48.6mmですので、6790rpmでの測定になります。



 2ストロークではピストン平均速度13m/sで測定し110dB(A)でした。実回転数は

ストローク54.5mm 7160rpm
      54mm  7220rpm
      50.7mm 7690rpm

になります。

 1960年代のホンダ250㏄6気筒、300㏄6気筒レーサーのウォームアップの排気音は猛烈なもので、当時のホンダF-1エンジンより騒音が大きいと感じました。排気量は違いますが、F-1では3-1の集合排気管なのに対して250㏄6気筒等は6本メガホンですから。耳垢が剥離して耳の中で踊っていると感じました。

 騒音規制によりレースの魅力が少し失われたように思いますが、サーキットによっては周辺騒音が問題になる地域もありますし、ライダー、ピットクルー等の健康被害(聴力低下)防止のためにも騒音規制があってよかったと思います。


 

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