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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

赤井電機とカワサキ

 1979年シーズン、赤井電機がKR250/KR350を走らせるカワサキUKチームのスポンサーになります。ちなみに監督は鈴木健夫さんです。
PENSION Silverstone Karuizawa,Japan 軽井沢ペンション シルバーストン (karuizawa-pension.com)

 これは、当時、イギリスのバイク雑誌に挟み込まれた広告チラシ。

 8車種のイラストがありますが、これが当時、カワサキUKが扱っていた車種全てなのかどうかは分りません。

 しかし、この関係は1年限りで、1980年シーズンに赤井電機はバリー・シーンが立ち上げたチームのスポンサーになります。
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市販NR750とVFR750(7)

出典は
 Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」です。

 出典Fig.3.6に燃料消費率が示されているので、燃料低位発熱量:10500kcal/kg、熱仕事当量:4.1855J/calとして熱効率を計算しました。
 
 
 横軸がrpm、縦軸が熱効率(%)で、赤線がNR750、黒線がVFR750です。

 なお、燃料消費率そのものがクランク軸計測なのか変速機出力軸計測なのか分りませんので、クランク軸計測の自動車エンジンとの比較は避けてください。

 NR750の熱効率の回転数による変動が大きいですが、11000rpm以下ではNR750もVFR750も大差ありません。




市販NR750とVFR750(6)

出典は
 Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」です。


 JFRMCブログ 市販NR750とVFR750(2) 体積効率 (tou3.com)
で書いたように、NR750はVFR750より体積効率が低い回転数域であっても、トルクの低下がそれほどではありません。

 その理由の一つとしてフリクションの可能性があります。そこで、
JFRMCブログ 市販NR750とVFR750(5) (tou3.com)
で計算したフリクションを計測トルクに加えたものを図示トルクとし、グラフを作成してみました。

 横軸がrpm/100、左縦軸が体積効率(%)、右縦軸が図示トルク(kgf・m)、赤線がNR750、黒線がVFR750、実線が体積効率、点線が図示トルクです。

 図示トルクでも傾向はあまり変わりません。
 
 下図は、(図示トルク/体積効率)×1000です。赤線がNR750、黒線がVFR750です。

 大半の回転数域でNR750の方が大きく、特に7000~9500rpmで大きな差があります。
 
 その理由が燃焼効率、燃焼速度なら燃料消費率(熱効率に反比例)に差が出るはずですが、出典Fig.3.6では大差ありません。



市販NR750とVFR750(5)

出典は
 Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」です。

 次にフリクションについて見てみます。
 Fig.3.1に市販NR75とVFR750のフリクションロスが出力で示されています。例によって曲線から数値を読み取り、それからトルクを計算して曲線を作成しました。横軸がrpm/100、縦軸はフリクショントルク(kgf・m)です。なお、3000rpm以下では2つのエンジンの違いが読み取れないので、ここでは4000rpm以上を示しました。


 NR750のフリクションが小さいことが分りますが、これが真円ピストンV型8既往に対するメリットかどうかはこのグラフから分りません。というのは、この曲線は同一排気量で気筒数が異なる場合によく見られる傾向です。

エンジンの摩擦損失 (ganriki.net)で示したように、フリクションは

低回転:気筒数小<気筒数大
高回転:気筒数小>気筒数大
です。

 Fig.3.1で読み取れなかった3000rpmでの比較は、出典Fig.3.4で示されていますが、NR750の方が大きいことが分ります。数値を読み取ると
NR750:2.5kW
VFR750:2.4kW
と、
低回転フリクション:気筒数小<気筒数大
になっています。

 なお、Fig.3.4での「バルブ駆動ロス」、「ポンピングロス」、「その他」の配分は誤りです。

 バルブ駆動ロス(トルク)は回転数上昇に伴って「減少」するので、バルブ駆動ロス(出力)が大きく増加することはないはずですが、Fig.3.4では
NR750:0.77kW(3000rpm)→9.35kW(12000rpm)
VFR750:0.72kW(3000rpm)→12.7kW(12000rpm)
と増加しています。トルクに換算すると

NR750:0.25kgf・m(3000rpm)→0.76kgf・m(12000rpm)
VFR750:0.23kgf・m(3000rpm)→1.03kgf・m(12000rpm)
と回転数上昇に伴って大きく増加しています。明らかに誤りです。

 こちらの図5では、バルブ駆動ロス出力は回転数増加で大きく変化していません。
http://www.jsae.or.jp/~dat1/mr/motor26/mr20072616.pdf
 
 なお、フリクションの合計値は出典Fig.3.4と同じですので、Fig.3.4の合計値そのものは正しいと思われます。



市販NR750とVFR750(4) 有効開口面積

出典は
 Technical Review 全論文一覧 | 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)
中、Vol.04の「ホンダNR用楕円ピストンエンジンの開発」です。


 Fig.3.2から有効開口面積を比較してみます。
 本文中に「バルブの最大リフトが1.4mm低いにもかかわらず、(VFR750より)29%大きな開口面積が得られた」とあります。

 まず、Fig.3.2に表示されたNR750とVFR750の有効開口面積の最大値を比較すると、
NR750:7.14c㎡(8mmリフト)
VFR750:6.20c㎡(9mmリフト)
で、NR750が15%大きいに留まります。なお、グラフからの数値の読み取り誤差にご留意ください(以下、同じ)。

 VFR750の最大バルブリフトを9mmとすると、「バルブの最大リフトが1.4mm低いにもかかわらず」からNR750の最大バルブリフトは7.6mmになりますから、NR750の有効開口面積はこれより若干小さくなりますが、それでも「15%」は変わらない程度です。

 次に平均有効開口面積を見てみます。最大バルブリフトをNR750:7.6mm、VFR750:9mmとすると、平均有効開口面積は
NR750:4.86c㎡
VFR750:4.05c㎡
になり、NR750が20%大きい結果になります。(読み取り誤差を考慮しても)「29%大きな開口面積」には程遠い数字です。
 
 仮にFig.3.2において、NR750もVFR750も同じ8mmバルブリフトで比較すると、平均有効開口面積は
NR750:4.86c㎡
VFR750:3.79c㎡
になり、NR750が28%大きい結果になり、「29%大きな開口面積」とほぼ同じです。

 さらに同じ7.4mmバルブリフトで比較すると
NR750:4.86c㎡
VFR750:3.67c㎡
と、NR750が32%大きい結果になります。

 「29%大きな開口面積」は、NR750とVFR750の最大バルブリフトの差・1.4mmを無視した評価なのかもしれません。

 NR750の
バルブ面積が5.8%しか大きくないのに、有効開口面積が29%も大きくなるのは不思議です。例えバルブリフトを大きくとり、(出典中にあるように)NR750の「シリンダーによるマスク効果が小さい」としても。

 なお、Fig.3.2から、バルブリフト7.4mm時のNR750と(仮想)8気筒との平均有効開口面積を比較すると、NR750が10%大きいという結果で、出典の12%とほぼ同じでした。

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