レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
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自衛隊の階級名の見直し、木原官房長官「スピード感持って検討」
「自衛隊の階級は、自衛隊法で最高位の「将」以下、16階級ある。「大将」「大佐」などを使う海外とは異なり、「将」「1佐」などの呼称を使ってきた。自衛隊の軍事色を薄めるためだが、自民党と日本維新の会は連立合意書で「現在の自衛隊の階級の国際標準化を2026年度中に実行する」と明記した。」
旧軍の階級の大佐(自衛隊は1佐)は
アメリカ陸軍、空軍、海兵隊 Colonel
アメリカ海軍 Captain
イギリス陸軍、海兵隊 Colonel
イギリス空軍 Group Captain
イギリス海軍 Captain
ドイツ陸軍、空軍 Oberst
ドイツ海軍 Kapitän zur See
に相当します。
階級名は国によって違いますし、各国軍内部ですら統一されていません。
1佐を大佐に改めるのは、国際標準化ではなく旧軍化です。
海外の階級名を訳する時に、旧軍式の大佐と訳するから自衛隊の階級との対比ができないだけで、1佐と訳せばいいだけのことです。
階級名を変更することの是非はここでは議論しませんが、「階級の国際標準化」は理由になっていません。自民党、維新の会は、自衛隊の1佐が海外では国、軍を問わずTaisaだと思っているのでしょう。
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テクニカルコース に、鈴鹿サーキットの航空写真に直線長(推定)、コーナー半径(公式)を記入したものを載せていましたが、平忠彦(1986年型YZR500(0W81))のシフト地点(平忠彦写真集 きらめく汗のむこうに(角川書店1987)を参考)を加筆しました。
これです。
これまでの記事に加筆してまとめました。
テクニカルコース
例えば、下の赤文字が追加分です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これらの関係から、700m加速するのに要する時間を計算する。さらに、コーナー脱出速度を10%上げた時も同様に加速時間を計算した。
低速コーナー
脱出速度80km/h 11.56秒
脱出速度88km/h 11.47秒(0.09秒短縮) 出力向上3PS相当
高速コーナー
脱出速度200km/h 9.90秒
脱出速度220km/h 9.59秒(0.31秒短縮) 出力向上17PS相当
高速コーナーの方がコーナー脱出速度を1割上昇させた効果が大きいことがわかる。 200km/hの1割上昇ではなく、80km/hと同じ8km/h上昇で計算してみても
脱出速度208km/h 9.78秒(0.12秒短縮) 出力向上7PS相当
となり、脱出速度上昇による直線加速時間短縮効果が低速コーナーより大きい。

です。コース中央下のコーナー(デグナーカーブ)は1987年シーズン中に2つのコーナーになりましたが、1986年時点では80Rの単一コーナーでした。
直線手前にある高速コーナーは、最終コーナー(250R)、100・180R複合コーナー(ダンロップコーナー)、130Rですが、コーナーに続く直線が長いのはホームストレート(800m)で、他の2つに続く直線は200m程度です。
ただし、250Rは手前にシケインがあるため、250Rへの進入はシルバーストーンの最終コーナー(240R、Woodcote)より容易です。
そして、西ストレートは長いのですが、その前のスプーンカーブ (60R)は高速コーナーとはいえないでしょう。
鈴鹿はシルバーストーンよりコーナー脱出速度が直線タイムに与える影響が少ないのです。
JFRMCブログ テクニカルコース(2)で書いたように、スロットル全開時間、全開率(スロットル全開時間/ラップタイム)は
1983年シルバーストーン(ケニー・ロバーツ) 25秒 27~28%(その他:72~73%)
1986年鈴鹿(平忠彦) 25秒 18~19%(その他:81~82%)
程度です。これだけ見ると、その他(ブレーキング+コーナーリング)の割合が大きい鈴鹿の方がライダーのテクニックの差がラップタイムに表れやすいように感じられるかもしれませんが、この数値だけでは何も分らないのです。
そして、高速コーナーでは速度が高いため、ライダーがマシンの挙動からミスに気が付いて修正を開始するまでの許容時間(修正が間に合う時間)が短くなります。240Rでは60Rでの反応時間の1/2でライダーが対処する必要があります。高速コーナーでは低速コーナーより正確なマシンコントロールが要求されるのです。そして、ライダーのミスにより転倒した場合のリスクも低速コーナーより大きいでしょう。
「シルバーストーンはライダーにcourage and skillを要求するサーキット」なのです。
付け加えるなら、シルバーストーンでは直線に入った時の速度が高いため、スリップストリームを使いやすく、出力の低いマシンであっても接戦に持ち込めば十分勝機があります。
私は、シルバーストーンは、コーナーの多い「テクニカルコース」とは別の意味での「テクニカルコース」だと考えています。
※ロバーツは最終コーナー(Woodcote)を4速(Techniques of Motor Cycle Road Racing by Kenny Roberts, Hazleton 1988)、Abbey(170R)も4速で走る(1979年、Kenny Roberts by Barry Coleman, Arthur Barker 1982) としている。他地点は推定。

上図のコーナーからの脱出速度と、コーナーに続く直線での加速時間について考えます。
次のとおり仮定します。
〇直線加速距離700m
〇出力は120PS一定(後車軸)
〇走行抵抗は空気抵抗のみ
〇マシン質量210㎏(ライダー、燃料を含む)
〇真の最高速300km/h(直線長が非常に長いコースに合わせて減速比を調整した状態での最高速)
コーナー脱出速度を80km/h(低速コーナー)と200km/h(高速コーナー)とした場合の、加速に寄与する出力は次のとおり。
〇コーナー脱出速度80km/h
コーナー脱出時に加速に寄与する出力 120×(1-(80/300)3)=117.7 PS
〇コーナー脱出速度200km/h
コーナー脱出時に加速に寄与する出力 120×(1-(200/300)3)=84.4 PS
直線で加速すればするほど加速出力が減少します。
さらに
加速度a=P/mv(P:出力、m:質量)
ですので、速度上昇とともに加速度が小さくなります。
これらの関係から、700m加速するのに要する時間を計算します。そして、コーナー脱出速度を10%上げた時も同様に加速時間を計算してみました。
低速コーナー
80km/h 11.56秒
88km/h 11.47秒(0.09秒短縮)
高速コーナー
200km/h 9.90秒
220km/h 9.59秒(0.31秒短縮)
高速コーナーの方がコーナー脱出速度を1割上昇させた効果が大きいことがわかります。
200km/hの1割上昇ではなく、80km/hと同じ8km/h上昇で計算してみても
208km/h 9.78秒(0.12秒短縮)
となり、脱出速度上昇による直線加速時間短縮効果が低速コーナーより大きいのです。
もてぎのダウンヒルストレートでの加速距離は650m程度と思われますが、その手前のヘアピンは30R・180度程度の低速コーナーですので、その脱出速度の直線タイムへの影響は鈴鹿のスプーン(60R・110度程度)に比べると小さなものです
そして、接戦になった時、直線での加速開始直後のスリップストリームの効果も低く、もてぎのこのセクションは、ライダーのテクニックより出力差が(鈴鹿サーキットのスプーンより)表れやすいと言えるでしょう。
なお、上記計算は一定の条件の下での試算であり、個々の数字を保証するものではありません。あくまで脱出速度の差により直線加速時間がどの程度変化するかを推定するためのものであることに御留意ください。
