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レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ホンダRC174(297cc6気筒)と隅谷守男

 1973年9月にホンダ創立25周年行事が行われましたが、その行事の一つが荒川テストコースでの走行会です。1960年代のホンダレーサー(二輪、四輪)が走りました。走行したマシンの中にはRC174もあり、隅谷守男が駆りました。
https://cdn.4travel.jp/img/tcs/t/pict/src/31/50/33/src_31503374.jpg?1627101138


 この写真もその時のもの。


 そして、下の写真ですが
SUGO_RACERSさんはTwitterを使っています 「撮影場所·日時共に不明ですが、マイク·ヘイルウッド選手の車両(RC17系かRC181)をテストする隅谷守男選手です。背景のホンダZから70年以降の撮影と思われます。 #MorioSumiya #MikeHailwood #Honda #HondaRC #Testing #隅谷守男 #マイクヘイルウッド #ホンダ https://t.co/IFqL3Gbaen」 / Twitter

 フレームはRC174Fで、前ブレーキ、前フェンダーもRC174のものですので、マシンはRC174と思われます。もちろんライダーは隅谷守男です。おそらく走行会に向けてのテストで撮影されたものでしょう。

 でも、本番の時とフェアリングが異なります。
〇フェアリングにゼッケン番号がない。
〇フェアリングにM.HAILWOODの文字がある。
〇ゼッケン部の前部のパネル(オイルクーラー部)形状が異なる。

 このマシンのフレームも本番時のフレームもRC174Fですが、下のRC174F-301(フレーム番号、1980年撮影)とは別個体ですので、テスト時と本番時のマシンは同一個体で

〇フェアリング等が交換された
あるいは
〇フェアリングを塗装し、パネルを交換した。

の可能性が高いと思います。


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1986年型ホンダNSR250(NV1B)の排気管(2)

   さて、世界選手権では、第8戦フランス(7月20日)で各ライダーのマシンが一斉に新型排気管になります。

 第7戦ベルギーGPプラクティス、レースの映像。

 以下の写真はこの映像から切り取ったもので、各マシンともフェアリングから出る下側排気管(車体右側)が短く「とぐろ」型と分ります。

アントン・マング


アルフォンシト・ポンス


ジャン・フランソワ・バルデ



ドミニク・サロン


ファウスト・リッチ


ヴィルジニオ・フェラーリ



 そして、第8戦フランスGPの映像。

 以下の写真はこの動画から切り取ったもので、下側排気管(車体右側)が後方に長く伸びています。

マング


ポンス



サロン


 当時の世界GPスケジュールを確認すると

第1戦スペイン(5月4日)、第2戦イタリア(5月18日)、第3戦ドイツ(5月25日)~第6戦オランダ(6月28日)、第7戦ベルギー(7月6日)、第8戦フランス(7月20日)

です。


 この第2戦イタリアGPがホンダにとって転換点だったようです。このレース、マングとラバードが激しいレースを繰り広げ、僅差でマングが勝ったのですが、直線が長いモンツァでヤマハ0W82がNSR250と対等に戦ったのです。


  新型排気管の開発がいつ頃始まったのかは分かりませんが、このイタリアGPの結果が、ホンダにNSR250の最高出力向上を急がせることになったと思います。そして、イタリアGPの1週間後の全日本第6戦菅生で新型排気管が姿を現しました。

 その後も何回かの仕様変更とテストが行われ、初登場(菅生)から2か月後の第8戦フランスGPで投入されました。
 おそらく、第7戦ベルギーと第8戦フランスの間の2週間に新型排気管がGPライダーによってテストされたのでしょう。



1986年型ホンダNSR250(NV1B)の排気管

 1986年、ヤマハ0W82のライバルとなったホンダNSR250(NV1B)についても触れます。

 シーズン前公表写真。


 エンジンは1軸クランク90度V型2気筒で、2気筒とも前方排気です。1985年型RS250RW(NSR250/NV1A)と同様、下気筒排気管がエンジン下でとぐろを巻いた後に右スイングアーム横に伸びます。

 マスの集中化、空気抵抗の低減に効果があったでしょうし、何より排気管の膨張室のスイングアームへの干渉を避けることができます。

 しかし、このような曲げが大きい排気管は、とぐろを巻かず伸ばす排気管に較べエンジン性能上はマイナスで、
1986年にヤマハが純ファクトリーマシン0W82を本格的に走らせるようになると、この「とぐろ」排気管も見直されました。 

 シーズン終盤、国内で雑誌取材に供された
-/NSR250F-6811(エンジン番号不明)



 下排気管がとぐろを巻かず、後方に伸びています。
 下はエンジン下側から見た写真で、上が進行方向です。

 左上のプラグキャップがあるのが下気筒のシリンダーヘッドで、このシリンダーの排気口は上排気管に隠れていますが、下気筒の排気管はエンジン下右寄り(写真左側)から左寄り(写真右側)になり、(写真には写ってませんが)再び右寄りになり、右スイングアーム辺りに顔を出します。

 この形態の排気管は世界GPで登場する前に全日本選手権で姿を見せました。

 全日本第5戦筑波(5月11日)車検時の清水雅広のNSR250。
 860511_250_04nsrsimizu.jpg - scan19xx (seesaa.net)
  この時点では「とぐろ」排気管です。

 同じく車検時の山本隆義のNSR250。
860511_250_05yamamoto_nsr.jpg - scan19xx (seesaa.net)
 分りにくいですが「とぐろ」排気管です。

 そして、新型排気管が全日本第6戦菅生(5月24日)で姿を見せます。ライダースクラブ1986-8の記述。
「清水のNSRには直線的にテールパイプが取り出された新型エキゾーストが装着されていた。もう1台のNSRは西川原尚に与えられ、こちらは従来型」

  この動画から切り取った清水のNSRの画像。

   また、44秒あたりのスタート直前のシーンで西川原(ゼッケン8)のNSR250が写っていますが、下側排気管が短いので「とぐろ」と分ります。


 第7戦鈴鹿では250ccクラスはなく、全日本第8戦筑波(6月22日)では清水選手以外のNSR250も新型排気管になります。ライダースクラブ1986-9の記述。
「ホンダは、菅生で清水雅広が使った若干高速型のエキゾーストを西川原尚にも与えた」

 この動画から切り取った清水のNSRの画像。

 排気管の膨張室からテールパイプへの接続部が滑らかになったように見えます。

(続く)





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