レーシングマシンについての記事は「その他」にもあります。
The MizzさんのX
(3) The Mizz (@_Mizz77) / X
で、KR350がオークションに出るという記事
1982 Kawasaki KR 350 – Charterhouse Motorcycle Auction
を知りました。しかし、写真はKR350ですが、説明がKR750についてのものです。エンジン番号62E~もKR750のものですし。
で、
1977 Kawasaki KR 750 – Charterhouse Motorcycle Auction
の記事をベースにKR350の記事を作成しようとして、肝心の記事を修正し忘れたもののようです。
で、肝心のKR350ですが、エンジン番号の写真が不思議です。
これは https://charterhouse-bikes.com/wp-content/uploads/2025/12/thumbnail_IMG_2758_1600x1200.jpg
から切り取ったもの。
右端の3文字は別の写真で「PER」と分ります。それ以外に、3文字と4文字(または3文字)が離れて打刻されています。
私が確認したKR250、KR350のエンジン番号リスト。
KR250/KR350
最初の文字は「61E」または「TE601」です。TE601の打刻の写真もKR250/KR350にあります。
そして61Eの打刻。
オークションマシンのエンジン番号打刻の字体・大きさはこれらとは全く異なります。このエンジン番号はカワサキが打刻したものなのでしょうか?
ホンダNR750(市販車)の開発について、元ホンダの山中勲氏は著書(ホンダ・フラッグシップバイク開発物語)の中で
「このマシンはレースに勝つために考案され、熟成されてきたエンジンをベースとして~」
「750㏄の排気量でありながら若干の改造をすれば160psを発揮することはテストにより確認していた。エンジンの性能の高さを表現する方法として、リッターあたり出力で評価することがある。市販車エンジンにおける当時の実力としてはリッターあたり150psが限界と考えられていた。この計算を行うとNRは160ps/0.75=213ps/lとなり、当時の限界を1.4倍も超えていたことになるのだから、いかに構造的に優れていることがわかる」
「限界を1.4倍も超えていた」ら、その値は限界の2.4倍になるのでは? 「限界の1.4倍に達していた」か「限界の1.4倍を超えていた」(213/150=1.42で1.4を超えているため)の方がよいと思います。
さて、出力=回転数×トルクですが、回転数限界は気筒あたり排気量に大きく左右されます。レーシングエンジンで高出力を得るために多気筒化(気筒あたり排気量減少)が検討されるのはこのためです。
ですから、複数のエンジンの性能を比較するのに、気筒あたり排気量を揃えずにリッター当たり出力を比較しても無意味です。当時の4ストローク250㏄4気筒の市販車は4メーカーとも45ps(自主規制値)だった記憶ですが、このリッターあたり出力は180psですので、山中氏の評価方法では「NR750より構造的に優れている」ことになります。