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JFRMCブログ

レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。

ホンダ4RC146E-405

JFRMCブログ ホンダ 4RC146 (tou3.com)

で、私が4RC146を初めて見たのは1980年であることを書きましたが、今現存するマシンのエンジン番号も

4RC146E-405

です。「405」が見えます。ただ、エンジンの大部分が新造されているようです。






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ホンダの八木氏等

が書いた1960年代のホンダレーサーに関する次の論文があります。

世界二輪グランプリレースに出場したホンダ レース用エンジンの開発史」 本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)(論文1)

「ホンダの二輪レース用機関の出力特性 -機関諸元の選定- 」本田技術研究所 論文サイト (hondarandd.jp)(論文2)

 非常に参考になるのですが、一方で記述、数値におかしなところが散見されるので悩みの種でもあります。

 論文2に掲載されたエンジン出力曲線はRACERS Volume70の97頁にそのまま掲載されています。次の画像は125㏄エンジンの性能曲線図から切り出して線を加筆したもの。



RC145:15.15kW(20.6PS)/13000rpm
RC146:16.5kW(22.5PS)/15000rpm

辺りです。
 一方、論文1では
RC145:22.5PS/14000rpm
RC146:22PS/15000rpm
となっています。

 論文2のグラフのRC145の数値は明らかに他エンジン(おそらく2RC143)の値と取り違えていると思われますし、RC146の出力も論文1と異なっています。

 雑誌等の記事で「RC146の出力はRC145に及ばなかった」となっているのは論文1の記述によるようですが、論文2からすると同値になります。

 エンジン出力には個体差があるので、RC146の出力数値が2つあったとしても不思議ではないのですが、他機種のエンジン出力と比較する際には要注意という見本かなと思います。
 市販車のエンジンの「これが〇〇の出力」というようなものではないのです。

 なお、元々の数値はPSで測定されており論文2作成のためkW換算する際に1PS=0.7355kWではなく0.75kWで換算したのかなとも思いましたが、RC148等々については論文1と論文2で数値に差がありませんでした。


ホンダRC146/2RC146/4RC146

この3機種のホンダ125㏄4気筒について、よく知られた区別は

RC146
 1963年日本GPで登場した2バルブ型

2RC146
 1964シーズンを走った4バルブ型

4RC146
 1965年第5戦マン島で登場した新4バルブ型

です。この区分についてはいくつか疑問があります。

〇1963年日本GPを伝える当時の雑誌記事では車名を「2RC146」としていた。
〇1964年東ドイツGPで撮影されたとされるマシン


と、1964年最終戦日本GPで撮影されたマシン


では、エンジンの形が異なるが、2つとも2RC146エンジンなのか?
 後者は現存する4RC146エンジン(4RC146E-405)

に酷似している。


〇現存する4RC46E-405の「405」の4は改良型を示すと思われる。例えば現存するRC181エンジンは1967年型で、RC181E-301、RC181-302と機種名に続く数字は「3」から始まり、現存する66年型エンジンは「1」から始まっている。
 1965年第5戦マン島で登場し、ヨーロッパでは第6戦オランダまでしか走らず、以後、5気筒RC148の開発に傾注することになった(最終戦日本GPで登場)はずなのに、なぜ現存する4RC146のエンジン番号が「405」なのか?

 というようなことを記事にしようと思います。

ホンダ 4RC146

1965年型ホンダ125㏄4気筒です。これは1998年に撮影した動画から切り出したもの。

 エンジン番号は4RC146E-405でした。という訳で、ホンダ125㏄4気筒について少し書こうとしています。

 私がこのマシンを初めて見たのは1980年開催のホンダモータースポーツ展(鈴鹿サーキット)でした。それから44年も経ってしまいました。

 このマシン、1970年代になって初めて公に姿を見せたのは1973年で、ホンダ創立25年記念行事として、荒川テストコースで走行したレーシングマシン(2輪、4輪)の中の1台でした。

 当時のホンダ社員による写真をごらんください。黒地に白数字6のマシンです。

『素顔の本田宗一郎と社員たち/3代社長の3ショット (永久保存版)Soichiro Honda and Three Tops of Honda/The memorial run of glorious racers』白金(東京)の旅行記・ブログ by yamada423さん【フォートラベル】 (4travel.jp)

 ホンダが本田宗一郎の強烈な個性が引っ張る会社だったことが、これらの写真からも理解できるように思います。それにしても、51年経って写真に写る少なくない方が故人となっていることに寂しさを覚えます。

新旧GPレーサーのエンジン形式と排気量 から点火タイミングを考える!



  かなり間違えています。

 下の画像は上の動画から切り出したもの。

 RC211Vの点火間隔を「76-76-208-76-284度」としていますが、2006年秋にホンダが「75.5-104.5-180-75.5-284.5度」と公表済です。75.5度を76度と表記していることはともかく、「76-76-・・・」では1次慣性力が釣り合いません。

 動画中の13分31秒からの図の一部を拡大した下図では
(クリックして拡大)
正しい点火間隔が示されています。

 また、動画中の13分31秒からの図の一番下で、「360°クランク90°V4=ヤマハ・直4クロスフロー」(クロスフローはクロスプレーンの誤り)としていますが、ヤマハ・直4クロスプレーンの点火間隔は「270-180-90-180度」と公表されています。
 クロスプレーン型クランクシャフト - ヤマハ バイク ブログ|ヤマハ発動機株式会社 (yamaha-motor.co.jp)

 そもそも直列4気筒エンジンで90-270-90-270度点火間隔であれば、バランサーシャフト1本で1次慣性力を偶力を残さず釣り合わせることはできません。

 既に点火間隔の答えが多くのサイト、雑誌、書物にあるのに残念です。


 なお、近接点火そのものによる効果について、ヤマハは否定しています。

(99+) 08JSAE_CROSSPLANE.pdf | MASAO FURUSAWA - Academia.edu

 また、RC211Vのエンジンレイアウトの発明者である山下ノボル氏も、当初

L4等間隔爆発のトルク変動振幅の大きさが目につき,2ストロ
ークと同じく不等間隔爆発に絶対的な優位性があるかどうかはセンスとして迷うところである」(a (jst.go.jp)

としていたことから分るように、RC211Vの近接点火の優位性に大きな期待をしていませんでした。

 
 

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